インスタに大きな変化か?Instagramを取りまく最新動向調査【リデル調べ】

ECのミカタ編集部

インフルエンサーおよびソーシャルオーソリティー マーケティングを展開するLIDDELL株式会社 (本社:東京都渋谷区、代表取締役:福田晃一、以下「リデル」) では、2018年版・インスタグラムにおけるセグメント別フォロワー数とエンゲージメントの関係について独自に調査を行い、その結果を公表した。

“感性のSNS”

リデル社では、現在インスタグラムにおける「真に“効果”に即したエンゲージメント指標」を構築するべく研究を行っている。背景として、現在のSNSマーケティングでインフルエンサーを選定する際に基準としているのがエンゲージメント率だが、そもそもインフルエンサーはそれぞれジャンルに特化しているため、まずこのジャンルおよび年代別のエンゲージメント率の実態を解明することとしたという。

同社が、その仮説に基づき調査を開始したところ、フィールドであるインスタグラム自体の変容も明らかとなり、「画像で共感をつなぐメディア」を脱して「憧れから参考とする汎用性メディア」のポジションを獲得していることがわかったそうだ。

当該調査方法は、インスタグラムにおいて5,000フォロワー以上を擁する男女、1,360人を「ジャンル/年代/フォロワー数」ごとに分類し、直近5投稿におけるエンゲージメント率を計測致した。取得したデータを用いて、セグメントごとのエンゲージメント率の散布図と近似曲線を求めている。

また同社では、インスタグラムを“感性のSNS”と分析し、効果に即したアプローチや検証指標の決定版がなかなか存在してこなかったとしている。その上で、今回の調査ではさまざまな観点で従来の定石を打ち破る結果が現れていると述べており、興味深い結果となっているようだ。なお数回調査結果については、今後も数回に渡って公表される見込みとのことだ。

年代によって「いいね」の質が違う?

リデル社によれば、2015年と比較するとインスタグラムユーザーの年齢分布も変化が起きており、なかでも10代と50代の増加が顕著だ。そのなかで、年齢が高くなればなるほど閲覧した投稿を既読したことを意味する「確認のいいね」をする傾向があることがわかった。

高校生では平均エンゲージメント率が14.7%と高く、より共感した投稿や憧れを抱く投稿へのリアクションに積極的であることが見てとれる。これは、SNS上での「自己ブランディング」と関係しており、「他者にどう見られるか?」を気にする世代特有の傾向として興味深い結果となっているとする。反して、年齢層が高くなるにつれ真の共感よりも「確認のいいね」が増加していく傾向となり、社会性や関係性をSNS上でも重視していることが明らかとなっていると分析している。

年代によって変化していく「いいね」の傾向

同調査では20代他ほとんどの世代における基本行動として、同世代および、1つ上下世代へ「いいね」をつける傾向があり、反対に30代では「いいね」をつける行動および実数は低下していくことも判明したようだ。この現象には、年齢が低いほど、実社会でのリアルな知り合いがSNS社会にも反映された“つながり”網を構築しているためと推察され、大学生になるとフォロワー数、エンゲージメント率もアップしているが、ここには高校生が次なる自己の“憧れ”を投影しているためと分析している。

ライフステージによって変化するSNSとの接し方

年齢が上がるにつれ、共感値の高い「いいね」を厳選するなどの傾向については、2つの側面で考える必要があるとしている。1点は「SNS社会における自己の行動変容」と、もう一点は「実社会での自己の行動変容、それに伴う可処分時間の減少傾向」が影響するとみている。たとえば、SNS社会と実社会での自己は必ずしも正確に一致せず、それぞれ独自のペルソナを抱えていると仮定する。

つまり、ユーザー歴に伴いSNS上での自己も成長・変化があり、「いいね」をしている行動履歴を見える化した際に他者から「どのステージと認識されるのか」を意識した行動変容が起きているとしている。さらに、実社会上でも仕事が忙しくなる、またはライフステージの変換などから、SNS社会でアクティブに過ごす時間そのものが取れなくなってくるという物理的な事情などが交錯していると分析している。

インフルエンサーは男性優位?

また同社によれば、各ジャンルにて検証を進めた際に、これまでほとんど母集団を形成しなかった「メンズインフルエンサー」というジャンルが、2018年には台頭してきている様子も明らかになったようだ。

たとえば「男性」を一つのジャンルとして検証すると、男性インフルエンサーの平均エンゲージメント率が8.23%、女性インフルエンサーの平均エンゲージメントが4.68%となっており、男性が約2倍のエンゲージメント率という数値になっているという。今日では共感の指標を「エンゲージメント」とする場合が多いが、『1万人フォロワーを擁する男性インフルエンサーと、2万人フォロワーを擁する女性インフルエンサーでは、同じ共感価値を持つ』という興味深い結論も導くことができるとしている。このことからも、フォロワー数のみで価値を計ることは不正確であるとも言及している。

ビジュアルが前面に出ることで他のSNSとは一線を画しつつ、女性を中心に多くのユーザーを獲得しているInstagram。今回の調査では、そのインスタにも文字通り大きな変化が訪れているようだ。EC事業を考える上でも、もはやマーケティングでSNSを看過することはできない状況で、こうした動向の変化を的確にとらえつつ、より精度の高い拡散やブランディング施策を構築していく必要がありそうだ。

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