アジア諸国に広がるECのビックウェーブ 拡大商線が示唆する眠れるマーケット

急速なECマーケット発展成長の背景 経済発展が後押ししたネット環境の普及

PwC社とASSOCHAMが実施した共同調査によると、インドのeコマース市場は2020年までに200億ドルに到達する見通しである。同国内におけるECの急速な成長と普及の背景で、インフラや倉庫設備などの分野への投資額は2017~2020年までに約9億5000万ドルから19億ドルに及ぶと推測されている。
また、ASEAN地域でも、近年のインターネット環境の普及及び経済発展を背景に、ECマーケットの急速な成長発展が展開している。
タイのECマーケットは、昨年2013年には約40億ドル規模を超え、特にアパレルやアクセサリなどファッション分野の成長が著しいとのデータが出ている。これを背景に、オプトグループのOPT SEA Pte., Ltdは、 タイのファッションEコマースサイトWearYouWant.comを運営するWearYouWant Pte.,Ltdと資本業務提携を行った。

以前に弊誌でもお伝えしたように、東南アジア版のAmazonとでも称されるEC企業ラザダがアジア諸国に進出し、商線囲い込みと拡大でリードを見せている。

・東南アジア版「Amazon.com」、ラザダ 豊富な品揃えでアジア各国に旋風を
http://ecnomikata.com/ecnews/detail.php?id=1750

従来、Amazonや楽天など大手EC企業が積極的な進出を果たしていなかったこれらアジア諸国のECマーケット伸び率には目を見張るものがある。

成長市場をめぐる競争の加熱は必須 今以上のEC戦国時代の舞台はアジアか

実際の数字が示すように、今後ECを語る上でアジア諸国は無視できない規模の発展途上市場としての可能性を内包している。 Amazonや楽天、中国の阿里巴巴集団(アリババ集団)など、国際的なEC企業の参入も現場の過熱化をさらに促進していくだろう。現地企業と大手企業のタッグなどが生まれてくれば、無名の企業が一気に国際企業に成り上がるというシチュエーションも少なくなくなっていくのではないだろうか。
経済発展がビジネスを発展させ、ビジネスの発展がさらに経済を発展させていくという倍々ゲームは、長らく景気が悪いと嘆かれる昨今の我が国においても気持ちの良い希望の展開であるだろう。今後も、アジア関連のECニュースから目を離せない展開は続いていきそうだ。