ヨドバシカメラ、「再配達依頼」24時間対応へ

EC業界では、受注、出荷、配送の時間短縮が進んでいるが、せっかく早く届けても、注文者が自宅におらず、再配達になってしまう。帰宅後に再配達を依頼しようとしても、問い合わせの時間が終了しており、次の配達が遅くなってしまう。そんな再配達の問題の解決が、EC業界が今後も成長するために求められている。今回、株式会社ヨドバシカメラは、この問題を解決するある施策を実施することになった。

究極のサービスを目指し、「ヨドバシエクストリーム」を開始

 株式会社ヨドバシカメラ(以下、ヨドバシカメラ)は、東京都23区全域、および武蔵野市・三鷹市・調布市・狛江市の一部地域を対象に「ヨドバシエクストリーム」サービスを本日9月15日より開始した。

 「ヨドバシエクストリーム」は、2015年2月より東京都内一部地域を対象に、試験的に実施していたヨドバシ・ドット・コムの当日お届けサービス「ヨドバシエクスプレスメール便」の対象地域を拡張、さらに内容を充実し、顧客の要望に合わせた「究極のサービス」を目指し、正式にサービスを開始するものだ。

 今回正式に開始するサービスでは、ヨドバシ・ドット・コムで注文した商品が、1品から、配送料金無料で、最短2時間30分以内に届く仕組みとなっている。対象商品は、ヨドバシ・ドット・コムの取扱商品約456万品目のうち、約43万品目だ。

 なお、本サービス専用に東京都23区内全域、13か所にお届けサービス拠点を開設し、約300台の配達サービス車両と地域専任担当者によるきめ細かいサービスを実施する。また、本サービスの開始に併せて食料品の取り扱いを開始、日用品の品揃えもさらに拡充し、気軽で便利に買い物できる「ヨドバシ・ドット・コム」となる。

24時間受付再配達受付専用コールセンターを開設

 今回のサービスでは、100%ヨドバシカメラの配送による、注文、出荷からお届けまで一貫したサービスと、loTのフル活用により、効率的な配送・再配達業務のと顧客へのサービスレベル向上の、両方を実現していく。

 さらに、再配達時の要望にきめ細かく対応するための24時間受付の再配達受付専用コールセンターを開設し、地域限定で24時間再配達の試験運用も開始する。再配達の依頼というのは、例えば、仕事からの帰宅後など、夜間に行われることなどが多いのではないだろうか。従来、夜間の再配達依頼となると、自動受付やネットでの受付など、リアルタイムでの対応は難しかったが、24時間対応によりそれが可能になる。これにより、「再配達」が顧客に与えるストレスを軽減することができるだろう。

再配達問題が起きる原因

 国土交通省が実施した「宅配の再配達に関するアンケート調査」によると、再配達となる理由に関して、「配達が来るのを知らなかった」が約42%と最も多かった。次いで「配達が来るのを知っていたが、用事ができて留守にしていた」が約26%、「もともと不在になる予定だったため、再配達してもらう予定だった」が約14%であった。

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 ヨドバシ・ドット・コムをはじめ、ECサイトで商品を注文した時の再配達の理由は、おそらく、「配達が来るのを知っていたが、用事ができて留守にしていた」がほとんどだろう。近頃のECサイトでは、配達時間を指定することができるところがほとんどだ。それでも、予定が変わったり、急に用事が入りったりして、指定した時間に自宅にいることができず、再配達となってしまうことは少なくないだろう。

 そういった状況になっても、「ヨドバシエクストリーム」であれば、顧客はすぐに商品を受け取り直すことができる。ECの配送に関しては、多様化する顧客ニーズを汲んで、様々なサービスが登場しているが、その中でも、今回のサービスは画期的なのではないだろうか。競争の激しいEC市場、家電業界であるが、こういった顧客のニーズに応え、かつ独自のサービスというのは、顧客の好感を得ることにつながり、独自の立ち位置を築いていくだろう。

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