KDDIなどが、リアル店舗で来店客の動向を把握する画期的な実証実験を実施
KDDI株式会社 (以下「KDDI」)、ZOYI Corporation (以下「ZOYI」)、株式会社ARISE analytics (以下「ARISE」)、株式会社ipoca (以下「ipoca」) は、ショッピングセンター「JOINUS (ジョイナス)」において、より効率的な店舗運営の向上、リアル店舗における新たな買いもの体験の提供を目的として、顧客動線と顧客属性を組み合わせ、来店者の来店状況を分析する実証実験を開始する。
顧客動線と顧客属性を組み合わせて分析
KDDI株式会社(本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 田中 孝司)、ZOYI Corporation (本社: 大韓民国ソウル市、代表取締役: チェ・シゥオン)、ARISE(本社: 東京都渋谷区、代表取締役社長: 家中 仁)、ipoca (本社: 東京都渋谷区、代表取締役社長: 一之瀬 卓) は、2018年2月より、株式会社相鉄ビルマネジメント (本社: 神奈川県横浜市、代表取締役社長: 千原 広司、) が運営するショッピングセンター「JOINUS」(神奈川県横浜市) において、より効率的な店舗運営の向上、リアル店舗における新たな買いもの体験の提供を目的として、顧客動線と顧客属性を組み合わせ、来店者の来店状況を分析する実証実験を開始することを公表した。
KDDI、ZOYI、ARISE、ipocaは、今回の実証実験を通して得られる知見をもとに、今後の商用化や他のショッピングセンターなどへの展開を目指していく。KDDIは、センサー、デバイスをはじめ、IoTの通信ネットワークからデータ活用までトータルソリューションを提供し、パートナー企業と共に、「これまでにない新たな価値が創造される社会」を目指していくとしている。
より効率的で高い店舗運営効果に寄与
今回の実証実験では「JOINUS」内の各出入口やロビーなど主要な地点に設置された複数のIoTセンサーにより、来店客が持つスマートフォンからWi-Fiを通して時間ごとの来店者数などを把握できる。また、ipocaが提供するさまざまな店舗のクーポンが利用可能なスマートフォン向けアプリ「NEARLY」を通して「JOINUS」内で利用された来店客の属性情報を把握することがでる。
「JOINUS」は、相模鉄道本線の横浜駅と商業施設が一体化した駅ビルで、1日あたり約23万人が来店している(2018年1月時点。相鉄ビルマネジメント調べ)。今回の実証実験によって得られたデータや分析結果をもとに「JOINUS」では、店舗レイアウトの改善やO2Oによるプロモーションの促進など、より効率的で高い店舗運営効果を得られるサービスの提供や改善を目指し、リアル店舗における新たなお買いもの体験を提供していくとしている。
なお、ipocaが、「NEARLY」ユーザーから、第三者へ提供することに同意のもとで取得した属性情報 (性別・年齢層など) は、分析に必要な属性情報 (性別・年齢層など) のみを取得し、誰の情報であるかわからない形式に加工を行うので、個人を特定することは無いとしている。
各社が実証実験をもとに展開
KDDIは、今回の実証実験でデータを収集し解析できるIoT基盤を提供する方針だ。ZOYIは、今回の実証実験で使用するIoTセンサーを提供し、ARISEは、IoTセンサーから得られたデータをもとに分析を行うとともに、KDDIやipocaとともに、可視化した分析結果を「JOINUS」に対してフィードバックする。ipocaは、スマートフォン向けアプリ「NEARLY」を提供する。
リアル店舗、特に大型の商業施設で来店客の動線や属性を紐づけて詳細なデータを把握するのは、至難の業だった。交通系ICカードやポイントカードでビッグデータとして購買動向を把握し、マーケティングに活用する試みはすでに周知のものとなっているが、特定の商業施設での動向はなかなかそこからは見えて来なかったからだ。
今回の実証実験でそれが可能となり、オムニチャンネルやEC上での施策などさらなる展開が期待できる画期的なものとなりそうだ。続報に注目したい。