大塚家具がARを展開、コーディネートが手軽に!

ECのミカタ編集部

 株式会社大塚家具(以下、大塚家具)は、インテリア業界向けITサービスを提供する株式会社リビングスタイルのインテリア3Dシミュレーターを採用し、全国に展開するショールームで3Dコーディネートサービスを展開することを発表した。

 昨今のEC業界では、ARやVRを積極的に導入する動きが見られる。今回は、大塚家具が展開したサービスについて取り上げながら、EC業界におけるARとVR導入の動向を考える。

最適な提案をシミュレーターで!

 大塚家具では、これまでにも全国に展開するショールームでパソコンのシミュレーションソフトを利用したコーディネート提案を行っていたという。そして今回、多様化する顧客のニーズに対応し、接客シーンや場所を選ばずに顧客に最適な提案を行うために、「Webインテリア3Dシミュレーター」、「iPad版インテリア3Dシミュレーター」、今話題のAR(拡張現実)技術を利用したスマートフォン向けアプリケーションの計3つを採用したということだ。

 今回の採用により、大塚家具の各ショールームでより精緻なコーディネート提案が、また外商部門においてはARアプリによるタイムリーな提案が可能になったという。また、iPad版シミュレーターとスマートフォン向けARアプリに関しては、アプリケーション配信サイトにて公開されるということで、一般のユーザーでも、アプリをダウンロードすることで、大塚家具オリジナル商品の3Dデータを利用したコーディネートを手軽に楽しむことができるのである。

▲「IDC OTSUKA AR」利用イメージ

 今回のサービスでコーディネートできる商品は、サービス開始時点では過去最大の約500点にのぼり、今後も商品点数は順次追加され、2018年までに2,000点を超える日本最大級の規模となる予定だそうだ。

 ちなみに、記者自身が「IDC OTSUKA AR」を利用してみた感想だが、簡単なタップ操作だけで、あの大塚家具のインテリアを身近な空間に配置できるという体験そのものが、とても刺激的だと感じた。また、あまり家具に興味が無くても、部屋に合う家具が気になり、時間を忘れてコーディネートを楽しむことができた。もちろん、ARアプリを使うことで、自分の部屋に適した大きさ、色、質感の家具を把握することができるので、第一印象や好みで家具を選んだ際と比較して、部屋とのミスマッチを防ぐことができるといったメリットもあるだろう。ぜひ、無料で提供されているこのアプリをダウンロードして、自分の部屋のコーディネートをしてみてほしい。

EC業界におけるVR・AR

 EC業界では、VR・ARなどの技術を積極的に取り入れる動きがある。そして、過去に行われた「体験したいVRコンテンツ」の調査において、1位に「観光」、5位に「ショッピング」がランクインしているということで、ECによる技術の活用が期待されていると捉えることもできる。ECのミカタでは、これまでにVRに関する調査結果を記事にしているので、ぜひ、一般消費者がVRにどのような興味を抱いているか参考にしてほしい。

【VR体験のきっかけ調査記事】
【体験したいVRコンテンツ調査記事】

 また、今回の大塚家具の3Dシミュレーターを実際に利用してみて分かったことでもあるが、バーチャルな体験を提供することは、商品の実物が手に取れないことによるミスマッチなどを防ぐこと以上に、ショッピングそのものを楽しくすることに大きく貢献していると感じた。

 ECにVRやARを取り入れる動きが活発化しているが、ただ技術を取り入れるのではなく、どのような展開を行えば、ARやVRの特徴を最大限に引き出し、かつユーザーにとって便利で楽しくショッピングができるかという視点を持つことが大切なのかもしれない。


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事