現役慶大生社長 椎木里佳がECサイト『kloset』をオープン 韓国企業との業務提携の意図とは

写真左:Son Soohyun氏(Glam Commerce CEO)写真右:椎木里佳氏(AMF CEO)

株式会社AMF(代表取締役CEO:椎木里佳、本社:東京都港区、以下「AMF」)は、韓国のglam commerce社(CEO:Son Soohyun、本社:韓国ソウル市、以下「gc」)との業務提携を実施し、日韓およびASEAN諸国向けファッション・コスメECビジネスを推進することを公表した。その第一弾として、日本における韓国ファッション・コスメECサイト「kloset(クローゼット)」をオープンする。

インフルエンサーがセレクト・販売

『kloset』は、10代・20代女性に人気の韓国ソウル市の東大門ファッションおよびコスメをデータベース化し、「セレクター」と呼ばれる各国のインフルエンサーが自由に商品を選んでkloset内にある自分のセレクトショップで販売できる「ドロップシッピング型インフルエンサーEC」だ。

今回の、日本でのサービス開始に際しては、AMF代表取締役の椎木里佳氏、韓国でも人気のモデルの、こんどうようぢ氏、AKB48の元メンバーである市川美織氏、SKE48の元メンバーである平松可奈子氏、ポップティーン専属モデルの鶴嶋乃愛氏など、ファッション分野で活躍しているインフルエンサーが多数参加し、今後も各国のインフルエンサーが随時参加する予定となっている。

klosetは、椎木里佳氏とSon Soohyun氏の二人の構想によって誕生した。女子大生社長として知られ、自身もSNSを活用して情報発信を行っている椎木氏は、「インフルエンサーがスポンサーからの仕事を待つことなく、本当に自分が好きな商品を発信することで積極的に事業に参画できる場を提供したい」と考えていたという。

時を同じくしてSon氏は、商品サイクルが早く、在庫管理が難しい東大門のアパレルをスピーディに海外に流通させる仕組みとして、ワンストップ型のドロップシッピングアプリの開発を進めていた。椎木氏が東大門を訪ねた際にSon氏と劇的な出会いをはたし、ドロップシッピングアプリを日本のインフルエンサーに活用してもらうことで互いの課題を解決できると確信し、今回の業務提携の実施に至ったのだ。

商品サンプルがすぐ手元に届く

商品サンプルがすぐ手元に届くインフルエンサーが商品をセレクトするドロップシッピングアプリ

ソウル市の東大門に並ぶファッションビルには、10,000を越えるアパレル問屋が入店しており、世界中のバイヤーが商品調達に訪れているという。商品の生産は、東大門を取り巻く数多くの小規模な町工場で行われており、小ロット生産で次々に新しいデザインの商品が東大門に供給されることがアドバンテージにつながっている。

klosetに組み込まれているGlam Commerceのドロップシッピングアプリは、そうした東大門の大量のデータから若い女性向けアパレルの商品のみをリスト化。インフルエンサーはその中から好きな商品をクリックするだけで、すぐに商品サンプルが手元に届けられるため、自撮り画像を撮影してInstagramなどのSNSを通じて拡散、集客可能だ。そして気軽にkloset内にある自分のセレクトショップで即時販売できる事となる。

ユーザーがklosetを通じて購入した商品は、韓国のGlam Commerceの集中倉庫から即時に手続き・発送されるため、3~4日程度で日本の顧客へスピーディーに配送・到着する仕組みを実現。その配送料は700円~(税別)を予定しており、コスト面・スピード面においても若者のニーズに応えるとしている。

ASEAN各国にもklosetネットワークを広げる

klosetは、日韓の若者文化を統合しながら、ハイティーンから20代前半のガールズトレンドを牽引していくことを目標としている。アパレルに限らず、注目度の高い韓国コスメや雑貨まで、商品幅を広げるとともに、韓国のスターインフルエンサーをネットワークしながら、日本のガールズアイテムを韓国で販売する『kloset korea』もローンチする予定だ。将来的には、日韓にとどまらず、ASEAN各国にもklosetネットワークを広げ、参入障壁の低い越境ECのエコシステム構築を目指す。

インフルエンサーがECにもたらす影響力は大きなものがある。そしてインフルエンサーはECの中でもファション分野との相性が良いのは周知のことだ。彼らが、自らアイテムを生み出し、世に提供できるというklosetの仕組みは、正に新たなチャネルであり、エコシステムとして作り手と受け手をつなぐプラットフォームになっていくことだろう。

今後の世界戦略とあわせて、作り手と受け手の垣根をさらにどう取り払っていくか、そしてそのエコシステムの行方にも注目したい。

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