「TERRADA WINE STORAGE」に感じるEC事業への「嗅覚とセンス」の良さ

ECのミカタ編集部

 寺田倉庫(東京都品川区)が、CLOUD WINE CELLARというサービスを刷新し、「TERRADA WINE STORAGE」 として多様なサービスの提供を開始した。

 ECにおいて、ある程度の成功を収めるには「嗅覚とセンス」が必要だと感じることがしばしばある。今回ご紹介する「TERRADA WINE STORAGE」は、それを思いっきり感じさせてくれる。

 それはどういったサービスなのかを紹介したい。ワインを最適な環境で保管するストレージと、保管中のコレクションをパソコン、スマートフォンで管理するサービスを統合した、次世代スタイルのワインセラーだ。これまではCLOUD WINE CELLARという名のサービスで提供していたのだが、今回内容を刷新し「TERRADA WINE STORAGE」として生まれ変わった。

 預けたワインは寺田倉庫が検品、撮影、ワイン詳細データの手入力を行い、マイページ上にユーザーだけのワインノートが自動的に生成される。自宅、ワイン専門店、オンラインワインショップから入庫ができ、取り出しはオンラインより配送設定を行うことが可能だ。

より広く、より深く利用されるように改善された「TERRADA WINE STORAGE」

 これまでのサービスとどう変わったのかを見ていくことで、そのサービスの良さ、改良点を知ることができる。まずは価格。これまでは750ml・6本箱で500円だった。つまり1本でも6本でも500円必要だった。今回のリニューアルで月額90円(税抜)/本(750ml)でワインを預けることできるようになった。

 配送料金は常温便で800円/クール便で1400円だったが、常温便1,350円/クール便1,800円と値上げされている。これは昨今の配送料金の値上げに伴うものだという事情が考慮されるので致し方ないところだろう。しかし今回、当日配送というサービスが新たに組み込まれている。エリアは限られるが、当日14:00までの依頼で17:00~19:00の配送(上限6本)が可能になった。当日配送は1配送につき20,000円(税抜)となっている。

 さらに、今回新たに追加されたオプションがある。「TENNOZ PREMIUM OPTION」と名付けられたそのサービスは、実際に預けたワインを並べて閲覧したい、またはワインコレクションを更に充実させたいユーザーのために作られた。

 利用条件は「TENNOZ PREMIUM OPTION」に3,000本以上保管される方が対象。月額保管料金はTERRADA WINE STORAGEの基本保管料90円+オプション料金50円/本(750ml)となっている。保管ワインをビューイングルームで閲覧することが可能で、寺田倉庫専属ソムリエによるワイン情報の提供やコレクション充実のための相談に対応してくれる。

ニッチだが「利用せざるを得ない」専門性

 ワインを飲まない方にとっては、なぜこんなにも高額なお金を払ってまで保管するのか理解できないかもしれないが、ワインという飲み物にはコレクターが存在する。そのニッチな層に向けてのサービスなのだ。実はライバルのセラーサービスと比較してもここまで大規模でリーズナブル、そして小回りの効くサービスは存在しない。

 また、ワインは飲むだけの物でもない。という点においても、この倉庫は非常に重要な役割を果たす。どういうことかというと、人気の高いワインは生産量が限られ、消費されて減っていくため、長期的に見れば高いリターンが見込める。希少価値が相対的に上がっていくのだ。つまりワインは資産になるということだ。

 ワインの二次利用はこれから広がっていく。その際、ヴィンテージワインの評価を握るのが「プロヴェナンス」と呼ばれる来歴だ。入手先や、保管場所が問われ、これらの要素が評価額を左右する。TERRADA WINE STORAGEに預けることで、それらが守られるということは言うまでもない。

 ワインはとにかく保管が難しい。少しの振動や温度で、味がまるっきり変わってしまう。美味しいワインを追求した時にTERRADA WINE STORAGEの存在が意味をなす。ECができることは、ただ物を売るだけではなく、幸せな時間を提供することでもある。

 こうした専門家の専門家による専門家のためのサービスは、客層の幅は狭いが、その分だけ衰退しにくい。「利用せざるを得ない」のだ。ここが寺田倉庫の「嗅覚とセンス」の良さだろう。これからECや新たなサービスを展開していく企業の方にはぜひ参考にしてみて欲しい。

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