日本郵便、ecbeingが語るお客様のニーズ【現場レポその3:ECのミカタセミナーフェア】

ECのミカタ編集部

2016年10月18日(火)開催、ECのミカタセミナーフェア「パルコが教える!購買心理を踏まえた売上アップ方法」の現場レポート。その1のGlossom、ラクス、その2のパルコシティに続き、最終回となるその3では、日本郵便、ecbeingの講演内容をご紹介します。

「現場レポートその1」はこちら
https://www.ecnomikata.com/ecnews/11648/
「現場レポートその2」はこちら
https://www.ecnomikata.com/ecnews/11778/

多様化する受け取りかたのニーズに応える~EC事業者向けWEBサイトも開設!!日本郵便の拠点受取サービス~

多様化する受け取りかたのニーズに応える~EC事業者向けWEBサイトも開設!!日本郵便の拠点受取サービス~

講師:日本郵便株式会社 世羅 元啓

 通販における「ラストワンマイル」を担うのが物流会社であり、日本郵便はその立場から提案できることがあるという。今、EC市場における「物流」については、どのようなニーズがあるのだろうか。通販市場の中でも伸びているのがEC市場であり、逆にそれ以外の市場は横ばいだ。EC市場成長の背景、そして今後もEC市場が成長を続けるためには、3つのキーワードがあるという。

 1つ目は「スマートフォンの拡大」。これはEC市場成長の背景となっている。EC市場においてスマートフォン経由の注文は急速に伸びている。PCよりも気軽に情報検索、購入ができるスマートフォンは、消費者の「欲しい」気持ちを即実現するツールとして、大きな役割を果たしている。

 2つ目は「宅配における再配達削減」だ。これは社会的課題として、今後EC市場が成長を続けるために解決すべき背景とされている。宅配における再配達率は約20%にも上り、CO2排出量が約42万トン、約1.8億時間(9万人)のロスとなっている。

 そして3つ目が、「配送に関するお客様の不満」だ。消費者心理という点で、これは今後EC市場が成長を続けるために、重要な要因となる。具体的には、日中家にいない、日時指定ができない、不在票が何度も入る、夜遅く配達されることへの不安など、受取に関する不満が多くなっている。これらに対応するために、既にあるサービスの認知度を上げると共に、新たなサービスも拡充されている。

 新たなサービスとして日本郵便では、非対面で郵便受け箱に配達される「ゆうパケット」を展開している。今年10月までは事業者との個別契約が必要だったが、個人が郵便局からも発送できるようになった。このサービスを利用すれば、受取人が自宅で配達を待つ必要がなく、よりリーズナブルに、土日祝問わず365日の配達が可能になる。

 また日本郵便では「拠点受取サービス」にも力を入れている。これは、自宅以外でもコンビニや郵便局で荷物の受取ができるというサービスだ。2010年7月にローソンで開始され、その後2013年3月にミニストップ、2015年4月に「はこぽす」、2015年11月にファミリーマート、2016年4月に郵便局が加わり、2016年9月末時点で累計45,700拠点で受け取ることができる。取扱実績はここ数年で大幅に伸びているそうだ。ECサイトでは現在、モールでは楽天とQoo10、自社サイト9社、サイトベンダーはecbeingでの連携がされており、これらを利用するEC事業者は簡易に拠点受取サービスの導入が可能だ。

 現代では、ライフスタイルの多様化に伴い、様々な受取ニーズが発生している。都市部で働くビジネスマンにとっては、日中は仕事で不在なので夜遅くに荷物を受け取りたい、あるいは仕事の合間にオフィスの近くで受け取りたいといったニーズがある。家族と一緒に暮している人では、家族へのプレゼントを家族には知られずに受け取りたいといったニーズもある。女性の一人暮らしであれば、自宅まで配達員が来ることに抵抗があるという人もいる。こういった多様なニーズに、前述の「はこぽす」や「拠点受取サービス」は柔軟に対応することができるのだ。

 特に拠点受取の場合、コンビニは24時間いつでも受け取れるという点が大きな強みであり、一方の郵便局は、オフィス街など日中の隙間時間に受け取りやすいという立地の良さが大きな強みだ。この2つの強みを合わせて累計45,700拠点で受け取れるというのは、消費者にとっては大きく利便性を向上させる点だろう。また、追跡番号と認証番号で本人確認が完了するため、送り状に受取人の住所等を記載しなくても良いという、セキュリティ面での利点もある。さらに店頭受取では受取時の商品代金支払いも可能であるため、クレジットカードを持たない人、クレジットカードを使いたくない人のニーズにも対応することができる。

 日本郵便は圧倒的な拠点数とこれまで培ってきたネットワークで、こうした多様化するお客様のニーズに応える取り組みを行っている。また、11月1日から、日本郵便のWEBサイトに、EC事業者向けの拠点受取サービスのページを新設した。サービスの特長や利用方法に加え、EC事業者からの拠点受取サービスに関する「お問合せフォーム」を設けており、EC事業者は拠点受取サービスに関するお問合せや、申込みが可能になっている。

日本郵便株式会社 コンビニ・郵便局窓口受取サービス(EC事業者様向け)

購入促進は価格ではなくECサイトのサービスにあり

購入促進は価格ではなくECサイトのサービスにあり

講師:株式会社ecbeing 斉藤 淳

 ecbeingは、中堅大手企業を中心に実績950サイト、国内シェア8年連続ナンバー1を誇る、ECサイト構築パッケージを提供している。この業界ナンバー1と言える実績が、ecbeingの大きな強みだ。ecbeingでは、ECサイトを構築して終わりではなく、集客、接客、追客、さらに常客といった、お客様へのマーケティング機能を充実させている。

 そんなecbeingが提唱する、価格に頼らないサービス向上とはどのようなものだろうか。そもそもECで商品を購入する理由というのは、価格以外では、営業時間を気にしなくて良かったり、品揃えであったりという利便性にある。それを向上させることで、価格に頼らないサービス向上が可能になる。そのために必要なのが、最適なタイミングに、最適なサービスの案内を行うことだ。
 
 まず、ecbeingには基本の機能として、アクセス数向上、注文数・客単価向上、リピート率向上のための様々な機能が備わっている。これによりお客様の属性や行動を分析し、それぞれのお客様に適した商品やクーポン、キャンペーン、商品開発なども実現できる。基本の機能として「RMF分析」などまで備わっているので、これだけでもかなり個々のお客様に沿った案内ができるだろう。

 どのようなお客様がどのようなニーズを持っているのか、これを知ることがサービス向上の第一歩だ。そしてECサイトではそのために活用できるデータが多くある。だがこれまで、ECサイトでは実店舗で店頭スタッフが行うような個々のお客様に沿った接客ということを、行う意識に欠けていた。これからはそういったことが必要とされるだろう。
 
 お客様へのサービスを向上させるために、オプションのツールとして、リピーター獲得に特化した「CRM+」などもある。CRMとは、顧客のデータを活用することで顧客一人一人に合った提案を行い、顧客満足度の向上、売上の向上などにつなげることだ。CRMでまず重要なのは、どういった人をターゲットとするのかをしっかりと絞ることだ。CRM+ではそれをECサイトで得ることのできるあらゆるデータから絞り込み、リピートを促すための個々のお客様に適した施策を行うことができる。

 例えば、メルマガ一つとっても、どれだけの配信があって、どれだけの人が開封して、開封していない人はどれぐらいいて、どのURLがクリックされたのか、様々な情報を得ることができ、その情報一つ一つに対して様々な施策を打つことができる。

 さらに、集客、接客、追客、常客というステップに沿って、お客様に最適な「おもてなし」を提供する新しいツールとして「motenaS」がある。ECサイトにおけるお客様へのおもてなしとして「Web接客」という言葉も注目されている。motenaSでは、ECサイトのデザイン改善と合わせて、接客を低コストかつスピーディーに行うことができる。他にも、ECサイトにおいて70~80%も起こっていると言われ大きな問題である「カゴ落ち」を、カゴ落ちのデータを元に再訪と再購入を促す施策を行うことなどもできる。

 また、最近のスマートフォン経由のEC利用率の高さなどお客様のニーズに応じ、LINEでのコミュニケーションや、Amazonログイン&ペイメントの導入なども行っている。LINEはメールよりもリアルタイムでレスポンスの良いツールと言われ、EC業界にも徐々に取り入れられつつある。Amazonログイン&ペイメントは、特に新規顧客獲得に有効と言われ、実際に導入企業で続々と成果が上がっている。

 このようにecbeingでは、サイト構築に連なる、EC店舗が成長するために必要な様々な局面を支援すべく、お客様のニーズに応じた支援を展開してきている。それらお客様のニーズに応えることが、結局のところ、価格に頼らずEC店舗の価値を創り出すことになるのだ。


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