日本郵便「はこぽす」がファミリーマートに!設置理由と利用方法

ECのミカタ編集部

日本郵便株式会社は、2017年3月23日より、株式会社ファミリーマートの店舗の屋内、屋外に宅配ロッカー「はこぽす」を設置することを発表した。最初に設置されるのはファミリーマートの「大鳥神社前店 屋内」「二葉三丁目店 屋外」の二カ所で、今後の展開については、随時「はこぽす」ページで告知される。なぜ日本郵便がはこぽすの設置を進めるのか、宅配業界の現状から考えていく。

宅配業界の人手不足を解決する取り組み

 宅配業界は今、深刻な人手不足で、宅配業界大手の一社であるヤマト運輸では、配送料の値上げや荷受の制限などの可能性が伝えられている。特に不在再配達の負担は大きく、宅配各社ではこれを防ぐために、配達の事前通知やロッカーの活用、自宅外での受取など、新たなサービスを様々に提供している。

 日本郵便が最近特に力を入れているのが、自宅外のコンビニや郵便局でも荷物を受け取ることのできる拠点受取サービスと、今回発表された「はこぽす」だ。ファミリーマートでの荷物受取サービス自体はすでに行われていたが(※)、はこぽすはコンビニのレジでのやり取りを経ることなく、受取場所による手順の違いもないので、より利便性が高い。

※2017年3月24日時点で以下12サイトが対象。
コンビニで受取可能:amazon.co.jp / ローチケHMV / docomo Online Shop / ORBIS / 楽天市場 / DMM.com / トイザらス・ベビーザらス
コンビニ・郵便局窓口で受取可能:Qoo10 / 山田養蜂場 / SHIROHATO / SHOPLIST.com / MORECONTACT

宅配ロッカー「はこぽす」の利用方法

 現在(2017年3月24日時点)、はこぽすが利用できるECサイトは、楽天市場・Qoo10・山田養蜂場・SHIROHATO・SHOPLIST.com の6サイトだ。加えて、買取サイトのハグオールにおいては、買取品の差し出し「スマート買取 はこぽすType」も利用できる。

 また、今回新たに設置されるファミリーマート以外に、すでに設置されている場所として、都内11か所、埼玉県2か所、神奈川県8か所、千葉県13か所、愛知県3か所、兵庫県1か所、北海道4か所の駅やスーパーマーケットなどの商業施設がある。また、都内20か所、静岡県3か所の郵便局にも設置されている。

 はこぽすの利用方法としては、注文時に受取を希望するロッカーを指定した後、受取に必要なパスワードがeメールで知らされるので、指定したロッカーでそのパスワードを入力することで荷物を受け取ることができる。設置箇所および利用できるECサイトについては、順次拡大されている。

ヤマト運輸「ロッカー受取り」との違いと今後の展開

 はこぽすと同ジャンルのサービスとして、ヤマト運輸が提供する「ロッカー受取り」がある。これは、クロネコメンバーズを対象としたサービスで、商品出荷時の「お届けeメール」もしくは不在時の「不在ご連絡eメール」から受取場所を「ロッカー」に指定し、ロッカーに荷物が入ると開錠用パスワードがメールで通知される。このパスワードを入力することでロッカーで荷物を受け取ることができるというものだ。

 ヤマト運輸の方が利用できるサイトや設置場所は多いが、日本郵便は郵便局を利用できるという点が特徴的だ。また、最近の積極的な展開から考えると、はこぽすを利用できるサイトや設置場所は今後さらに増えていくだろう。いずれも競い合うサービスというよりは、宅配業界の問題を解決していくための、協働するサービスのように感じる。

 今後、設置箇所が増えるためには、消費者にこれらサービスの存在と利便性を認知してもらう必要があり、そのためにはより多くのECサイトに導入される必要がある。宅配業界の動きが鈍るということは、すなわちEC業界の成長が止まることでもあり、EC事業者にとって深刻な問題だ。それを防ぐためにも、EC事業者も積極的に宅配の効率化に協力していくようにしたい。


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