【サイト構築基本のキ】〜新卒・初心者歓迎〜サイト構築の歴史を学ぶ
4月の特別企画、テーマはサイト構築ということでこれからECに参入する人や新卒向けに、カートごとの比較、用語解説の記事を掲載した。今回の記事ではカートとモールの歴史をまとめている。最新のトレンドまでを簡単にまとめたのでEC初心者にも、経験者の簡単な復習にもバッチリである。
【第一回】→ネットショップを開業するためのサービス比較(https://ecnomikata.com/ecnews/18622/)
【第二回】→ネットショップ構築 重要単語まとめ(https://ecnomikata.com/ecnews/18635/)
EC業界は他の業界に比べるとまだまだ歴史は浅い。しかし急激に業界が成長しているため、歴史の長さに見合わない情報量がある。
今回はサイト構築をテーマにしているが、ECサイト構築に関係する歴史を全て洗うと本が1冊できてしまう気がしたので、泣く泣くテーマを絞り
主要なASPカートとモールのサービス開始時期を中心に、年表にまとめた。
1990年代 先見の明を持った企業が今も強い
この時代は個人でPCを持つ人はほとんどおらず、マニアレベルの人しかネットを利用していなかった。
しかしネットの普及が今より進んでいないこの時代にEC事業を始めたeBay、アマゾン、楽天、ヤフー、アリババは2018年の今、EC業界の最前線にいる。この時期に業界の成長を信じ、的確な舵を取ることで自社と業界を大きくしてきた。
中でも日本で最も早くモールを開設した楽天。実はIT業界への参入自体は後発だったそうだ。その中で楽天の三木谷社長は、既存の企業が行なっていない抜け道を機敏に察知することでECという業界へ進出を果たし、成功を収めている。
今とは社会も業界も大きく変化しているため参考にするといったことは難しいかもしれないが、地道だが確かな分析や、目標に向かって邁進する姿からは多くのことを学べるのではないか。
2000年代 マニアだけではなく一般人もネットを
2000年代に入るとネット普及率が急激に上昇し、マニアだけが使っていたインターネットを一般人も使い始めた。多くの人がネットに対して知識を持つようになり、ネットでニュースやゲームなどのコンテンツが増えていった。
その中の1つにECもあったのだ。
そのことを裏付けるように、この年代にECではASPカートが多くリリースされている。EC事業を行うネットショップ事業者が増えてきたことを表していると言えよう。
2000年代は、EC業界自体はまだまだ小さな市場ではあるが今後の可能性に気づいた事業者が多く現れた時期だ。そしてこの時期にサービスを展開している企業は多くの経験とノウハウを活用し、既存のサービスを改良したVer2を提供しているのも特徴である。
例えば2000年にサービスを開始したe-shopsは2011年にe-shopsカート2のサービスを提供している。さらに2006年にサービスを開始しているFutureShop2も前身となるサービスの改良版である。2009年にリリースされたたまごカート(現 たまごリピート)も多くの改良を経ていくことになる。
このように改良版を出すようになったのにはいくつか理由がある。
1つは法律の改定である。景品表示法 、個人情報保護法、独占禁止法などECにおいてはどのように適用すべきなのかが整備されていった。その変化に適応しようとした結果、サービス内容の変化に至った企業も少なくない。
さらには消費者行動の変化だ。ECの利便性に気づいたユーザーは定期的に購入する商品(化粧品、サプリ、洗剤といった消耗品)を全てECで購入しようとした。しかし、その都度注文するのは手間だということで2000年代後半から2010年代にかけて、1回の購入で定期的に商品が家に届く仕組みなどが確立された。この消費者ニーズを逆手にした「定期縛り」には注意する必要がありますが、、、
ちなみにファッションモールとして業界を牽引しているZOZOTOWNが運営を開始したのもこの時期である。
2010年代 スマホの普及 あらゆる世代への対応が求められる時代に
2010年代になるとECにおいてもより高い利便性を求める消費者ニーズが増えてくる。家にいながら商品を購入する事が目新しくなくなってしまい、より高い付加価値を求めるようになってきたのである。
そして何よりもスマートフォンの普及はECに大きな影響を与えた。大人だけではなく、学生でも商品が購入できるようになり若者をターゲットとしたコンテンツも多くなった。さらにアプリやSNSなど販売促進に使えるツールが爆発的な勢いで広まり多種多様な販売形態が見られるようになっていった。
特にツイッター・InstagramなどのSNSは無料でアカウントが作成できるうえ、広告を打たなくても、口コミが伝播すれば多くの人に情報が拡散される特性があるので大企業はもちろんだが中小企業や個人経営での運用も多く見られる。
上記のような背景もあり、ネットショップ側も個人経営や副業レベルでの運営も増えてきた。
それに応えるようにかんたんECといわれるBASEやStores.jpといったサービス提供が開始した。法人レベルの規模ではないネットショップはこのツールを使うことが多い。特にBASEは2018年現在、ショップ開設数が50万以上と多くの事業者に利用されている。
さらにC to Cで商品売買を行うアプリ、メルカリのリリースもこの時期である。法人との取引ではないために信頼性の点で不安材料があったが、改良を重ね2017年時点で世界1億DLを突破している。
またセブン&アイが始めたオムニ7も大きなニュースになった。家に届けるのではなく、近くにセブンイレブンに届け保管しておくことで再配達問題を減らす。ユーザーと宅配業者両方の負担を軽減するサービスだ。
そして2010年後半になると市場規模も15兆円を突破した。
楽天とアマゾンも飛ぶ鳥を落とす勢いである。
全世界でアマゾンプライム会員は1億人を突破し、ユニークユーザーは3億を超える(※)。そして楽天スーパーポイントは2017年だけで2000億ポイントが流通しているという。また70以上ものサービスを展開し、楽天経済圏という独自に作り上げた強みを持っている。
(※)過去1年間でアマゾンで買い物をしたアカウント数
他の企業も2社に対抗し様々なサービス展開を行なっている。ヤフーは「eコマース革命」と題して、2013年にYahoo!ショッピング出店料を無料化した。出店数はいまや楽天市場よりも多い。やはり小さな企業はYahoo!ショッピングに出店する傾向が強いのだろうか。
またauショッピングとDeNAショッピングが統合し、新モールWowma!が誕生した。もともと協力関係にあった2つのモールだが統合し、今まで分散されてしまっていた顧客や情報を統合しより大きな販促活動を行うことが可能となった。
またeBayもQoo10を買収し、日本での拠点を大幅に拡大した。2020年の東京オリンピックに向けて国内インバウンド需要は拡大している。このビジネスチャンスを活かし、競合にどう対抗していくのだろうか。
2010年代後半 今後のトレンドの把握が会社の命運を握る
最後に紹介するコンテンツは最近のトレンド「ライブコマース」である。サイト構築かと言われると少し違う気もするが、目まぐるしく変化しているEC業界でそこを気にするのは些細なことだ。
ライブコマースとは動画を通じてインフルエンサーなどが商品のレビューを行い、視聴者とリアルタイムで会話ができるコンテンツで、若者を中心に人気を博している。動画を視聴していて気に入った商品があれば、その場でリンクから商品詳細のページに飛ぶこともできるため購入に結びつきやすい。まさに手軽で、直感的な買い物体験ができるECの新しい形と言っていいだろう。
2017年は5つものライブコマースがサービスを開始しており、「ライブコマース元年」とも言われてる。
【2017年にサービスが開始されたライブコマース】
・Live Shop
・C-CHANEL
・メルカリチャンネル
・BASEライブ
・PinQui
(順不同)
そしてライブコマースを語る上で避けては通れない存在がインフルエンサー達だ。
インフルエンサー達の商品知識と最新のトレンドの把握は、集客・販促に大きな影響力を持っており、若年層からの支持も高い。
芸能人とは違い、身近な憧れとして新しい立ち位置を確立している彼ら、彼女達は今後もライブコマース、EC業界に新しい風を呼ぶ存在になっていくだろう。
とはいえ、ライブコマースがしっかりと認知されてからまだ約1年だ。まだまだビジネスチャンスは眠っているのではないだろうか。今のライブコマースに付加価値をつけるとしたら一体どのような施作がいいのだろうか、ユーザーの潜在ニーズは何なのか、他社との差別化を図るにはサービス内容を変えるべきなのか、商品ラインナップを変えるべきなのか。
過去に大手はいかにして大手になったのか再度振り返ってほしい。
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