ホテルもサブスクの時代へ 家具・家電サブスク「クラス」と「TRASTA」の提携がもたらす新たな未来

ECのミカタ編集部

左:株式会社TRASTA 代表取締役 CEO 木地貴雄氏
右:株式会社クラス 代表取締役 久保裕丈氏

家具・インテリア・家電のサブスクリプションサービスCLAS(クラス)を運営する株式会社クラス(本社:東京都渋谷区/代表取締役社長:久保裕丈、以下「クラス」)と宿泊体験から旅行体験までをリデザインするためTravelTechを掲げるITベンチャーの株式会社TRASTA(本社:東京都渋谷区/代表取締役 CEO:木地 貴雄、以下「トラスタ」) は2019年4月8日、包括的業務提携に関する契約を締結した。

今回の提携により両社は、日本初となる「サブスクリプション家具の導入ホテル」を2019年4月下旬よりオープンし、2020年までに18軒へ拡大する予定となっている。

2020年までにSTAYホテル18店舗をオープン予定

家具のサブスクリプションサービス「CLAS(クラス)」とは、月々400円から家具・インテリア・家電の利用・交換が行なえるサブスクリプションサービスだ。

「初期コストが抑えられる(送料・保証金も基本0円)」「交換が容易」「上質な素材とデザイン」「長く使うほどお得(3年目には75%OFF)」が特徴で、理想の空間を常にアップデートしていくことができる。

また通常使用の範囲であれば、汚れたり傷ついてしまったアイテムを無料で交換可能だ。個人宅をはじめ、オフィスや飲食店などで幅広く活用でき、好みやスタイルに合わせて、より気軽で心地よい空間づくりを楽しめる(基本対象エリア:東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県 ※今後拡大予定)。

そして今回、サブスクリプション家具が導入される「STAYブランドホテル」とは、「文化のリデザイン」をコンセプトとしている。STAYが掲げる文化のリデザインとは、その土地に生きる人々、町並み、現在に至るまでの歴史に寄り沿いながら価値や文化を再定義し新しい文化・体験を創りだすことを示しているそうだ。

「STAY」ブランドのホテルは現状「STAY in the City」1軒、「STAY Vintage」1軒の計2軒があり、4月下旬にサブスクリプション家具を導入する「住亭」2軒がオープン予定となっている。

全ての施設において最寄駅から徒歩10分以内と、ビジネス・観光双方に便利な立地となり、国際空港や、観光スポットにも簡単にアクセスができ、2020年までにSTAYブランドホテル18店舗のオープンを予定する。

コストが4割減になると試算

コストが4割減になると試算サブスクリプション家具導入予定のSTAYブランドホテル「住亭 SHIJO KARASUMA」

またクラス社では、ホテルがサブスクリプション家具を導入する4つのメリットとして次のようにまとめている。

[1]
初期費用が大幅に抑えられる

[2]
メンテナンス費用が抑えられる(通常使用の範囲であれば、汚れや傷に対して無料で交換)

[3]
アップデートし続けられる(ホテルのイメージ変化に合わせて無料で交換)

[4]
発送・組み立て・設置・廃棄などの費用がかからない

トラスタ社では今回の提携によりFFEなどのコストが4割減になると試算しているという。その理由は、上記メリットで挙げた「メンテナンス費用が抑えられる」「発送・組み立て・設置・廃棄などの費用がかからない」に加え、クラスがオリジナル家具を自社で作製・提供しているため「D2C(Direct to Consumer)が基本で代理店手数料などがかからない」ことにある。

クラスは海外に自社工場を持ち、質が高くサスティナブルな家具(長期・複数回のメンテナンスが可能)を低コストで作製。自社のウェブサイト(CLAS)を通して直接顧客へサービスを届けている。

新たなサービスへ活用できる

前述の通り、対象のホテルではサブスクリプション家具を導入することで、FFE(家具・什器・備品)などのコストを約4割減らすことができ、両社では削減できたコストは客室単価の引き下げをはじめ、顧客のメリットとなる新たなサービスへ活用できるとしている。

またクラス社では、オフィスでの導入がすすむサブスクリプリョン家具だが、ホテルでも導入することで多数のメリットがあると述べている。クラスは今回の提携をはじめとして、ホテル業界でサブスクリプション家具・家電の活用を推進していく方針だ。

EC市場でもさまざまなサブスクモデルのサービスが登場している。それはいままでの所有の概念を含めた既存の常識や、ビジネスモデルに大きな変化をもたらしつつある。

今回の提携もサブスクを通したアライアンスや新たなモデルの創出に大きな可能性を示すものとも言え、ECを含めた既存のビジネスに新たな価値を吹き込むという文脈の上でも、今後もサブスクに各方面から熱い視線が注がれそうだ。

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