三菱商事・KDDI・ローソンが資本業務提携契約を締結 「リアル×デジタル×グリーン」を融合させた新たな生活者価値創出を目指す

ECのミカタ編集部

三菱商事・KDDI・ローソン、資本業務提携契約を締結

三菱商事株式会社(以下:三菱商事)、KDDI株式会社(以下:KDDI)、株式会社ローソン(以下:ローソン)の3社は、2024年2月6日「リアル×デジタル×グリーン」を融合させた新たな生活者価値創出に向けた資本業務提携契約(以下:本提携)を締結した。

あらゆるシーンに寄り添う新たな価値を創出する

本提携を通じ、ローソンが有する約14600店舗に訪れる1日あたり約1000万人の顧客や、KDDIが有する約3100万人の顧客とのデジタルの接点を掛け合わせた「国内有数の生活者接点」に対し、各社が有する機能とサービスをつなぐことで、ローソン店舗において生活者の方々のあらゆるシーンに寄り添う新たな価値を創出、また環境負荷低減を含む社会が直面する様々な課題の解決に向けた持続可能なサービスを提供する。

現在公表されている主な検討事例については以下の通りだ。

◆リアル領域における取り組み
▷au Style/auショップにおけるローソン商品/サービスの取り扱い(プライベートブランド商品、Loppi、ローソン銀行ATMなど)
▷ローソン店舗におけるKDDI商品/サービスの取り扱い(通信関連商材や銀行/保険サービス、ヘルスケアサービス、エンタメサービス、モビリティサービスなど)
▷ローソン店舗でのリモート接客導入によるお客さまの生活に寄り添うサービスの提供

◆デジタル領域における取り組み
▷ローソンで日常の買い物などを便利・おトクに利用できるKDDIおよびローソンの利用者向けサービスを開発・提供し、ローソン店舗への送客を拡大
▷KDDIのDX知見や技術の提供によるローソンの店舗オペレーションの最適化

◆グリーン領域における取り組み
▷ローソンへの太陽光パネルの設置及び発電などによるCO2排出量削減
▷ローソンで生じる廃食油を原料としたバイオディーゼルの製造など、サーキュラーエコノミー事業の推進
▷ローソンにおけるプラスチック容器やペットボトル素材のバイオ系素材への置き換えによるプラスチック使用量削減

今後も加速する事業環境の変化に対応する

本提携の狙いについて、三菱商事は以下のようにコメントしている。

「コンビニエンスストア業界は食品や日用品を安定的に供給できる社会インフラとして欠かせない存在となっており、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機にお客さまの生活スタイルや消費行動、価値観が多様化する中においても、ローソンはニューノーマルへの対応として、店内厨房や冷凍食品、デリバリーの強化等、変化対応に取り組んでまいりました。一方で、今後も加速する事業環境の変化に対応していくべく、通信関連事業を基盤としたお客様接点と、デジタルを強みに様々なサービスを有するKDDIとの連携を更に強化していくことを狙いとして、本提携の合意に至りました」

本取引により、ローソンの企業価値向上に向けて三菱商事とKDDIが有する事業基盤、人的リソース・ノウハウ、ネットワークを最大限活用することで、環境変化に柔軟に対応し、提携強化の加速が可能になると考えられる。

◆本取引前後におけるローソンの株主構成

「リアル×デジタル×グリーン」を融合させた新たな生活者価値を創出

今後人口減少や少子高齢化の加速が予想される中、全国に「リアル店舗」を持つコンビニエンスストアの地域インフラとしての役割はますます高まると考えられている。

一方、労働人口の減少による人手不足や生活者価値の地域格差を補うためには「デジタル技術」の活用が必須となる。更に環境負荷低減など「グリーン」に対する社会的要請の高まり等、これまで以上に生活者の意識変容や外部環境変化の加速が見込まれるだろう。

近年のリテール事業分野においては、各社が単一事業に留まらず、業界横断的な事業やサービスを展開し、各々の経済圏を構築しつつある。このような環境で顧客に選ばれ続ける為には、顧客の嗜好に合った利便性と利得性など、新たな生活者価値を提供することが重要となるはずだ。

三菱商事とKDDIは今後、共同経営パートナーとしてローソンの企業価値向上に3社で取り組み「リアル×デジタル×グリーン」を融合させた新たな生活者価値を創出する「マチの"ほっと"ステーション」の実現を目指すとしている。各社の強みを活かした新たなサービス展開、取り組み内容に注目が集まるだろう。今後の動向に期待したい。


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