ECを活用した働き方改革「働き方改革システム×ECビジネス」のプラットフォーム『e-Stand』のサービス開始

ECのミカタ編集部

飛島建設株式会社グループ(代表取締役社長兼執行役員社長:乘京 正弘)、および株式会社Will Smart(代表取締役社長:石井 康弘)の2社は、建設現場向けの働き方改革システム×ECビジネスのプラットフォーム「e-Stand」のサービスを開始した。

「e-Stand」は、働き方改革に貢献する各種コンテンツサービス、EC(Electronic Commerce・電子商取引)機能を併せ持ち、各サービスはデジタルサイネージやスマートフォンアプリを通じて提供される。

生産性向上と利便性向上につなげる

「e-Stand」は、飛島建設グループとWill Smartが共同開発したデジタルサイネージシステムだ。「e-Stand」を建設現場の生産性向上と利便性向上につながる各種サービスを提供するプラットフォームとして、ECサービス、現場管理サービス、安全教育サービスなどを提供していく計画となっている。

キャッシュレスで弁当や工具も発注できる

キャッシュレスで弁当や工具も発注できる

その「e-Stand」の主な機能は次の通りだ。

◆1.ECサービス

例えば「建設現場の近くに昼食弁当を購入するコンビニがない(遠い)」「急に工具の調達が必要になったが、通常のネットショップでは、注文、受取り、代金決済が面倒で利用ができない」など、小さな不便が現場の生産性に影響を与えていることにもなりかねない。

こうした現場環境において、「e-Stand」は、注文、受取、決裁の手続きを簡素化し、利便性を高めたECサービスを提供できるため、建設現場の生産性や建設スタッフの利便性向上の画期的ツールとなる。

同サービスで注文した商品は、直接、迅速に建設現場に届けられ、さらに、飛島建設グループが開発済みである「e pal BOX(宅配ロッカー)」と組み合わせることで、建設現場での商品の無人受取ができるようになる。

支払も、GMOペイメントゲートウェイ株式会社による決済サービスの提供で、「クレジットカード決済」のほか、携帯通話料金と一緒に支払える「キャリア決済」も選べるため、建設現場でキャッシュレスの購入が可能だ。また、配送業者にとっても配達ロスや集金手間が削減でき、社会的なトータルメリットも実現できる。

サービスコンテンツでは、ミドリ安全株式会社、アシックス商事株式会社、販売代理店を通して株式会社マキタ、株式会社玉子屋が「e-Stand」で工具や弁当を販売することが決定しており、サービス開始後も他メーカー・企業との連携拡大を予定している。

◆2.現場管理サービス

作業スタッフは、日々異なる建設現場で就労することが多く、就労状況や健康状態の把握が難しい面がある。働き方改革の推進が求められる中、建設現場では、正確で、効率的な作業スタッフの勤怠管理や健康管理の仕組みづくりが求められている。

こうした社会的要請において、「e-Stand」は、建設ICT改革の一環として 作業スタッフの入退場管理サービスや健康管理(予定)を提供する。「e-Stand」の虹彩認証機機能により、作業スタッフの虹彩情報を読み取り、入退場情報や健康情報を記録するサービスとなっている。

また、今後は「e-Stand」を来年度以降に導入が予定されている「建設キャリアアップシステム」の端末として連携活用することにより、作業スタッフの保有資格や習熟経験なども包括的に把握できるようになる予定だ。

◆3.安全教育サービス

建設現場において、安全教育は非常に大切なものだ。経験やスキルの異なる作業スタッフの就労や将来は外国人スタッフの就労も考えられ、個別事情や文化的背景の違いに対応した多様な手法での安全教育が必要だ。

こうした教育ニーズに対応するため、「e-Stand」ではデジタルサイネージを通して、各種安全教育コンテンツを提供する。同サービスで、集合教育、個別教育、レベル別教育、職種別教育など、適宜、効果的、効率的な教育環境を整備できる。

あわせて、作業情報や安全情報の周知、局地気象情報や交通情報、工程情報や配置情報などを配信する。同サービスの提供にあたり、株式会社プラネックス、株式会社スカイフィッシュによる教育コンテンツの提供が決定している。今後も、多様な現場のニーズに対応するべく、教育コンテンツの充実及び多言語対応を進めていく方針だ。

◆4.営業展開

「e-Stand」の販売・設置・メンテナンスについては、日建リース工業株式会社とパートナーシップを締結致している。建設現場へ設置する機器や備品の多くは、リース会社よりレンタルし設置するケースが多いため、販売網を持つ日建リース工業株式会社と協業することで拡販を目指す。

将来的には防犯カメラやスピーカー、バイタルチェックなど、さまざまな機器やソフトとの連携を予定する。加えて、各サービスのスマートフォンアプリ化を進めており、過去にない建設現場支援サービスとして、建設現場における働き方改革の推進、生産性向上、そして作業スタッフの利便性向上に向けてサービス機能を充実、進化させていく計画だ。

病院・学校・宿泊業界などへの展開も

病院・学校・宿泊業界などへの展開も

飛島建設グループは、「New Business Contractor」として、社会的課題の解決を新たなビジネスチャンスととらえ、ECビジネスに参入し、新時代の共創プラットフォームを構築する方針だ。

「e-Stand」は将来的には、病院サービス、学校サービス、ホテルサービス、イベント会場サービスなどへと拡張し、また宅配ロッカーを組み合わせることで、あらゆる場所でのサービスの展開を想定しているという。

建設業界で実績を重ねてきた飛島建設グループとECとの出会いは、一見して意外な気もするが、同分野での知見と、デジタルサイネージというデバイスの選択を通して、現場でのニーズを的確にとらえた次世代のサービスとして結実したようだ。

他業種への展開を含め、その可能性は無限大とも言え、新たな時代のプラットフォームとしていかに市場に受け入れられていくか、その未来が今から楽しみだ。

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