ワコールECの購入完了率が125%に!その背景にある力
自分にぴったりの商品を見つけることができるように!
株式会社Sprocket(以下、Sprocket)は、株式会社ワコール(以下、ワコール)が運営する下着通販サイト「ワコールウェブストア」にウェブ接客ツール「Sprocket」が採用され、その成果を発表した。
導入シナリオでは、「ワコールウェブストア」内でショッピングするユーザーが、Sprocketガイドの質問に対して回答することで、自分にぴったりの商品を見つけることができる。また、サイトの回遊率や購入率、購入単価の向上を目的に商品ページから商品の特性や着用方法などのコンテンツに誘導したり、お得なキャンペーンを紹介するといった様々なシナリオを実施している。
離脱・カゴ落ちの問題を解決!
「ワコールウェブストア」では、商品詳細ページなど階層の深いページにランディングしたユーザーが欲しい商品の探し方が分からず、離脱してしまうことが課題であった。そこで、店舗で店員が顧客のニーズを聞きながらマッチする商品を紹介するように、Sprocketガイドがユーザーを案内し、目的の商品ページに誘導するようにした。その結果、商品を購入するユーザーがSprocketガイドを表示しない場合に比べて125%となった。
さらに、商品をカートに追加したにも関わらず、購入手続きを完了しない、いわゆる「カゴ落ち」の課題がある。それを防止するために、Sprocketガイドはカートに商品が追加したユーザーに在庫状況や商品の交換が可能なことを伝える。Sprocketガイドを表示した場合、購入完了率が104%となり、カゴ落ち防止の効果があることが判明した。
その他に、ユーザーが課題と認識していないことを気付かせることもウェブ接客の役割である。「ワコールウェブストア」では、就寝時に着用する「ナイトブラ」を発売しており、就寝専用のブラをつける効果を伝えるために、オウンドメディア「WACOAL BODYBOOK」にコンテンツを用意している。Sprocketガイドは、ナイトブラに関心のあるユーザーをECからオウンドメディアに誘導し、より深く商品の利点を知ってもらうことで、より効果的に利用できること、さらにはリピート購入に繋げることを目指している。
また、「ワコールウェブストア」のデジタルマーケティングでお馴染みの「どんブラ子ちゃん」と「教子先生」が、Sprocketガイドに登場し、ユーザーを導いていく、Sprocketガイドはデザインを柔軟に変更できるため、共通したブランド体験を提供できる。
ユーザーの立場で問題を考えることが大切
ユーザーの立場で考えると、欲しい商品を求めてECに訪れる。しかし、お目当ての商品が見つからないと離脱をし、別のECで探す。本当にお目当ての商品が無いなら、それは仕方がないことだが、商品があるのにも関わらず、見つからないために離脱してしまうならば、もったいなく感じないだろうか。それは、EC運営者にとっても、ユーザーにとっても避けたいことだ。
Sprocketガイドでは、まるで、店舗に居て、店員が紹介してくれるような感じで商品を案内してくれる。これならば、“商品が見つからない”という事態を避けることができると同時に離脱防止に繋がる。ECは、ユーザーの顔を見ながら接客することはできないが、魅力的な写真や文章を通して商品の素晴らしさを充分に伝えることはできる。
もう一つ、カゴ落ちの問題だが、近頃ではこのカゴに商品を一度保存し、購入を考えるユーザーが多いそうだ。株式会社ジャストシステムの「ECでの上手な買い方調査」によると、気になった商品を後から探しやすくするためにしていることとして、「ショッピングカートに入れておく」と回答した人は30.0%であった。その理由として、「本当に買うべき商品か、冷静に考える時間が必要だから」(66.4%)、「複数のECサイトを比較して、条件が最も良いところで購入したいから」(51.7%)が挙がった。
一度カゴに商品を入れると、考える時間が設けられたり、購入時に探す手間が無くなったりとメリットが多いが、時間が経つとカゴに入れたことを忘れてしまうことがある。そのような時に在庫状況を教えてくれたら、「購入しよう」と思っていたことも思い出し、改めて購入するかもしれない。それをSprocketガイドが行ってくれ、さらに、商品の交換ができることもユーザーに伝えてくれる。
下着や洋服をECで購入するときに「サイズが合わなかったらどうしよう」という不安がある。その不安が大きくなると、一度はカゴに入れたものの、購入を止めてしまう恐れがある。しかし、サイズ変更が可能なことを知ることで不安は解消され、迷うことなく、購入することができる。
上記で述べたようなことを解決してくれる存在が「Sprocketガイド」であり、実際に導入し、離脱・カゴ落ち問題が解決された企業が増加している。この「Sprocketガイド」は、ユーザーに商品の詳細を丁寧に教えてくれ、購入に繋げてくれる大切な存在なのだ。今後、EC利用者がますます増加していくと考えられるため、「Sprocketガイド」のような施策が必要不可欠となるだろう。