クルーズ「SHOPLIST」へ集中、ゲーム事業譲渡へ
昨日、クルーズ株式会社は10月13日開催の取締役会において決定された今後の方針と、それに基づいた3つの決断についてクルーズ株式会社 代表取締役社長 小渕宏二氏が登壇し、戦略説明会を行った。
会場で語られた今後の方針と3つの決断
冒頭、今回の大幅な戦略転換について、小渕氏は「SHOPLISTを成長させたいし、継続的な成長ができると考えてのことだ。」と思いを語った。そして、方針として「永続的な企業の存続に必要不可欠な事業ポートフォリオの変革、SHOPLISTをファストファッションEC分野を代表するブランドへ」が発表され、それに伴う3つの決断として以下を挙げた。
まず、「高成長のSHOPLISTへ事業構造転換、経営資源集中のため、不確実性の高いゲーム事業を譲渡」するという。SHOPLISTは、展開開始より4年で150億円規模まで成長しており、クルーズの得意分野として注力していく価値が十分にあるものだと判断したとのことだ。一方のゲーム事業については、ゲームの新規開発は初期投資が膨大であるのに対し、ヒット作を出すのは難しく、不確実性が高い事業と判断し、今回の譲渡に至ったと説明があった。
次に「SHOPLISTに経営資源を集中、M&Aを積極化、ファッションキュレーションメディアを取得」するという。今回取得するファッションキュレーションメディアは、月間ユニーク訪問者数1,500万人以上を誇る「MARBLE」などを運営する株式会社Candle。全株式を12億5000万円で取得し、同社を子会社化するという。今後のM&Aについては、SHOPLISTの集客力強化、販売力強化、ブランド力強化に貢献するものであれば検討していくとしている。
最後に「SHOPLISTへの集中に伴いゲーム事業は投資と位置づけ、社長直轄の子会社を設立し、ハイリスクな開発方針をローリスクに変え継続チャレンジ」とし、今後は社長直下の少数精鋭組織にてゲームの開発を続けていくという。これは、インターネットビジネスにおいてゲーム事業は高収益でありながら、不確実性が高いという特徴を踏まえ、リスクを抑えつつチャレンジを続けていくという狙いがある。
ファストファッションを中心に取り扱うSHOPLISTの成長可能性については、2013年に1.4兆円規模であったファッションEC市場が2020年には2.6兆円規模への成長が見込まれていることや、可処分所得が下がっていること、ファッションの楽しみ方が低価格のものを多く楽しむというトレンドになっていることなどを考えれば、十分見込みがあるとし、成長スピードを高めていくと語った。
今回の戦略発表を受け、SHOPLISTとしても新たな動きがあるだろう。どのように動き、ユーザーがどのような反応を示すのか、SHOPLISTの今後に注目だ。