AIを駆使した最新『ロボットレストラン』が誕生【JD.com】

ECのミカタ編集部

中国市場を牽引するECサイト「京東商城(ジンドンしょうじょう)(JD.com)を運営する中国・小売業No.1の大手EC&小売インフラカンパニー京東集団(ジンドンしゅうだん)(代表:劉強東 本社:中華人民共和国 北京市 NASDAQ:JD)は、2018年11月10日、ロボットレストラン「京東X未来レストラン」一号店を中国天津市の天津エコシティ内にオープンしたことを公表した。

同社では、オーダーから配膳までの全行程でロボットが作業をするレストランは中国で初となるとしている。

料理の「注文・会計・調理・配膳」などをロボットが行う

「ロボットレストラン」と聞くと東京は新宿歌舞伎町にある某有名なインバウンド観光スポットをイメージする人もいるかも知れないが、今回の京東商城がオープンさせたものは、それとは直接の関係は無い。

今回オープンしたロボットレストランはなんと、料理の注文から、会計、調理、配膳、サービスをロボットにより自動化し、サービス・品質を標準化した本格的かつ最新型レストランとなっている。

5台の調理ロボットが中国八大料理40種を調理し、出来上がった料理は配膳ロボットによりテーブルに運ばれる。ロボットレストランの面積は400平方メートルあり100名まで収容できるそうだ。レストラン内には、映像を180°投影できる個室の他、ゲーム機エリア、また無人販売エリアを設置している。

高度な自動化を実現

<注文・会計>

テーブルに設置されたQRコードをスマートフォンで読み込み、アプリ上から料理を注文。注文と同時に会計も完了する。

<調理>

注文は5台の調理ロボットへ自動的に振り分けられる。著名な料理人が監修したレシピに基づきロボットが調理する。味付けや料理方法がプログラミングされており、いつでも“本物”の料理を提供することができるとしている。5台の調理ロボットは1名のスタッフによって管理されている。

<配膳>

できあがった料理は配膳ロボットによって各テーブルへ運ばれる。配膳ロボットは京東の自動運転技術と高精度のマッピング技術により、障害物を回避しながらレストラン内を自動運転で提供される。またSLAMナビゲーション(位置推定とマッピングの同時実行)によって最適な配膳ルートを自動で構築する。

消費者により良い消費体験を与えることができる

消費者により良い消費体験を与えることができる

今回のオープンに際して京東事業部の総裁肖軍氏は次のようなコメントを出している。

「ロボットレストランは、多くの都市でと考えています。今回のロボットレストランのオープンにより、ボーダーレスリテールの応用範囲を更に広げ、オンラインとオフラインとの融合を促進させています。京東はロボットレストランと無人スーパー、そしてスマート物流を組み合わせることで消費、物流、飲食業のビックデータを活用し、スマートコミュニティの構築及び、スマートシティの実現に貢献してまいります」

またロボットレストランの隣には、天津で3店舗目となる無人スーパーが同日にオープンした。天津エコシティ内では無人配送車の運用も開始しており、京東の“無人技術”が天津エコシティ内でのオンラインとオフラインの融合を実現していると同社は胸を張る。

さらに京東は、これからもロボットレストランを通して、AI技術と飲食業界を融合させ、積極的なイノベーションを継続させながら、「ボーダーレスリテール(無界小売)」の実現を目指すとしている。

「ボーダーレスリテール」とは、京東が提唱する、オンラインとオフライン(実店舗)、物流機能まで融合させたビジネスの総称だ。消費者にいつでも・どこでも、オン・オフラインの境界線すらも越え快適に消費できる環境を提供する世界を差す。

京東はこの「ボーダーレスリテール」を、小売業のあるべき姿と考え、そこに近づくためのサービスを提供しており。京東劉CEOはこの「ボーダーレスリテール」ついて、「シーンは無限、貨物に国境は無く、人と企業の間にも壁はない」と述べている。

その理念をもとに強力にEC市場を牽引する京東は、外食の面でも新たな地平を開くことになりそうだ。

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