EC業界News1週間まとめ〜ヤフー新生R∞で見せる気合い/SBI横浜銀行等決済の潮流/ヤマトの配達改革等
EC業界の8/21〜27のNewsをギュギュっとまとめました
こんにちは。メディア編集部の石郷です。
今週、読まれた記事はこちら。
【速報】Yahoo!のイズムを胸に、無料の新生R∞発進!
https://ecnomikata.com/ecnews/10658/
【第4回】EC店舗を襲う不正の今~ヤフオク、メルカリに盗品が?~
https://ecnomikata.com/column/10360/
ヤマト、受取の利便性向上「Myカレンダーサービス」発表
https://ecnomikata.com/ecnews/10665/
【比較してみた】Amazonと楽天の読み放題〜お得なのは?(2016年8月18日調べ)
https://ecnomikata.com/ecnews/10618/
【最新SNS調査】LINEを猛追するSNSは○○(ICT総研調べ)
https://ecnomikata.com/ecnews/10673/
リクルートも始動、楽天・Yahoo!・Amazon融資サービス比較
https://ecnomikata.com/ecnews/10739/
バリューコマース、デジミホのR∞買収の真意。ヤフーで生きる!
まず、STORE’s R∞(ストアーズ アールエイト)の話題。これは、ヤフーショッピング上で、マーケティングオートメーションツールを展開するというものです。ヤフーは会社全体でここ最近、プレミアム会員を強化していこうという動きがあります。ヤフーのポータルとしての強みを生かし、メディアサービスからECや、クレジットカードへ導き、それぞれの特典を相互に絡ませる事で、最終的には、お得なショッピングを印象付けて、プレミアム会員の数を増やす方向性を打ち出しています。
ヤフーとしては自らの強みをそういう風にして最大化してお客様を育てつつ、それぞれのショップ毎においては、最初に買ったお客様を、ずっと買い続けさせるだけのストーリーを、STORE’s R∞の持つマーケティングオートメーションで実現させていくことで、ロイヤルカスタマーを熟成したいという狙いがあるのでしょう。
思えば、昨年末、バリューコマースが、デジミホを子会社化し、EC業界を驚かせたが、バリューコマースがやろうとしていたのは、まさに、このデジミホの持つ「R∞(アールエイト)」のマーケティング支援のノウハウを、ヤフーショッピングの店舗がより長く商品を買っていただけるお客様を作る礎にしてもらいたかったからに他ならない。ヤフーとしてのECにかける気合いのほどがうかがえます。ショップ運営がやりやすくなるのは間違いないでしょう。
なるべく多くの人たちに、ECのチャンスを与えようとするその姿勢は、今回も見られ、出店料無料のヤフーショッピングらしく、こちらのツール、ヤフーが提供する「PRオプション」利用事業者限定で、無料で提供するといいます。
「STORE’s R∞」になって何が変わった?ヤフーの狙い
では、改めて、「STORE’s R∞」のサービス内容を見てみましょう。「R∞」は以前提供していたサービスよりも、今回のリリースを受けて、わかりやすく進化しており、それは個々の部分にとらわれる事なく、全体像でそれを把握できるようにするという点です。メール・広告出稿・顧客分析・販売分析・ROI管理・顧客育成シナリオ・アクセス解析・ウェブ販促・アプリプッシュといった機能を一元管理できるようにしています。
「STORE’s R∞」は、お客様に対してリピーターなどセグメントを取って、クーポンやお知らせを商品ページ上で表示させることができるようになり、Yahoo!ショッピングの機能では実現していなかったことになります。自社ストアの顧客を分析し、“誰に何をいつ”といった最適な施策を、自動化して、店舗の売り上げに貢献します。そうすれば、効果検証もでき、顧客の育成ができるので、最初にここで話した、ヤフーが目指すロイヤルカスタマー的な存在の育成につながって、店とモールの程よい相乗効果が生まれるわけですね。ある種、一部限定的ではありますが、無料で提供される既存顧客を維持・育成する「リピート顧客育成ツール」は、モール初であり、それをやるだけの意味は、今のヤフーの方向性に照らし合わせれば、納得できますよね。
ネットの決済も変革期?横浜銀行、SBIの動きに注目
個人的に気になっているところでいうと、決済です。最近、横浜銀行がSBIホールディングスとSBI Ripple Asiaが結成する「ブロックチェーン技術等を活用した国内外為替一元化検討に関するコンソーシアム」に参加するという発表しています。
どういうことかというと、結論から言うと、例えば、100円から1000円代の小額決済のようなものであったり、あるいは、決済そのものを24時間できるようにするだけでなく、もっと海外への決済振り込みも手数料を抑え、リアルタイムにできるような動きがにわかに生まれているということなんです。
横浜銀行が参加しているコンソーシアムの中に、ブロックチェーンという言葉が出てきているのですが、これはビットコインなどの仮想通貨などで話題に上がるのですが、そのやり取りには安全で、コストがかからないインフラ、プラットフォームが必要なわけで、そこで、それらの問題をクリアした技術といっていい。安全性が高くてコストをかけずに済むための通貨のインフラであるとするなら、そうしたものを活用して、銀行の決済の利便性の向上にも努めようというものなわけです。それゆえ、先程触れたようなことが可能になる、というわけです。特に、注目すべきは、24時間決済可能という話で・・・
決済がもう直ぐネット通販をどう変えるの?それは次のページで
24時間決済可能で、リアルを超えるショッピング!?
すでに、以前の「1週間まとめ」でも書いたのですが、三井住友銀行などでは、自行の口座であれば、24時間できる、という話があります。今回のこの仕組みを使う事で、他行間においてもそれが可能となるわけですから、例えば、今まで銀行振込においての障害であった振込確認後、商品の出荷に伴う、商品の出荷の遅れといった問題が24時間確認できるので、無くなるという意味で、対お客様、対企業においても、何か変化の予感をさせるわけです。
今のような動きをするであろう「ブロックチェーン技術等を活用した国内外為替一元化検討に関するコンソーシアム」が今年の10月に発足する事から、今後、こうした部分が、ネット通販に及ぼす影響があるのではないかと思うのです。
ヤマト運輸のパイオニアとしてのプライド「Myカレンダーサービス」
世の中は少しずつではありますが変化しています。元は、人から人へと、荷物を届け、両者をつなぐ存在だったヤマト運輸は、ショッピングにおける重要なインフラになっています。それゆえ、様々なニーズが生まれた事で、配送に携わる企業の課題もまた変化しています。中でも、対お客様という部分においては、次々に施策を出してくるヤマト運輸の動きは、注目です。
先週もまた、ヤマト運輸が新しい施策を打ち出しました。「Myカレンダーサービス」とよばれるものです。これは、お客様が、配達する前、事前に、ウェブ上で、自身の荷物受け取りに都合のいい曜日と時間を登録できるようにするというもの。たとえば、火曜の13:00~14:00といった具合に登録しておけば、ヤマト運輸は、配達が発生したときに、その希望曜日時間に合わせて配達するという事が可能になりますよね。クロネコメンバーズに登録しているお客様に対してのサービスの一つとして行っていますが、お客様にとっては、利便性の向上はもちろん、ヤマト運輸に対しての信用も高まります。再配達問題に応える施策となっており、配送におけるパイオニアらしさが光るヤマト運輸の動きで、今後、EC業界においての信頼も高まってくるのではないしょうか。
さて、今日はこの辺で。
どうか笑顔溢れる素敵な一週間でありますように。
ではまた来週お会いしましょう。