日本郵便が通販支援事業に本格参戦。ワンストップでサービスを提供

日本郵便(本社:東京都 代表取締役社長:高橋亨)は5月13日、通販支援事業に参入すると正式に発表した。日本郵便は、ECサイトの構築から、受注・決済・出荷までを一括して引き受ける新サービスを今期中にも開始する見込みのようだ。

通販支援に関するクラウドシステムを続々構築中

日本郵便の新たなソリューションは、「ECサイト構築システム」「クラウド型BtoC受注システム」「クラウド型BtoB受注システム」「クラウド型出荷システム」と、すでに現在稼働中である「日本郵便WMS(在庫管理)」を組み合わせて、ワンストップでサービスを提供する。

クラウド型BtoB受注システムに関しては、既存のECサイトや楽天、Yahoo!ショッピング、Amazonなどのモールとも連携可能とのことだ。

現在、通販支援に関するクラウドシステムの構築を進めており、今期中のできるだけ早い段階にサービスを開始する予定。子会社のJPメディアダイレクトによるセグメントDMの展開や郵便局ネットワークを活用するなど、グループの強みを生かして営業を展開する。

組織面も拡大

組織面では4月1日付で通販支援事業を手がける「ソリューション企画部」を新設。人員は50名強の規模で、通販支援事業とともに備品などの物流業務を担当する。

また、決済代行の充実化を図るため同日付で、100%子会社の「日本郵便ファイナンス株式会社」を設立した。資本金は4億円。現状の代引きに加え、クレジットカード、コンビニ支払い、銀行振込、郵便振替の各決済サービスを提供する。

自社倉庫も2016年度までに現在の約7倍の約13万平方メートルにすることも計画している。

配送サービスのみでは留まらない日本郵便の今後の展開

日本郵便は145年以上に渡る郵便事業にて培った物流ノウハウと、全国を網羅する約2万局の拠点による郵便ネットワークリソースを活用し、配送サービスのみならず、「ターゲットアプローチ支援」や「受注・決済支援」「ロジスティクス支援」「通販マーケティング支援」「コールセンター運営」と大幅にサービスを広げてきた。

今後、通販ビジネスをトータルでサポートするための新しいシステムを構築し、日本郵便の「ワンストップ通販ソリューション」が本格的に始動する。大きく進化する点は、ECサイトの構築から受注・決済、出荷までの一連の工程をサポートできる点だろう。

通販支援サービスは現在、「ゆうパック」による配送やコールセンター業務、DMなどによる販促支援が中心となっている。通販支援事業の強化によって、ゆうパックや「ゆうメール」の取扱数拡大に繋げる意図のようだ。

独自の顧客層に活路あり?

パソコンに詳しくないが、地元の特産品をネットで販売したいという業者がいれば、サイトの立ち上げから支援する。地域の特産品などを扱う中小のネット通販会社からの手数料収入を見込む日本郵便。

他社とは一致しない独自の顧客層を有する日本郵便の新サービスによって、新たなビジネスチャンスに繋がる可能性は十分に考えられるのではないだろうか。