その手口とは?あの店の店長、詐欺サイトで注文してみた

石郷“145”マナブ(編集長)

もはや他人事ではない、詐欺サイト。

 先日、ECサイト「ゲキハナ」の古屋悟司さんと話していたら、「詐欺サイト」の話題となった。でも「ゲキハナさんのところは、大丈夫ですよね」と聞くと、「いやいや、うちが被害にあってしまって」と言うので驚いた。

 なかなか起こらないことだと思っていただけに、よく知る店舗で起こっていたことで、一気に身近な問題に思えて来た。「ゲキハナ」は、付加価値のあるお花を売るサイトで、ランディングページにも趣向を凝らし、価格ではないところで、花を売り、お客様からの支持にも厚く、ファンも多い。

 詐欺サイトは、例えば、そのゲキハナと同じ物を販売し、あたかもそのサイトで買えるように見せているが、実はお金を振り込ませて、商品は届けない、ということを、やっている。一見、ネットショップに見えて、実のところ、まったくショップではない、というものだ。

店長自ら詐欺サイトで購入する実力行使

 聞けば、ここ最近だけで、知る限り、ゲキハナの普段のお客様のうち、6件も被害にあった。それも、お客様の報告により分かったという。そこで、古屋さんは、実際に自ら詐欺サイトで購入するという実力行使に出た。

 実際、氏がやってみて、気がついたのは、詐欺サイトがGoogleの「完全一致検索」を巧みに利用しているという点だ。例えば、詐欺サイト上でその商品は、古屋さんのサイトで登録している商品名そのままで、登録されている。ゆえに検索した際に、その商品が上位に来てしまうのだ。

 とすると、当然は、お客様は、何の疑いもなく、そのサイトへ遷移し、購入という行動を取ってしまう。

 しかも、ゲキハナのように、幾つかのモールに出店しているショップであれば、そのうちの一つのショップで、欲しい商品が欠品していたとしても、つい他でなら買えると思い、自然と同じ商品名で検索する傾向が強い。

人の心理を巧みに、利用する詐欺サイト

 そんな消費者の心理も詐欺サイトに有利に働いている。古屋さんによれば、詐欺サイト上では正規ショップよりも、僅かながら安くしていて、「安すぎない価格設定も、信憑性があり、巧みなんです」と話している。これもお客様からの報告で分かったそうだ。

 さて、購入をするとどうなるのだろうか。古屋さんは、購入の手続きもしてみた。すると、正規ショップ同様に、サンクスメールが届くが、そこには支払いに関しては記載されていなく、一定の時間をおいて、改めて、振込先のメールが来るという。

 「すぐに振込先のメールが来ない、この一手間をかけるあたりが、詐欺サイト側が用意周到なんですよね」と古屋さん。ただ、どんな購入方法を選んでいたとしても、銀行振り込みを要求してきて、あれ?と古屋さんも不審には思ったらしい。

 それでも、ゲキハナのお客様が購入してしまったのは、人の心理として、例えクレジットカード決済を選んでいたとしても、自分が手違いか何かで、銀行振り込みを選んだものだと思い込んで、振り込んでしまうのだという。特に、PCの扱いに慣れていない高齢者の場合、ここに疑いを持つ例は少なく、振り込んでしまうそうなのだ。

自分達の問題として真剣に向き合うことから始まる

 改めて見れば、銀行振り込みの名義は、古屋さんの時で言えば、中国人の個人名だったという。きちんとした銀行口座であれば、足がつく。この点に関して、古屋さんは「留学生の中国人から口座を買うなどしているのでしょうか」と頭を抱える。

 ただ、お客様の中には、その過程の中で、すぐに気づいて、銀行に連絡を入れ凍結してその金額を取り戻したという話もあったようだが、その銀行口座で入金されればすぐに引き落とされ、気づいた時には、凍結しても金額がないということも少なくない。

 聞いていて思うのは、取り立てて、ものすごいテクノロジーを駆使しているわけでもない。ただ、一連の行動には、人間の痛いところを突いているところがある。なかなかショップにとっては、運営していることで精一杯な中で、こういった問題にどう向き合っていくかは、ECの信用にかけても大事なことなのだと思う。

 このようなことは、モールでの売り場そのものや、商品ページををそのまま、真似ていたり、コピーすることが多く、言い換えれば、それがしやすい環境でもあるということではないか。例えばの話ではあるが、モール自体がセキュリティを強化して、真似しづらい環境を作るなど、出店を促す側がそれに対してのより一層の強い意識を持つことも重要なことなのではないかと思う。

記者プロフィール

石郷“145”マナブ(編集長)

メディア編集部 ゼネラルマネージャー。キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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