京東集団【JD.com】と三菱ケミカルが提携により最新の野菜工場が完成!ECを通した安全な野菜の安定供給実現へ

ECのミカタ編集部

中国市場を牽引するECサイト「京東商城(ジンドンしょうじょう)(JD.com)」を運営する京東集団(ジンドンしゅうだん)(代表:劉強東 本社:中華人民共和国 北京市 NASDAQ:JD 以下「京東」)と三菱ケミカル株式会社(代表:和賀昌之 本社:東京都千代田区 以下「三菱ケミカル」)は、2017年6月の両者合意に基づき北京市通州区において三菱ケミカルが京東に納入した植物工場が完成し、稼働を開始したことを公表した。

あわせて京東と三菱ケミカルは、今後も植物工場事業において協力関係を継続していくことを目的に、戦略的パートナーシップ契約を締結したことも公表している。

天候に左右されない先進の野菜工場

今回、稼働を開始した工場は、広さ11,040平方メートルに及ぶ中国最大級の植物工場とのことだ。育苗までを人工光で行い、以降は太陽光を利用して効率的に生産を行う併用型の水耕栽培システムを採用しているという。

工場では、温度、湿度、光、液肥等を自動制御し、天候や季節に左右されず、高品質で均一な野菜を生産することができる。また、従来の栽培方法と比較して、大幅な節水、肥料の低減と生産スピードの向上が可能となる。

京東は、現在この植物工場において、ほうれん草やレタス、サラダ菜などを生産しており、2018年12月より同社が中国において展開する生鮮スーパーで販売を開始する予定だ。京東と三菱ケミカルは、今後トマトやキュウリ、イチゴなど、さらに多くの野菜や果物の生産についても検討してく方針だ。

野菜をその日のうちに食卓へ届けられる

野菜をその日のうちに食卓へ届けられる

植物工場では肥料養液を循環利用することにより、従来の農業と比較して大幅に少ない水で栽培することが可能だ。また、畑では年間4回、温室では年間6回だったほうれん草の収穫回数を、植物工場内では2倍以上に増やすことができる。

京東と三菱ケミカルとの協業により、京東は栽培から配送まで、全ての生産過程の品質をコントロールできるようになった。三菱ケミカルの技術で安全な野菜を栽培し、京東のコールドチェーンとECのプラットフォームの統合により、新鮮な野菜を収穫したその日に消費者の食卓に届けることができる。

今後も京東と三菱ケミカルとは、生産、倉庫管理、流通から販売まで、農業の新しいモデルを探求し、安全で高品質な製品を消費者に提供することを目指すという京東の試みを実現するべく、緊密に協力していく予定でいる。

安全な野菜を安定して供給

今回の提携に際し、両社のキーマンから次のようなコメントが出されている。

京東集団 FMCG事業・食品事業総裁 王笑松氏のコメント

「この度の植物工場の稼働により生鮮食品の製造過程における一番初めの部分に参入することで、私たちは京東が約束している高い品質を保った新鮮な生鮮食品を届けることができます。京東の物流ネットワークとECの知識、三菱ケミカルの洗練された栽培技術の組み合わせは、農業や、中国の新鮮で健康的なライフスタイルにおいて全く新しいモデルを築くことになり、理想的なものになるでしょう」

三菱ケミカル 常務執行役員 環境・生活ソリューション部門長 佐々木等氏のコメント

「新鮮・安全な野菜を安定的に提供し、中国の人々の健康的なライフスタイルに貢献するという京東の新たな挑戦に協力できることは、当社にとって得難い機会です。今後も当社の技術をさらに磨き、京東の取組みを支援していきたいと思います」

生鮮品に関してはEC市場では今後さらに伸びしろが見込まれる。これまでは、新鮮な食品を安定して宅配するのには一定のハードルがあったからだ。中国市場でオンラインとオフラインを融合させた巨大なネットワークを構築し、EC市場を牽引する京東と確かなテクノロジーを三菱ケミカルが提携することで、先進の植物工場が誕生し、ECを通した生鮮品の供給に大きな弾みがついたことになる。今後日本でも同様のスキームが実現するのかにも注目だ。


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