参加者の実に99%が「荷物の待ち時間が減った」と回答!置き配バッグOKIPPAの実証実験で有用性を確認

ECのミカタ編集部

物流系ITベンチャーYper(イーパー)株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:内山 智晴)は、2018年7月7日~8月11日の1ヶ月間、東京23区の100世帯を対象にアプリ連動型置き配バッグOKIPPA(オキッパ)の実証実験を実施し、最終的に参加者の再配達率を約43%削減することに成功、OKIPPAの有効性を確認できたとしている。なお製品版は9月中旬より順次納品が開始される予定となっている。

100世帯にOKIPPAを配布

100世帯にOKIPPAを配布

Yper社が今回行った実証事件は、2018年7月7日~8月11日の1ヶ月間、Twitterで公募した100世帯にOKIPPAを配布した上で、運用面での最終調整を実施。参加者の男女比率は男性44%、女性56%と女性がやや多く、年代は30~40代が中心で、住居形態としては6割以上が集合住宅であった。なお実証実験期間中、アンケートは1週間ごとに実施された。以下、公表された実証実験の内容を見ていく。

再配達率は約60%から15%へと大幅な削減に成功

再配達率は約60%から15%へと大幅な削減に成功

同社によれば、参加者の約6割が週1以上ECサイトで買い物をするヘビーユーザー(※1)であり、OKIPPA利用前の宅配ボックスがない環境下では再配達率は59.2%と、今年6月に国交省が発表した最新の再配達率16.4%(都市部)と比較しても非常に高い頻度で再配達が発生していたことがわかったとしている。また実証実験の結果、OKIPPAを利用することで、再配達率は最終的に15.9%と開始前の約43%減となり、国交省発表の再配達率よりも低い水準まで引き下げることができたそうだ。

さらに試験期間中、参加者がOKIPPAで受け取った荷物数合計は337個と、週平均67個の荷物を再配達なく吸収した(試験期間中の平均有効回答数は70)。利用した配送会社の内訳としては、OKIPPAアプリが連携可能なAmazon、楽天が主な購入先となったため(※現在はZOZO、ユニクロもメール連携可能)、ヤマト運輸及びAmazonデリバリープロバイダの利用が多くなっているとしている。

※1:本文では週1以上ECサイトでの購入があるユーザーをヘビーユーザーと定義
※2:平成 30 年 4 月期の調査結果を公表(国土交通省 総合政策局物流政策課)

99%が「荷物の待ち時間が減った」と回答

99%が「荷物の待ち時間が減った」と回答

次に実証実験終了後のアンケートによると、参加者の99%がOKIPPAを利用したことにより「荷物の待ち時間が減った」ことを実感していると回答した。1時間未満と回答した参加者の多くは、普段コンビニ受け取りを利用している層で、「コンビニへ行くための準備時間やコンビニまでの移動時間」に費やしていた時間がなくなったと回答。

また9割のユーザーが荷物待ちストレス、再配達を依頼する手間が省けたと回答しており、食事やお風呂の時間を邪魔されなくなったことをメリットとして挙げている。「配送員に申し訳なく思う」という精神的負担の軽減をあげるユーザーも多くみられたそうだ。

OKIPPAの「有用性」を確認

同社では実証実験を通して、参加者から「荷物受け取りを意識しなくて済み、時間の使い方が大きく変わった」などとコメントが寄せられるなど、OKIPPAの有用性を改めて感じられたと胸を張る。

一方、製品面や運用面での課題も浮き彫りとなったようだ。製品面での課題には既に可能な限り対応しているとし、9月中旬に発送される製品版には反映される見込みだ。運用面の課題としては、「配送員のOKIPPAの認知」の問題は、引き続き配送各社及び国に働きかけをして行く必要があるとする。

同社では、それらの課題が解決することで、短期間でOKIPPA利用者の再配達率はほぼゼロまで削減できると見込む。さらに現在、オートロックマンション向けのOKIPPAも開発中で、近日中に都内にて実証実験を行う予定で、協業先も募集中だ。法人向けオリジナル柄でのOKIPPAも作成も可能で、30~40代のユーザーを多く抱えるECサイトの商品としても生産できるとしている。

ECのラストワンマイルを支える生命線とも言える物流。そこでの再配達の発生の増加は、物流業界とEC市場、そして社会全体が抱える大きな課題ともなっていた。これは官民を上げた施策が展開されつつあるが、宅配ボックス等の設置は、その課題を解決し得る極めて有力な施策であり得るのが、ここでも証左されたようだ。

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