ライブコマースは「探索コスト」を下げることにチャンスがある~メルカリチャンネルセミナーレポート~

吉見 紳太朗

2月23日、メルカリ本社でセミナーイベント「ライブコマース talks with Mercari CHANNEL〜」が開催された。
モデレーターには、メルカリの石川 佑氏。登壇者には、メルカリチャンネル担当者の小山 大明氏や、セミナー開催日前日にメルカリチャンネルでライブ配信を行ったRIZAPグループの松岡洋平氏、インフルエンサーの尾崎紗代子氏をお招きしての会。その模様をお届けする。

ライブコマースの現状は?

日本でも耳にする機会が増えてきたライブコマース。ライブ動画上で、配信者と視聴者がコミュニケーションを取りながら配信している。

セミナーの始めに、モデレーターの石川氏が、「海外でライブコマース市場が浸透しているのは、人々のコミュニケーションが画像から動画に変わって来ているからだ」と述べており、日本よりもライブコマースが進んでいる中国では、画像よりも情報量が多い動画がコミュニケーションの中心となっており、この流れは日本でも進んでいる。

若者の中で、Instagramのストーリーが人気なのもその影響だろう。



先述したように、ライブコマースが発達している中国のライブ配信市場は、4,400億円。さらに、中国のネット人口(7.3億人)の約半数がライブコマースでの購入経験ありとなっている。

中国でライブコマースを牽引しているのは、「タオバオ」「JD.com」の2社。


一方で、日本のライブコマース市場プレイヤーは主に6プレイヤーいるという。


■メルカリチャンネル

■BASE LIVE

■Live Shop!

■Pin Qul

■ミーアンドスターズ

■salomee LIVE


それでは、ライブコマースを行う事業者・配信側それぞれのメリットとはなんだろうか?
それぞれ3つの点が挙げられた。


事業者からみたライブコマースの魅力
1、コスト効率の良い商売
2、従業員のモチベーション向上
3、購入者の販売前インサイトがわかる

販売者からみたライブコマースの魅力
1、インタラクティブなコミュニケーション
2、テキスト(EC)では伝わらない商品魅力の伝達
3、配信者自身にファンが着く≠モノ・ブランドにファンがつく

ライブコマースと従来のECの違いは?


ライブコマースと従来のECの違いには大きく2つ、「市場の拡大」と「消費者の直近の悩みを解決すること」だと小山氏は述ている。「(従来のECとの違いは)コミュニケーションの違い。人軸の違いがある。この人だから買うが今まではなかったが、ライブコマースにはある。」

また、セミナー前日にメルカリチャンネルでライブ配信を行ったRIZAPグループの松岡氏は「見るアプリと買うアプリは別。ストレスのなさが重要」、インフルエンサーとして活躍をする尾崎氏は、ECとライブコマースの違いについて「動画で伝わるので、文字に商品説明を書く手間がない。そもそも、商品説明をする時に専門用語が分からなくて、配信者もユーザーもニュアンスが伝わりにくいが、動画だと“ここらへんのことを知りたい”のニュアンスで伝わる」と指摘。

ライブコマースのキーワードは「探索コスト・サーチコスト」

ライブコマースの大きな特徴といえば、松岡氏は「探索コスト・サーチコストを下げることにある」と言う。
通常、消費者がECサイトに訪れ、商品を購入するまでには、他のサイトで類似商品を比較したり、商品に関する情報を集めるなど商品を購入する以前に情報を集めるという労力、いわば探索コストがかかる。

しかし、ライブコマースでは双方向なコミュニケーションによってリアルタイムで商品を購入するために必要な情報を知れるというわけだ。この点は、前述で尾崎氏が「専門的な単語がわからない。」と述べていたのと通じる。というのも、消費者が「ここらへんのことを知りたい」と思っていても、その「ここらへん」をどのようにして探索すればいいのかわからない場合があるのだ。その点、ライブコマースなら配信者にその場で「ここらへん」というざっくりとした質問ができることで、自分で情報を探すコストが削減できる。

今までも、ECサイトでは、商品情報を増やすことやサイトのUIを改善することで、「探索コスト・サーチコスト」を下げてきた。しかし、ライブコマースは、それ以上の効果をもたらすことになる。

ライブコマースは熱量が凄い

では、ライブコマースで売れる、売れないの差はなんだろうか?
セッションのなかでは、尾崎氏は「フォロワーとの関係性が重要」と述べ、松本氏はそれを「食べログと似ている」と説明した。ランキングが高いお店が自分にとっていい店ではなく、コメントをしている人との価値観があうかが重要とのことだ。ライブコマースでも配信者と視聴者の価値観の一致という関係性が重要だ。

また、小山氏が「商品×熱量が重要。自分で作った農作物を売る人がいまは突き抜けている」と話すように今後は、配信する商品にかける熱量がどれだけあるのかが鍵となりそうだ。

今後の課題は?

ライブコマースでは、配信者と視聴者のコミュニケーションが大事だと言われているがそのことは、配信者とプラットフォームの関係性でもあてはめられる。

尾崎氏が小山氏に「ライブ配信の機能は、配信者にとって難しい。より簡単にワンクリックで操作できるようにしてほしい」と話すなど、まだまだ配信者にとって配信しやすい環境にないという。

日本にもライブコマースが広まりつつある中、プラットフォーム・配信者・視聴者それぞれにとって良い環境を形成するには思考錯誤が必要だ。お互いにこの市場を盛り上げていくためには、やはりそれぞれのコミュニケーションが必要なのである。

記者プロフィール

吉見 紳太朗

メディア編集部 マーケチーム
17卒 入社後3部署を経験して今の部署に。
サッカーとお酒があれば生きていけると自負してます。
ここ最近、関西出身なのに関西弁でてないと言われたことが悩み中...

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