越境ECのマーケ戦略から配送を攻略〜欧米・アジア編〜【ECのミカタイベントレポート】

ECのミカタ編集部

2018年12月10日(月)開催のECのミカタセミナーイベント「欧米・アジアの越境ECセミナー〜マーケ戦略から配送を攻略〜」。今や越境ECへの参入は珍しいものではなく、参入先も欧米・アジアのさまざまな国に広がっている。そんな状況で、今、越境ECにどんな問題があり、それをどう解決するのか、さらに今後成長するために必要な情報について、越境ECに関するノウハウやソリューションを持つ4社が登壇し、それぞれの立場から紹介した。それらの講演内容のポイントを紹介する。

韓国越境ECへの最短アプローチ方法を教えます!
~日本製がアツいのは中国だけじゃない~

登壇者:NHN SAVAWAY株式会社
グローバルコマースチーム マネージャー 齋藤 浩一 氏

越境ECというと中国が注目されるが、韓国市場も見逃せない。NHN SAVAWAY社はもともと韓国を拠点とする会社であり、韓国市場についての理解が深い。

韓国は2015年の時点でEC化率が11.2%と日本より高く、越境EC利用割合も27%と越境ECに抵抗のない人が多い。B2C EC市場規模は2015年から2020年にかけて7.5%の年成長率が見込まれている。その成長を支える要因のひとつがスマホ利用で、韓国のスマホ普及率は92%と世界一になっている。

日本から韓国への越境ECは、送料が安く済むのがメリットだ。また、他の国に比べ、日本から韓国への越境ECは売れる商品ジャンルが満遍なく分布している。

一方で、越境ECにおいては、法令や物流、関税・諸税、言語、決済・為替といった点がハードルになりやすい。そういったハードルを下げ、韓国越境ECへの参入を支援するのが、NHN SAVAWAYの運営代行だ。日本のEC事業者は、国内の拠点に商品を送るだけで良いという。

NHN SAVAWAYの韓国越境EC運営代行では、事業者の商材に適した複数のモールに出店をおこなう。韓国には多数のECモールがあるが、NHN SAVAWAYの運営代行サービスでは最大8つのモールに出品できる点が魅力のひとつだ。

関税・諸税に関しては、現地の専門機関と連絡を取り合い、問題がないものだけを販売。広告表示基準も日本と韓国では異なり、商品によって言えることが違うが、NHN SAVAWAYではそういった点を踏まえて商品の販売をおこなうことができる。

韓国のECモールの特徴として、文字や画像が大きく、日本の楽天に似たところがあるそうだ。また、テキストよりも画像が重視され、インスタ映えするようなキレイな画像が求められる。問い合わせ対応はメールではなく「カカオトーク」というチャットが中心で、メールよりも即時対応が求められるようだ。

韓国EC市場については、情報が不足しており、参入に踏み切れないというケースも多い。また、越境ECでは、国内の販売とは違った販売価格の設定も必要になる。こういった点も、NHN SAVAWAYに問い合わせをおこなえば相談に乗ってもらえる。

台湾の次に狙うはベトナム!ベトナム越境EC市場の魅力に迫る

登壇者:株式会社インタースペース
パフォーマンスマーケティング事業部 ソーレンセン 聖子 氏

インタースペースのメイン事業はアフィリエイトサービスの「ACCESSTRADE(アクセストレード)」。広告主とのリレーションを大切に、密な関係を築き、売上を伸ばしている。

企業の成長に伴う課題、ニーズに対し、専門性をもって取り組めるよう体制を整え、2013年頃からはカテゴリごとに特化したチーム編成をおこなった。特に美容・健康食品系の単品通販事業では、右肩上がりの大きな成長となっている。

アフィリエイトの海外展開では、現在、ベトナム、タイ、インドネシアでの広告主・メディア開拓が順調に推移。今後、マレーシアやシンガポールにも展開を広げていきたいと考えているという。

越境ECについては台湾が主軸であったが、現在ベトナムを中心にその販路を広げている。

前述の通りインタースペースは東南アジア各国に支社を展開しているが、そのなかでも伸長率が大きいのがベトナムだ。アフィリエイトの素養がない頃から啓蒙活動をおこない、相当規模に成長しているという。

ベトナムの平均年齢は28歳と、若年層が非常に多い。また、インターネットの普及率、伸長率ともに伸びており、スマホ保有率も高い。そういった背景もあり、BtoC-EC市場の成長も著しい。

現在の課題として、成長にインフラが追いついておらず、運送費用がネックになっているが、2020年頃までに改善されていく見込みだという。

また、ベトナムEC市場の特徴として、クレジットカードの普及率がまだ低いこと、SNSでは圧倒的にFacebookが利用されていることなどがあげられる。

ベトナムのユーザーのEC利用は現時点ではECモールがメイン。ベトナムでは決済手段として現金代引きの利用率が高い。

その理由のひとつに、「本当に届くかわからない」「本物かどうかわあらない」といった、ユーザーの疑いの気持ちがある。一方で、先のことを考えるよりも「今、ほしい」という気持ちを重視することが多く、「今だけ」「○○限定」といったキャッチコピーが効果的。ただし、その時々の気持ちに左右される分、購入後のキャンセルもまだ多いのが課題。

売れる商材としては、美容健康系の商品のニーズが高い。現在、ベトナムの女性はナチュラルメイクを好む傾向にあり、肌をいかにキレイに保つかというスキンケア、日焼け対策の商品の需要が高い。また、韓国女性へのあこがれがあり、美白、ニキビ対策の商品もよく売れている。

また、どこで製造されているかを重視する傾向があり、日本製品への信頼は高い。単価はあまり高くなく、健康食品・化粧品ともに1,500円~5,000円程度が平均的。

現在主流の流通経路であるECモールでは、価格勝負になる傾向があり利益の確保が困難になる。そのため、特定のカテゴリに強みを持つ専門店の単品通販の拡大に可能性があるという。

さまざまな可能性があるベトナム越境EC市場だが、成長とともに変化も激しく、成功のために現地マーケットをよく知るパートナーが必要だ。インタースペースでは、ベトナム市場に早いうちから参入しており、トライ&エラーを繰り返しながらローカライズしており、現地についての理解が深い。

海外の最新マーケティングとは?〜越境ECマーケティング事情〜

CM.com Japan株式会社
右:General Manager Hodny Benazzi 氏
中央:Country Manager Japan 中藤 丹菜 氏

CM.comは、欧米におけるSMSマーケティングのリーディングカンパニー。欧米ではメルマガの効果が落ちていることから、SMSマーケティングにシフトする企業が多い。CM.comの本社はヨーロッパにあるが、世界中にネットワークを持ち、技術的な部分を国・地域別に担当している。

CM.comのサービスでは、CM.comのウェブサイトから、もしくはCM.comのSMS APIで自社開発をおこない、世界中にSMSを送ることができる。利用時には送信先の電話番号のみを用意できれば良い。

SMSは送信できる文字数が限られているので、短縮URLから詳細ページに飛んでもらうというケースが多い。CM.comのサービスではLPも簡単に制作することができる。

誰がURLをクリックしたのか、どのくらいURLがクリックされたのかというCVを測定することもでき、クリックした人には別のメッセージを送るなど、次の施策につなげることができる。

SMSでは、情報通知、割引やキャンペーン、セールなどの案内の他、たとえば予約サイトでは予約変更、キャンセル、支払いなどの手続きもおこなうことができる。これらのSMS施策により、CVアップなどの成果を出している企業も多数。

国や地域、ジャンルにより最適なSMSの活用法は異なるので、日本では日本市場の特徴も取り入れながら、SMSを活用する必要がある。

CM.comではさまざまなメッセージプラットフォームに対応。ユーザーとの信頼関係を大切に考え、クオリティに注力し、企業とエンドユーザーをつなげる役割を果たしている。

最新!越境ECにおける課題とソリューション

登壇者:FedEx Express
ワールドワイドセールス/本部長 長田 直樹 氏

越境EC物流について、購入者・売主に共通する課題として、配送時間の長さ、配送コストの高さがある。また、売主ならではの課題として、引当・梱包作業、返品対応、書類作成、FBAラベルの添付といった、越境EC物流にまつわる作業の煩雑さがある。

FedExでは、これらの課題をそれぞれに解決する越境ECソリューションを提供している。

まず、FedExでは購入者・売主のどちらもがカスタマーサービスを利用できる。越境EC物流においては、まず、商品発送前の情報収集が重要だ。カスタマーサポートでは、各国の法令規制や通関事情、関税・諸税、また正確な配達日数と配送費なども案内することができる。

商品発送後は精度の高いトラッキングで、配送状況を随時把握できる。トラッキングでは、情報の更新回数・頻度をどれだけ細かくリアルタイムにできるかが重要だ。FedExでは、たとえばハワイ・日本間の場合、5日間で12回情報の更新があるといった、精度の高いトラッキングをおこなっている。

また、今、欧米の会社で進んでいるのが、DDP(Delivery Duty Paid)と呼ばれる、関税込みのドアtoドアで商品の輸送・配送をおこなう方法だ。これにより、現地で関税が発生し受け取り拒否になるなど、想定外のトラブルを防止できる。購入者に対して、最初から明確な価格を提示できるのもメリットだ。

さらに、受け取り場所の選択は返品サポートなどもFedExのサービスでカバーしている。

これらのサービスに加え、FedExでは、欧米向け、中国向けにそれぞれカスタマイズした越境ECソリューションも提供している。

欧米向けには、「欧米向け低コスト配送」。このソリューションは、従来個別におこなっていた集荷・輸送をまとめておこなうことで、従来のサービスに比べると多少時間はかかるが、コストを抑えることができるというもの。

また、中国向けには、「フェデックス中国越境EC通関」。このソリューションでは多少準備が必要で、まず、売主からFedExに注文情報・貨物情報を渡し、それを広州の税関、CIQ(検疫局)に電子的に送る。商品はまとめて集荷し、通関後、ラストマイルの配送までFedExが請け負うというもの。

最大のメリットは、越境EC通関として一番安い税率で通過できるということだ。一部上限をはみ出し、税率の異なる一般通関貿易通関となったとしても、FedExのサービスでひとつの窓口で対応できるので効率的だ。

この他、フェデックスフルフィルメントサービス(越境ECセンター)の拡大も進めており、輸入から輸出、購入者の元に商品を届けるまでのすべての流れを、ひとつに任せることができるという。

FedExに越境EC物流を任せることで、越境EC物流に関する購入者・売主双方の課題をほぼすべて解決することが可能だ。特に、売主側のメリットは大きい。物流が安定することでブランド価値が向上し、業務の生産性が上がり、そして、世界のどこにでも商品を配送できるようになる。これが、FedExのサービスを利用することで叶うのだ。

セミナーまとめ

越境ECというと中国のイメージが強いが、東南アジア、欧米などさまざまな国・地域に可能性がある。特に東南アジアにはチャンスが多い。

ただし、越境ECでぶつかりがちな課題は、以前から共通している。それに対応するには、現地の事情を踏まえた方法が必要であり、そのために、現地の事情に精通したパートナーを見つけることが重要だ。

市場調査、マーケティングから物流まで、今回の登壇企業のように、専門の知見とサービスを持つ会社に、まずは相談してみるのが、最終的に早道になるのではないだろうか。

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住所:〒108-0075 東京都港区港南1-6-41 品川クリスタルスクエア 3F 会議室I

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