株式会社ナスタが福岡市の「実証実験フルサポート事業」に採択、宅配ボックス『スマポ』でラストワンマイルの課題に挑む
株式会社ナスタ(本社:東京都港区、代表取締役社長:笹川順平 以下、ナスタ)は、2018年8月27日、福岡市が主催する「実証実験フルサポート事業」に採択されたことを公表した。
社会が抱える課題解決を目指す
EC市場の拡大に伴い、物流のラストワンマイルである宅配の現場はひっ迫した状況が続いている。特に大都市部では、単身家庭や核家族化が進み、日中の不在も多いため再配達が増加しているだけでなく、受け取る側も、意図した日時に受取りにくいといった課題は未だ存在したままだ。
増え続ける荷物に対して、物流側も配達員不足や需給バランスの崩壊に陥り、長時間労働の常態化や再配達による配送ストレスがさらなる配達員離れに繋がって悪循環となっているだけでなく、送料の値上げや当日配送の撤廃など、利用者側の利便性にも影響しかねない状況だ。
今回、ナスタ社が採択された「実証実験フルサポート事業」は、先端技術を活用して、生活の質の向上などにつながる取り組みを全国から公募し、福岡市内で実証実験を支援し、そうした地域の活性化や社会課題の解決を目指すものとなっている。
宅配ボックス「スマポ」を1000世帯に無償で提供
同社は、今回の実証実験において、戸建住宅向け宅配ボックス「スマポ」を福岡市内の戸建住宅1000世帯に無償で提供し、設置前後の「宅配ストレス(同社が定義した受取りに関するストレス)」を測定。ストレス評価の権威である、日本産業ストレス学会 前理事長 医学博士の夏目誠先生ご協力のもと、ストレスを数値化した検証結果を来春にも発表する予定だ。
一家に一台の宅配ボックスの設置が物流課題の根本的な解決につながるだけでなく、受け取る側のストレス解消を実現し、生活の質の向上につながることを検証するとしている。
一つひとつの施策を積み重ねていく、それがECの未来を拓く
前述したように、宅配のラストワンマイルが抱えるひっ迫した状況について、解決を求める声が聞かれて久しい。すでに大手宅配事業者が抜本的な働き方改革を進め、配達員などの負荷軽減に努め、あわせて宅配料金やメニューの改訂も進めている。また政府としても、物流の課題に対処してさまざまな施策を打ち出している所だ。
こうした官民にわたった対応があってこそ解決の道筋が見いだせる、まさに社会問題と言えるだろう。今回のニュースも、自治体と企業が手をたずさえて課題解決に乗り出している好例となる。社会そのものが抱えるそうした課題を軽減するには近道はなく、一つひとつの施策を積み重ねていく、その不断の努力が重要であり、それこそがECの未来を切り拓いていくのかも知れない。