世界200以上の国と地域に展開グローバルeコマース

福島 れい

ピツニーボウズ イノベーションサミット2016開催

 先月末、目黒雅叙園にてピツニーボウズ ジャパン株式会社(以下、ピツニーボウズ)のイノベーションサミット2016が行われた。ピツニーボウズは約90年前、郵便発送業務を効率化するオフィス機器を考案した会社として設立。今では世界130か国に渡って様々なソリューションを展開する企業となっている。郵便関連サービスやクラウドサービスなど多数あるが、その中から、「ピツニーボウズ流」越境コマースと題し、副社長 グランント ミラー氏が登壇したEC関連ソリューション「グローバルeコマース」に絞ってお伝えする。

 グローバルeコマースとは、世界200以上の国と地域、70種類以上の通貨で売り手と買い手をボーダレスに繋ぐ越境EC支援サービスだ。今では、世界の70%がECを利用していると言われる一方、その障壁の高さゆえに世界的な販売に踏み出せていない企業が多いのも事実だ。

 例えば、世界各国で売上を伸ばしていくには、価格設定やキャンペーンの内容、決済手段、配送方法などを各国のインフラ事情や商習慣、生活習慣に合わせたものに設定する必要がある。企業単位で展開先各国で適切な施策を講じるのは非常に難しいことなのだ。また、詐欺や為替変動、配送のバックボーンを踏まえた対応なども異なり、リスク管理も骨の折れるものとなっている。

 こうした障壁を気にせず、世界200の国と地域のユーザーに向け販売できるプラットフォームがグローバルeコマースだ。グローバルマーケットでの価格マッチング、言語のローカライズ、コンプライアンスリスクも担ってくれ、国境を気にせずeコマース事業を展開できる。日本企業向けに本格的にサービスを展開するのは、2017年を目標にしているということだが、直近12カ月で57,000件、206の日本の販売企業が成果を挙げているという。

 グローバルeコマースの魅力は、展開する国と地域が非常に多いということだろう。これはピツニーボウズの長年の実績と世界各国での事業基盤があってこそ実現するサービスであり、越境ECに取り組む日本のEC企業にとっても助けとなるサービスだ。敷居の高い越境ECを、商習慣にとらわれる事なく、新たな国への進出を検討しやすく、身近なものに変えてくれる、可能性のある取り組みと言っていいだろう。具体的なサービス概要やサービス開始時期などは、情報が入り次第お届けする。


記者プロフィール

福島 れい

ECのミカタ編集部に所属するバドミントンと和服、旅好きの記者、通称れーちゃん。ミニ特集「アパレルECの未来(https://goo.gl/uFvr2C)」等、これからEC業界がどんな風に発展していくのか。に注目しながら執筆しています。2017年の執筆テーマは、”私にしか書けない記事をタイムリーに”。

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