インターネット通販に不安を感じる59.0%……医薬品通販サイトの問い合わせ、半数近くが返信なし

ネットプロテクションズは6月23日、「インターネットショッピングに関する意識調査」の結果を発表した。発表によると、インターネットショッピングを利用する際に不安を感じるという人の割合は59.0%で、一昨年より13.1%増加する結果となった。

また、厚生労働省は同日、2013年度の「一般用医薬品販売制度定着状況調査」の結果を発表した。医薬品通販サイトに対し、覆面調査員がメールで医薬品に関する問い合わせをしたところ、返信があったのは54.7%にとどまり、半数近くが返信なしという結果になった。

「インターネットショッピングの利用に不安を感じる」人が59.0%

6月23日、ネットプロテクションズは「インターネットショッピングに関する意識調査」の結果を発表した。同調査は、最近6ヶ月以内にインターネットショッピングを利用した20代以上の2064名を対象として、4月25日〜26日におこなわれた。同社は2010年から隔年で同調査を実施しており、今回の調査で3回目となる。

発表によると、インターネットショッピングを利用する際に「不安を感じる」という人の割合は59.0%で、一昨年より13.1%増加する結果となっている。男女別にセグメントすると、男性よりも女性の方が不安を感じる人が多い傾向にあるようだ。

また、ネットショッピングの利用にあたって、「購入者の口コミを確認する」「クレジットカードでの決済を控える」など、73.1%の人がトラブル回避のために何かしらの対策を取っていることもわかった。

実店舗の医薬品販売、30%超が説明不十分

厚生労働省は同日23日、2013年度の「一般用医薬品販売制度定着状況調査」の結果を発表した。調査は、薬局・薬店が消費者に対してきちんと説明をおこなっているかどうかなどを、調査員が消費者を装って覆面調査したもので、ソフトプレーン・フィールド株式会社に委託して今年1月に実施したものだ。

調査対象は、全国のリアル店舗5090店、インターネット通販サイト300サイト、置き薬業者50社。リアル店舗で第1類医薬品を扱っていた3035店のうち、覆面調査員が第1類医薬品を購入しようとした際に、きちんと「文書を用いた詳細な説明があった」のは67.5%にとどまる結果となった。

「口頭でのみ説明があった」(28.3%)「文書を渡されたが詳細な説明はなかった」(1.8%)、また、「説明自体なかった」という店舗も2.5%存在した。薬事法では、第1類医薬品を販売する際、薬剤師が文書で情報を提供する義務が定められている。

医薬品の通販サイトへの問い合わせは半数以上が返信なし

医薬品を扱う通販サイトに対しては、メールで問い合わせをおこなうなどの調査を実施した。これによると、「相談時及び緊急時の連絡先」として記載されているメールアドレス宛に医薬品に関する問い合わせをしたところ、返信があったのは54.7%で、残りの半数近くは返信すらなかったとのことだ。

この結果は、2010年度調査の74.0%から年々低下している。なお、同調査では主に個人輸入代行をおこなっているサイトは対象外となっている。

返信のあった164サイトにおいて、文面などから返信者が薬剤師と判別できたのは2.4%で、大部分の97.6%が不明だったという。このほか、過去の購入履歴の確認があったのは300サイトのうち8.3%であった。

「ネットショップの在り方」を考える

ネットショップは、最小限の人員、実店舗を構えるよりも安価で、手軽に誰でも開業できるというメリットもある反面、伴うリスクもひとしおだ。事業者も顧客も「顔が見えない売買関係」にあることを踏まえた上で利用しなくてはならない。そして、事業者は顧客が不安を感じずにショッピングができるよう、リスクを最小限に抑える必要がある。

前述の「一般用医薬品販売制度定着状況調査」の結果のような、ある種の「ルール違反」が起因して、人体に悪影響を及ぼす事故が起きてしまう可能性もゼロではない。万が一、このようなことが起これば、ネットショップ運営のルールは今後、非常に厳しいものになっていくだろう。

「自由にものが売れ、自由にものを買える」というインターネットショッピングの利点を今後も長く生かしていくために、今一度自身のネットショップの在り方を考えてみてはいかがだろうか。