LINEが青少年のトラブルに対し、安全を守る教材を公開

ECのミカタ編集部

 LINE株式会社(以下、LINE)は、インターネット上のコミュニケーショントラブル根絶に向けた情報モラル教育教材『「楽しいコミュニケーション」を考えよう!「リスクの見積もり」編』を公開した。

中学生でも68%以上がLINE利用!学校での指導が急務か

中学生でも68%以上がLINE利用!学校での指導が急務か

 今、青少年のインターネット利用の増加に伴い、ネットいじめに繋がるようなコミュニケーションに関するトラブルや、個人情報の特定に繋がるような写真の公開、炎上、インターネットへの依存などが問題視されている。

 これらの問題に対し、LINEでは、単にトラブル事例の知識を伝えるだけではなく、子供に「当事者としての自覚」を促すことを目的とした情報モラル教育教材『「楽しいコミュニケーション」を考えよう!』を2014年に公開した。その翌年には、基本編、悪口編、写真編、使い過ぎ編の4つのカード教材を公開し、全国の学校が活用できるようになった。また、学校や教育機関でのワークショップ授業・講演活動等もこれまでに累計3,000件以上実施している。

 その他に、大学の研究機関や東京都および神奈川県の教育委員会と協力して「青少年におけるネット利用実態把握を目的とした全国調査」を2016年1月から行っている。その中間結果では、LINEを利用している中学生は68%以上、高校生は97%以上にのぼることが判明した。

教員と子供が共にトラブルを考え、解決策を練る

 こういった、青少年にとってLINEが最も身近なインターネットサービスの1つとなっている状況を踏まえ、今回、新たに『「楽しいコミュニケーション」を考えよう!「リスクの見積もり」編』が公開されることとなった。この新教材は、「当事者としての自覚」の次のステップとして、自ら危険(リスク)を予想し、それらを回避する力を育てる「リスクの見積もり」をテーマに開発された。

 新教材のカードでは、LINEのグループトークの内容を見ながらリスクを判断していく形式となっており、より現実に近いシチュエーションでどう判断し、どう感じるのかを体験することができる。安全工学の分野で研究されるKYT(危険予知/危機予測トレーニング)の手法を取り入れ、子供がインターネット上のコミュニケーションに起因する危険を予測し、それがどの程度危険なのかというリスクの見積もり力を高めるワークを行うことで、それらを回避する力を育てる内容となっている。

 これらの教材は、インターネット上でダウンロードすることができ、教職員向けの指導者用のガイドブックも付属しているので、すぐに授業に利用することができる。また、LINEが社員を派遣し、授業を実施するなどの活動も行なっている。

 LINEなどインターネットを利用したコミュニケーションツールは、利便性が高い反面、正しく利用しなければ大きなトラブルを起こしてしまう恐れがある。特に子供は、ツール自体を使いこなすことはできても、そういったトラブルを事前に防ぐという点では、知識や経験が足りていない部分が多い。

 その足りない部分を大人がきちんとサポートすることで、トラブルは減らすことができるだろう。その際、言葉だけで伝えるよりも、今回のLINEのような教材があった方が、理解を深めることに繋がる。子供の頃にインターネットとの適切な付き合い方を子身につけておくことで、その利便性や可能性はより大きくなるはずだ。

 インターネットのリスクと利便性という点でいえば、EC業界も無関係ではない。利用者が増えるにつれて、知識の不十分な利用者も増えてくる。それを想定して、正しい情報を適切に提供できるかどうか、拡大を続ける市場の中で、EC事業者も考えていかなければならない点だろう。


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