Yahoo!初のVRコンテンツ、EC市場に広まるVR活用術

ECのミカタ編集部

今、活用が広がっているVR。VR(Vitual Reality)とは、「仮想現実」などとも呼ばれ、コンピュータによって作り出された環境を現実のように知覚させる技術のこと。EC市場においては、実体験ができないという弱みを克服する可能性が注目されている。そんな中、Yahoo!JAPAN初となるVRコンテンツが開設された。

360度動画で体験、ビアガーデンもホテルも予約安心

 Yahoo!JAPANが運営する「Yahoo!予約 飲食店」「Yahoo!トラベル」は、Yahoo!JAPAN初のVRコンテンツとして、360度動画でお客様にVRを体験してもらいながら、飲食店や宿泊施設の予約ができるVRチャンネル「ビアガーデンやホテルを360度で体験しよう」を開設した。VRを体験するには専用の機器(ヘッドマウントディスプレイGear VRと専用アプリを入れたGalaxyスマホ端末)が必要となるが、そのままでも360度動画として楽しむことができる。

 第1弾として、夜景を楽しみながら銀座の真ん中でお酒を楽しめるビアガーデン「銀座スカイビアテラス(東京都/銀座)」のVRコンテンツ配信を開始。



今後、日本最南端のオーシャンリゾート「はいむるぶし(沖縄県/小浜島)」や水族館やシンクロ等を楽しめるエンターテイメントホテル「品川プリンスホテル(東京都/品川区)」など、順次VRコンテンツを配信する予定だ。

 また、本コンテンツを利用して、サムスン電子ジャパン株式会社が提供する「Gear VR」(※1)向け高品質360度 動画ポータル「VR CRUISE」(※2)に、『Yahoo!予約 飲食店ビアガーデンチャンネル』と『Yahoo!トラベルチャンネル』を開設、後日『Yahoo!トラベルチャンネル』も開設される。ヤフーは今、あらゆるジャンルにおいてEC化率の向上を目指す動きを見せており、今回の動きにも、VRを活用して、ユーザーの幅を広げたいという意向が垣間見える。

※1:Galaxyのスマートフォンと組み合わせることで、VRを楽しめるゴーグル型ヘッドマウントディスプレイ。
※2:株式会社eje が提供する「Gear VR向け」高品質360度動画ポータルアプリ。アーティストのライブ、新聞社によるパノラマ写真など、映像・写真を中心とした日本国内の良質なVRコンテンツを紹介している。

ECへのVR導入は成功するのか、VRが活用される理由

 飲食店や宿泊施設などの予約時には、従来から選定基準として写真で外観・内観をチェックする傾向が強いという。それがVRであたかも店内や施設内にいるかのようにチェックできることで、気になるポイントを漏れなく確認でき、ユーザーがより安心して、予約の後押しになることが考えられる。また、そういった疑似体験を通じて、雰囲気を楽しむコンテンツを提供することにもなる。VRの利点は、限りなくリアルに近づいた体験を提供できることだ。

 そしてそれは、EC店舗の弱点である、実体験ができないという点を補うことになる。VRによって、商品を実際に手に取っているかのようにチェックするという活用法や、商品の製造工程などをVRで公開することで、ユーザーはより安心して楽しんで商品を選ぶことができるだろう。あるいは、実店舗も持つEC店舗であれば、店舗紹介にも活用することができるだろう。

 実際に、今年の5月には、世界最大規模のオンライン・マーケットプレイス「eBay(イーベイ)」において、世界初のVR百貨店が立ち上がるなど、EC市場へのVR導入も進みつつある。一方で、ユーザーのVR体験が進むのはこれからといったデータもある。360度動画などは、その前段階となるかもしれない。VRを導入する場合は、まずその便利さや楽しさをユーザーに認知してもらう必要があるが、その点が認知されれば、今後の伸び代は十分にあるのではないだろうか。


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