日本でのアリペイ取引件数が国慶節期間、驚異の増加
アント フィナンシャル サービス グループが提供する決済サービス、アリペイは 2017 年 10 月 9 日に中国国慶節(10 月 1 日〜7 日)期間の海外における取引データを公開した。
アリペイ利用数、国内で16倍に
今年の国慶節の海外全体の取引件数は去年の8倍以上増加し、平均消費額も150%増加と大幅に増加した。
取引件数の国・地域別ランキングでは、香港が最高件数を記録し、続いて2位はタイ、3位は台湾となっており、日本は4位にランクインした。昨年と比べて2ランク上昇し、日本における取引件数も昨年の約16倍と大幅な増加となった。
中国⼈観光客による日本でのアリペ イ平均利⽤額は2,040元で海外全体の平均水準の 1.6 倍となっており 、ローソンにおけるアリペイ利⽤回数は平均 2回で、平均消費額は100元以上、日本⼈のロ ーソンでの平均消費額の1.6倍になっている。
さらに関⻄国際空港では、アリペイを通じた売り上げは昨年の5.7倍を記録している。
日本企業が取るべき行動とは
国慶節期間はアプリ内でクーポンを配るなどのキャンペーンを行い、多くのユーザーが優待を受けた。 日本だけでも 11 万枚 以上のクーポン券が取得され、取引件数 1 位の香港では、20 万枚を越えるクーポン券が利⽤されていた。
アリペイは現在5億人以上のユーザーが利用しているモバイル決済であり、以前記事で紹介した「Origami Pay」のようなサービスと共通するところが多くあるのではないか。
しかし日本ではまだモバイル決済は広く認知しているとは言い難い。 モバイル決済が欧米諸国だけではなくお隣の中国でも主要な決済手段となっていることからわかるように、キャッシュレスの時代が世界全体に広まっていることは言うまでもない。
日本では2020年の東京オリンピックが (問題は山積みだが...) 開催される。国慶節とは比べ物にならない位の海外観光客が訪れるだろう。しかし今の日本ではモバイル決済を含む、キャッシュレス決済の普及は完全ではない。海外観光客をターゲットとしたキャッシュレス決済手段を整える時間は多くは残っていない。
既にモバイル決済を導入している企業も、新規で導入を検討している企業も何かしらの試みを行い、個人事業者を含めた多くの店舗に普及していかなければならないのではないか。