NHN JAPANがEC事業者のマーケ上の課題解決のためFIDやNTTコムオンラインなど各社と提携しワンストップソリューションの提供へ

ECのミカタ編集部

NHN JAPAN株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:泉 忠宏、以下「NHN JAPAN」)は、、株式会社プランクトンR(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:大久保 悠祐、以下「プランクトンR」)、シナジーマーケティング株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:田代 正雄、以下「シナジーマーケティング」)、NTTコム・オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役:塚本 良江、以下「NTTコム オンライン」)、株式会社FID(本社:東京都新宿区、代表取締役:和田 聖翔、以下「FID」の各社と協力し、コマース分野においてさらなる成長を目指す通販事業者が共通して直面している課題に着目し、必要となる全てのサービスをワンストップで提供するソリューションの提供を開始したことを公表した。

個別の企業の課題にフィットした業務改革が可能

今回の発表に際しての通販事業向けソリューションの主な内容は次の通りだ。さらなる成長を目指す通販企業が共通して直面する課題の解決をワンストップで実現する以下のソリューションを提供するとしている。

当該ソリューションは、調査分析・戦略策定からシステム導入・運用改善までの全てを網羅し、一気通貫してソリューションを提供するワンストップ型サービスだ。これにより個別の企業の課題にフィットした業務改革が可能となるとのことだ。

同社によれば、今回の施策によって提供される内容は、「多くのコンサルや代行会社が責任を持てない、事業の要件定義から10年後の未来を作るトータルソリューション」となるとのことだ。その場しのぎのコンサルなどではなく5年、10年単位で未来を見据えた、サービスとなるようだ。

事業の要件定義のチェックから始まり、システムの構築、人的オペーレーションの設定、AI活用での長期的な人件費の削減、広告戦略、など、ECに関わる全ての仕組みを担当することによって、全面的な効率化やコストの削減、売上げアップや利益率向上を担い、事業の成功にコミットするものになるとみられる。

新統合プラットフォームとマーケ自動化ツールを提供

同社が取りまとめている、その具体的な内容は下記の通りだ。

◆1.
企業固有の課題を踏まえた適切な戦略の策定支援

NHN JAPAN、プランクトンR、大手通販コンサル会社3社にて通販事業の状態を「クイックスキャン」し、これにより可視化された企業固有の課題を踏まえた適切な戦略を策定。また、その戦略を推進して企業の持続的成長を実現するための以下のビジネス要件定義を策定支援する。

①顧客理解の深化と顧客エンゲージメント施策の構築
②顧客エンゲージメント施策を踏まえた統合戦略の策定
③データ収集・分析組織・能力の装備
④通販システムの統合化検討
⑤多様な顧客ニーズを分析するための基盤整備

◆2.
CRM戦略の施策策定とマーケティング・プロモーション

これまでのような手法ではなく、リターゲティング広告よりもさらに効果的で今までに無い新たなソリューションの提供を行う。具体的にはシナジーマーケティングのSocietas分析により自社の顧客の価値観を明確にし、正しい顧客像を理解、その顧客の価値観にあった訴求からCRM戦略・施策の策定を支援する。

また、NTTコム オンラインの配信サービスとシナジーマーケティングのSocietas分析を組み合わせたソリューションを活用することで、広告クリエイティブ生成から集客、コンバージョン最適化までを全自動で行い、成果を求めて改善したり、ユーザ属性、興味や嗜好に合わせたランディングページの自動生成なども可能になる。

このほかAIを導入した対話型フォームも追加可能で、互いに持つビッグデータを活用・照合し「価値観別の広告」の配信も行える。これにより、専任の広告運用担当者を配置しなくても精度の高いマーケティング展開が可能となり、既存顧客向けロイヤリティー向上策だけでなく新規顧客獲得に向けた展開においても効果的なプロモーションを実現できる。

◆3.
企業固有のビジネス要件を踏まえた、新思想の統合プラットフォームとマーケティングオートメーションツールを提供

通販事業の運営面の課題解決支援では、通販専用ショッピングカートで実績のある「侍カート」を提供するFIDがMTAの開発経験を活かして作り上げた、新思想の統合プラットフォームとMOTENASU(マーケティングオートメーションツール)を各社固有のビジネス要件を踏まえて提供する。

これにより、インターネットのみならず、テレビ、電話、雑誌、ダイレクトメール等の全てのチャネル情報が一元管理され、複合的な分析からの素早いアクションが可能となる。

また運用においては大手コールセンターの有人対応とAIを併用するソリューションを組み合わせることで、有人対応で蓄積したFAQを活用してAIチャットボットの構築を行い、各チャネルの導線整備と対応のスピード化を実現するほか、深夜・早朝・祝祭日の無人対応が可能となり、CX向上を図ることが可能となる。

なお、本システムの基盤においてNHN JAPANの「CloudGarage」を導入することで、品質が高く、パワフルなクラウドサービスを定額で利用することも可能だ。

企業かかかえるマーケ上の課題に対応

ソリューション提供の背景は次の通りだ。同社によれば、通販事業者がさらなる成長を目指す上で共通する課題は、大きく「CRMコミュニケーション」「運営」「システム」の3つに大別されるとしている。

◆1.
CRMコミュニケーション課題

・それぞれのお客様の価値観を理解して、適切なコミュニケーションプランを設定したり、ブランドや製品理解(納得)を最大限引き出す事が出来ていない

・顧客の属性や行動等の履歴など画一的またはマニュアル的な手法しか行えておらず、各社にとって最適な手段と効果的なタイミングを考慮した以下の企画設計や各施策の計画・実行及びその管理が出来ていない

-入口商品と継続本命商品の企画設計
-各企業個別に存在する顧客期待価値やタッチポイントを踏まえ、顧客ごとに適切なタイミングで売上向上のための施策が実行できていない

◆2.
運営課題
 
・販促指標と投資指標の分類に関係なく、個々のKPIの状態から各施策アクションを実行しており、販促指標と投資指標を統合化又は各KPIを複合的に組み合わせた結果から分析を行い、正しく状態を把握して、アクションが行えていない

・通販事業運営を理解した人材の流出や新規採用が困難となっており、経験豊かな通販人材が不足している

◆3.
システム課題

・各社にとって『あるべき姿』を踏まえた業務要件整理から設計されたシステムを選定できておらず、個別最適、分断されたシステムを利用しており、以下の問題が発生している

-データの収集、分析、施策実行アクションをサポートする統合化したプラットフォームがなく、効果的で適切な施策を実行出来ていない状態
-分断化されたシステムが原因で運用も分断化されている状態

これらの課題に対応するため、新ソリューション提供へと至ったようだ。成長するEC市場を見すえ、デジタルマーケティングの技術も日々進歩しているが、そこでの課題も多い。今回の施策を通して、より企業それぞれが持つ個別の要件に寄り添ったソリューションが提供されるものとみられ、今後のさらなる展開にも期待がかかるところだ。


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事