EC業界News1週間まとめ〜資生堂「マキアージュ」天猫国際で注目の理由/LINE、Amazonスマホ決済の何故

石郷“145”マナブ(編集長)

こんにちは。
編集長の石郷です。
今週、読まれたのはこちら。

■Amazon PayスマホのQRコード決済に参入〜Amazonの狙い/キャッシュレス時代到来か
https://ecnomikata.com/ecnews/19838/
■資生堂「マキアージュ」で「天猫国際」マツモトキヨシ店でアクセス数首位を獲得!
https://ecnomikata.com/ecnews/19821/
■『ヤフオク!』とヤマト運輸が連携し、匿名配送サービス拡充
https://ecnomikata.com/ecnews/19823/
■セブン&アイのECサイト『オムニ7』にAIを使った問い合わせ対応システムを導入
https://ecnomikata.com/ecnews/19836/
■EC・通販市場の競争激化が浮き彫りに【エルテックス調べ】
https://ecnomikata.com/ecnews/19867/

資生堂「マキアージュ」を活用 天猫国際のマツモトキヨシがアクセス数増

 今週は、資生堂「マキアージュ」を活用して、「天猫国際」に出店する「マツモトキヨシ」のお店がアクセス数を伸ばしたという話題がよく読まれているようでした。中国では比較的SNSがECとの親和性の高さを見せていて、越境ECアプリ「RED(小紅書)」などではそこにある一定のコミュニティが生まれているわけです。その中にはマキアージュに関するコミュニティもあるでしょう。

 中国でSNSとして多く利用されている「Weibo(微博)」や「WeChat(微信)と、今話した、越境ECアプリ「RED(小紅書)」で、「マキアージュ」関連の口コミを参考にすれば、この商品の共感をどうやれば集めることができるかが見えてきます。

 だからこの商品に関心の高い人は「ポイントメーク」への興味も高いことがわかった。だとすれば、それを伝えるのに相応しいインフルエンサーを起用して、発信すれば、それは最大化することができます。SNSである一定のコミュニティが確認できて、そこと親和性の高いインフルエンサーを起用。そして今度はこのインフルエンサーから更に、アライドアーキテクツが提供する中国向けの拡散サービス「WEIQ」を使って、インフルエンサーが拡散するというわけで、広がりを見せたわけです。

 資生堂というと、日本では百貨店のイメージが強く、そこにはしっかり商品を使ってみて購入を検討してもらいたいという想いがあるわけですが、中国においてはそれらの環境がない。では、正しくメッセージをして行く中でどういうプロモーションがあるだろうと模索していたのかもしれないですが、これで一つの答えが見えてきたのだと思います。

 もとよりブランドの認知度は高く信用はあります。ただ、その良さをどう伝えていくかというところで、マツモトキヨシが積極的に、中国のコンテンツを活用しながら、かつそれを最大化させる工夫を見せたというわけです。ここでの取り組みは年末の「独身の日」での成果を最大化させるためのプロモーションとしても有効です。

 資生堂も従来のスキームにとらわれることなく、また先進的な発想を持つショップの意向を取り入れながら、そこで共にチャレンジすることで、新たな商機を手に入れたということになるでしょう。商品開発の姿勢も変化しそうに思います。

AmazonもQRコード決済参入/各社の思惑はキャッシュレスでは一致も実は違う?

 そして、もう一つは、いよいよキャッシュレスの勢いに拍車がかかっているというニュースです。今週、Amazon PayがQRコード決済に参入することを発表しました。これまで、LINE、楽天、Origami、PayPay(ヤフー系)と続々、このジャンルに参入してきており、今後、どれだけ浸透するかが気になるところです。 

 Amazonの場合でいえば、みなさんがお持ちのアプリの中に実装されていて、自分のアカウントのQRコードができているので、それを差し出すだけです。ただ、店側に関しては、NIPPON PAYが提供する専用タブレットを現時点においては、必要だとしており、このタブレットに金額を入力して、お客様のQRコードを読み取れば、それで決済が完了します。

 ただ、個人的にはAmazon Payではあくまでも日頃Amazonで購入しているクレジットカードでの決済がベースになっていて、電子マネーがあるわけではなく、また、誰でもダウンロードできるような店用のアプリが(現時点では)あるわけではないので、キャッシュレスの一手段として使えるよ、という段階に留まっているように思いました。

 ただ、記事でも書きましたが、AmazonIDで決済ができるAmazon Pay(かつての名称Amazonログイン&ペイメント)の導入が順調に進んでいて、現にECの中小店舗には購買率をあげるなど、成果を出しているので、その利用者の付加価値を高めようという観点の方が強い気がしました。

LINEもスマホQRコード決済には熱い眼差し

 一方で、LINE PayもまたQRコードで決済することができるとしたものです。ここではLINE Payを使ったユーザーにもポイントを還元しつつ、事業者に対してはそこにかかる手数料を無料にしました。事業者がすぐにでも始められるようにとLINEが支給する店用アプリをダウンロードすれば誰でも使えるようにしています。こちらは、LINEがO2Oを意識しているわけですし、そこへの足がかりとしてキャッシュレスは必須で、それを念頭に、この決済が使われることに会社としても重きを置いているように思いました。

 そして、これは同時に、今後ECへの絡みを強めてくるだろうなという想いがあります。先ほどのAmazonとは逆で、LINEはどちらかというと、電子マネーの要素が強く、Amazon程のクレジットカードと紐づいた決済情報がないからです。とはいえ、ただクレジットカードを登録してくださいというのでは、アクティブな情報を集められないでしょうから、必ずECに絡めてくる。

 考えられる要素としては、いわゆる「LINE ログイン」というもので、LINEのアカウントでログインできて、かつ決済もそれを済ませる仕様を今以上に訴求してくるでしょう。そこでクレジットカード決済を自然に登録してもらうのです。電子マネーもクレジットカードでもどちらでも、LINE一つで外出時、決済できるようにしたいはずですから。

 その他、楽天ペイやヤフーグループが連携するPayPayなどの登場を見てわかる通り、キャッシュレスに絡む決済の話題は一番決済が盛んに使われるECとひもづく企業が注力してきます。この2社においては当然、楽天スーパーポイント、Tポイントを発生させて、自らの決済アプリを使うように促すでしょう。

 今まではポイントのみが注目されてますが、今後は決済を持ってることが経済圏の囲い込み要因となります。これらのスマホQRコード決済を活用することは、ロイヤルカスタマーを醸成する上で必要なので、強化してくると思われます。

Origami Payなども企業との連携を強化

Origamiはローソンの店内淹れたてコーヒー「マチカフェ」の「コーヒー」または「アイスコーヒー」を、一日一人一杯プレゼントするキャンペーンを開始。Origamiアプリを登録者には、アプリ内にキャンペーンの案内が表示。これをクリックするとローソンの「レジ直クーポン」が表示され、店員に表示し、レジで読み取りを行うと、マチカフェ コーヒー Sサイズがもらえます。

 Origami Payなどは、Origamiアプリでショッピングモールをやっていて、そこから派生する形で生まれましたが、どちらかというと、ショッピングモールはその決済手段の一つとなってもらうための序章で、決済情報そのものの可能性に目をつけていたものと思われます。

 こちらの動きを見ていると、Origamiと企業との一社一社の連携を重んじているように僕には見えていて、その連携企業に対してOrigami Payを使うことで、どうリピート率を高めていけるかの視点を、Origamiは説明し、そこで自分達の価値を伝えて、存在感を表すことでしょう。

 例えば、日本交通との連携では乗車料金の10%分を優待するなどの動きがかつて、キャンペーン的に見られました。これは決済のプラットフォーム側(ここではOrigami)が経済圏のスケールメリットを生かして、ポイントを使えますよというわけではなく、日本交通のプロモーションとして、QRコード決済を用いて、Origami アプリから情報を発信するなどして大企業を密にして最大化するわけです。

ポイントを重視している企業であればあるほど、目指すベクトルが違うので、ここには入っていきづらい。Origami Payは徐々に独自路線で進めて広めていき、金融への専門性を足ががりに広がっていき、そこに信用も生まれるはずです。今後の可能性を秘めている証拠に、コンビニの大手「ローソン」はこのOrigami Pay導入を決め、展開を始めました。

キャッシュレスはEC業界とも密接

 キャッシュレスはリアルな世界での話と言っていたら大間違いで、 ECに絡む企業ほど、この決済に積極的であることに着目しなければならないように思います。人々が本当の財布にリアルな現金を収めるのではなく、ECで日頃使っているスマホの中のアカウントの方が本当の意味での“財布”となっていき、現金を持たない時代もそう遠くありません。販売拠点でもリアルな実店舗とネットのECの両方でTPOにあわせ利用するようになってきましたが、リアルとネットの“財布”がスマホの中に一つ収まれば、ますます垣根がなくなって、ECの利用機会も増えていきます。

 思うに、まだ先の話かもしれないですが、これを通して、継続的か期間限定的かはあるにせよ、ネット通販の店舗がリアルな店をするという機会も増えてくるように思いました。なぜなら、先ほど話したようにネットとリアルの財布が一つになるから。それが信用に繋がり、それぞれのハードルを下げるように思います。結果、それがお客様のタッチポイントを増やしていき、ファンをより強固なものにしていく。SNSのようなもので、お店ごとに形成されたコミュニティを最大化させることになるのではないかと思いました。

というわけで今日はこの辺で。
笑顔溢れる1週間でありますように。
また来週お会いしましょう。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ(編集長)

ECのミカタ 編集長。キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

石郷“145”マナブ(編集長) の執筆記事

コメント

コメントを書くには、会員登録が必要です。
既に会員の方はログインしてください。
まだ登録をされていない方は、「新規会員登録」より登録を行ってください。
新規会員登録