Amazonの売り手も買い手も、知るとお得な便利機能まとめ

福島 れい

 TVCMやプライムデーなど何かと話題に挙がることが多いAmazon。ショッピングサイトの印象が強いAmazonだが、実は、出品も、購入も簡単にできるようになっている。Amazonの出品者として日頃仕事で活用している人が、いざ仕事を離れてもしっかりAmazonプライム会員で、よく購入するという人が、EC業界では少なくない。

 そこでここでは、売り手としてはどんな機能・サービスを使えば良く、また一方で、買い手の立場で言えばどんな機能サービスを活用すれば便利なのか。普段両使いしている人のために、両方の立場で、「お得って何?」ということについてまとめてみた。

買う場としてのAmazon.co.jp

まず、ショッピングサイトとしてのサービスから。

 Amazon.co.jpが日本向けAmazonショッピングサイトだ。ここではAmazonが販売する商品と、Amazonマーケットプレイス(後述)に出品する販売事業者が販売する商品の購入が可能となっている。商品数が多いAmazon.co.jpだが、メールアドレスを登録し、独自にカスタマイズされた「マイストア」を設定すると、自分の好みに合わせたセレクトショップとして利用できるサービスや、クリックした商品データをもとに自動的に更新され、おすすめの商品がリアルタイムで表示される「マイページ」などが用意されており、好みに合わせたショッピングを楽しむことができるようになっている。

 注文も簡単にできるよう「1-Click設定」が可能だ。過去にAmazonでの購入経験があれば、商品詳細ページの「1-Clickで今すぐ買う」をクリックするだけで商品の発送が可能になるというもの。ネットショッピングというと住所等の入力が手間になりがちだが、簡単に注文できるようになっている。

 配送料金については、注文確定当日に届く「当日お急ぎ便」(税込514円)や注文確定日から3日後までに商品を届ける「お急ぎ便」(税込360円)、「お届け日時指定便」(税込360円)などが用意されている。通常の配送であれば、Amazon.co.jpが発送する商品の注文金額が2,000円(税込)以上で無料、2,000円に満たない場合には配送料が350円かかる。しかし、プライム会員であれば、これらの配送料金は無料になる。

プライム会員

 プライム会員とは、3,900円(税込)の年会費で様々な特典が受けられる会員サービスだ。「家族と一緒に使い放題」として同居の家族を2人まで家族会員として登録できるため、家族で使えばよりお得になる。

 プライム会員の特典はいくつもあるが、まず、前述の通り、Amazon.co.jpから発送される商品の配送料金が無料になる。これは、Amazonマーケットプレイスに出品する事業者のうち、FBA(後述)を利用する事業者からの購入商品も含まれる。

 また、商品の購入においても「プライム会員限定先行タイムセール」に参加できたり、食品・日用品などの低価格商品を1点から購入できる「 Amazonパントリー」、対象商品を割引価格で定期的に届ける「Amazon定期おトク便のおまとめ割引」など、プライム会員限定のお得な買い方が用意されている。

 プライム会員が楽しめるのは買い物だけではない。映画やTV番組が見放題になる「プライム・ビデオ」や100万曲以上の楽曲やアルバム、プレイリストを広告なしで楽しむことができるようになる「Prime Music」、 Amazon Driveに写真を容量無制限で保存できる「プライム・フォト」、対象タイトルの中から好きな本を1か月に1冊、無料で読むことができる「Kindleオーナーライブラリー」などが追加料金なしで楽しめる。

プライム会員サービス一覧表


次ページではビジネスの場として活用できるAmazonのサービスをまとめる。


ビジネスの場としてAmazonを活用する

Amazonを活用したビジネスを行う人も多い。ここではビジネスの場としてのAmazonのサービスをご紹介する。

 まず、「Amazonマーケットプレイス」で商品を出品、商品を販売する方法から。Amazonは、誰でもその日から新品・中古品を問わず出品を開始できる仕組みになっている。販売は非常に簡単で、出品アカウントを登録し、出品。注文を受けたら発送するだけで良い。注文成約時にのみ販売手数料が発生する料金プランになっており、低コストでの販売が可能だ。商品数が多い場合やオリジナル商品の出品には、月額の固定費を支払う大口出品サービスを、個人など小規模で販売する場合には成約手数料のみの小口出品サービスを利用することになる。

 取り扱い商品数が多い販売事業者に特に重宝されているのが、FBA(Fulfillment by Amazon)だ。FBAは商品在庫の保管、注文処理、出荷、これらに関するカスタマーサービスをAmazonが代行するサービスで、利用者の多くが売上の拡大を実感しているという。売上拡大の要因となるのは24時間365日、注文処理から出荷までスピーディーに対応していることだ。商戦期や販売事業者の休暇中にも、自動で出荷され、機会損失を防いでくれ、売上の拡大につながる。

 ここまでは、Amazonの環境を活用して自社で販売する方法だったが、Amazonと直接取引をして商品を展開するという方法もある。これは「Amazonベンダーエクスプレス」というサービスで、Amazonが企業から商品を直接購入、商品発送や販売促進、カスタマーサービス、返品対応をAmazonが担ってくれるため、商品づくりに注力できるのだ。また、書籍やCD、DVDなどの出版社・メーカーは、「Amazon e託販売サービス」を活用し、Amazonの配送センターで、委託在庫として預けることも可能だ。このように手持ちの商品をAmazonの集客力や配送網を活用して販売する。Amazonを活用したビジネスの1つだ。

 他にも、Amazon以外のECサイトであっても、Amazonのアカウントを利用した買い物を提供するAmazonログイン&ペイメントを活用すれば、クレジットカード情報や配送先住所などの面倒な情報入力の手間を省き、注文途中の離脱率を改善することもできる。

 Amazonは認知度が高く、会員数も多いため、Amazonの会員に向けてアプローチできるこれらのサービスは自社の商品、ECサイトを惹きたてる要素の1つとなるのだ。Amazonのサービスは全てを使うというよりも、必要なものだけを必要な時にだけ使う事業者も多いと聞く。上手く活用し、自社の成長につなげたいものだ。


記者プロフィール

福島 れい

ECのミカタ編集部に所属するバドミントンと和服、旅好きの記者、通称れーちゃん。ミニ特集「アパレルECの未来(https://goo.gl/uFvr2C)」等、これからEC業界がどんな風に発展していくのか。に注目しながら執筆しています。2017年の執筆テーマは、”私にしか書けない記事をタイムリーに”。

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