AIの画像解析でファッションECを身近に。「GAUSS」が先行予約開始

ECのミカタ編集部

株式会社GAUSS(本社:東京都渋谷区/代表:宇都宮綱紀)が、人工知能(AI)による動画編集システムを開発。ファッションEC販売企業に向けて、先行予約を開始した。

近年、人工知能・AIの発達はめざましい。GAUSSの今回のシステムの開発は、ファッションEC販売企業にとって、喉から手が欲しくなるサービスといえるのではないだろうか。

元になった「ATS」

元になった「ATS」

今回の動画編集システムは、かねてよりGAUSSが開発をおこなっている「ATS(Auto Tagging System)」で活用しているAIの画像解析システムを用いたもの。
 
ATSは類似の商品画像から最適なタグを自動的に抽出し、作業時間を大幅に減らすことを目的とした画像解析システムだ。実際に導入したファッションブランドANAPではかなり作業時間を効率化できた。

容易に動画編集

運用方法はいたって簡単だ。

通常通りに動画を撮影し、システムにアップロードすれば、指定したアイテム名から自動的にAIが動画の中の該当箇所を認識。拡大編集をおこなってくれる。編集時間は約10秒。動画と同時にサムネイル画像をつくることもできる。

この動画編集によって何ができるかというと、写真だけではわからない、実際に着た時の服の質感、動きなどを伝えることができるのである。

ECサイトへの動画導入はコスト面への懸念から事例が少ないという実情があったが、本システムの導入により機材・人材にかけるコストの削減が見込まれる。

EC攻略のカギは理想と現実のギャップを埋めること

近年中国で話題になったライブコマースの事例は、写真では見えない部分、例えば偽物ではないか確認できるという需要にこたえたために、爆発的なヒットを記録した。
 
日本においても、ファッションECの分野においては伸び悩んでいる。写真で見たのと実物とではイメージが違う、というような、いわば理想と現実のギャップがあるのでは、という恐れから購入を思いとどまる消費者が多いからだ。
 
ライブコマースの導入でそうした懸念は払拭されつつあるが、今回のAIによる動画編集システムの導入は、さらにその上を行く。なにせ、動画撮影に特別な機材や人材は必要ない。かなり低コストで動画をECサイトに導入できるのである。

 
今回の動画編集システムは、パッケージ化して2018年8月にはファッションECを手掛ける企業向けに展開される予定。すでにATSを導入した経験のあるANAPは導入が決まっている。

技術の進歩がアパレルEC、ないしはEC業界全体にどのような影響を与えるのかは常々考えていかなければならないだろう。最近ではスタートトゥデイはテクノロジーを十分に生かしたいい例だろう。こういった情報に敏感になることで自社の次の一手が決まるのではないか。

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