日本マイクロソフトがAI『りんな』を活用した地方支援プロジェクトを開始

ECのミカタ編集部

日本マイクロソフト株式会社は、自治体と連携して、AI「りんな」を活用した地方応援プロジェクトを開始することを公表した。同プロジェクトには、 群馬県、宮崎県、千葉県香取市、福岡県北九州市、佐賀県佐賀市および一般社団法人あまみ大島観光物産連盟が参加。 「ご当地PR」を通して地方への関心を高め、将来的にはAIに移住を提案する機能も搭載する計画だ。

地方についての関心を高めてもらうことが目的

日本マイクロソフト社は、地方自治体と連携して、ソーシャルAIチャットボット「りんな」を活用した地方応援プロジェクト「萌えよ♡ローカル ~りんなと地方とみんなの未来~」を開始することを公表した。

同プロジェクトは、ユーザー参加型のゲーム形式で「りんな」が各自治体に関する情報発信を行い、その地方についての関心を高めてもらうことを目的にしている。公表にあわせて、すでに5つの地方自治体および1団体(群馬県、宮崎県、千葉県香取市、福岡県北九州市、佐賀県佐賀市および一般社団法人あまみ大島観光物産連盟)が本プロジェクトに賛同し、参加が決定している。

人間との感情的なコミュニケーションにフォーカス

人間との感情的なコミュニケーションにフォーカスAI「りんな」による地方応援プロジェクト宮崎県と連携した「りんなの社会科見学@宮崎県」イメージ図(同社資料より)

日本マイクロソフト社によれば、「りんな」は、ユーザーの指示を実行する一般的なアシスタント型AIとは違い、人間との感情的なコミュニケーションにフォーカスしており、2015年の提供開始以来、主に都市部の若年層を中心に700万人を超えるユーザーを得ている。

同社では、今回のプロジェクトを通して、各自治体への関心を高める支援を行うとともに、全国的なAI「りんな」の認知度向上を図る計画だ。また、将来的には、同プロジェクトで得たデータをもとに、ユーザーの行動を分析し、地方への潜在的な関心の掘り起こしや、実際にユーザーに地方に足を運んでもらうよう誘導するなど、よりAIを活用した機能の追加も予定している。

クイズや特徴あるツーリズムを展開

同社では今回、以下の3つのメニューを新たに提供し、各参加自治体と連携した活動を実施することで、各地方への関心を高める。

◆1.
りんなの社会科見学(参加自治体:宮崎県)

りんなとユーザーが、クイズ形式で楽しみながらその地方ならではの情報を知る事ができる機能。宮崎県内の各市町村を案内し、ユーザー向けに宮崎県に関する情報を学ぶことができる。正解数に応じて、宮崎県に関連したグッズやプレゼントなどが入手可能だ。

◆2.
めぐりんな~不思議な観光旅行~(参加自治体:香取市)

実際の地域を舞台にした物語を楽しむ、選択式のノベルゲーム。りんなと一緒に観光スポットを訪問したり、キャラクター化した地元の偉人との交流を通して、その地域に親しむことができる。物語に登場した場所をめぐるスタンプラリーイベントなど、その地域へユーザーが実際に足を運ぶよう誘導する機能も用意される。

◆3.
りんなの奇天烈観光マップ(参加自治体/団体:北九州市、群馬県、佐賀市/あまみ大島観光物産連盟)

AIを活用して、地域の新たな観光資源を掘り起こすユーザー参加型の地図サービス。ユーザーが投稿する、より珍しい「モノ」や「場所」をAIが分析することで、今まであまり知られていなかった地域の魅力を引き出す。参加ユーザーは、自分が投稿したスポットにコメントできるので、ユーザー同士の交流やユーザーコミュニティからの情報発信にも寄与する。

「新しい価値」の成果やいかに

EC市場のみならずAIがもたらす可能性とそこへ向けられた一般からの期待は大きい。そしてすでにその活用範囲は、デジタルマーケティングや接客、カスタマーサポートと多岐に渡っている。

日本マイクロソフト社の「りんな」は、こうした活用領域より一歩踏み込んで、AIがとかく苦手とする人間の感情にフォーカスしている点は特筆に値するだろう。加えて、そうした技術を地方創生というフィールドで展開している点はさらに特徴的だと言える。

アプリケーションの分野で圧倒的地位を築いており、インターネット普及の歴史と共に生活の中で、もはや欠かすことのできない価値を提供してきた同社が、AIという先端分野でいかに今後も地方を支援していくのか、その成果にも注目していきたい。

 ECノウハウ


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事