東京は物流において世界で5位・アジアでトップランク 「将来を見据えた物流市場の再編:アジア物流用不動産市場の現在と将来の概観」が公表される
コリアーズ・インターナショナル・ジャパン(日本本社:東京都千代田区内幸町)は「将来を見据えた物流市場の再編:アジア物流用不動産市場の現在と将来の概観」を発表した。同レポートでは、アジア地域で急速な発展を見せるEコマース市場の実態とそれに対応する物流システムの変化と将来像についてまとめられている。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。
世界で不動産サービスを展開
コリアーズ・インターナショナル・グループ(NASDAQ:CIGI, TSX:CIGI)は世界68カ国で不動産サービスを提供する業界トップクラスの不動産サービス会社だ。世界の主たるマーケットで、14,000人を超える経験豊富な専門家を擁し顧客企業へサービスを提供。
日本においては、コリアーズ・インターナショナル・ジャパン株式会社(日本本社: 東京都千代田区内幸町)にて、不動産投資仲介、鑑定およびアドバイザリー・サービス、テナント向けサービス、プロジェクト・マネジメント、オフィス・リーシングを中核事業として、法人向けの総合不動産サービスを展開している。
その同社は今回、「将来を見据えた物流市場の再編:アジア物流用不動産市場の現在と将来の概観」を公表した。
EC物流ではオンデマンド化や自動化が進む
同社はEコマースに関する消費者の期待、技術革新、急速な発展は、アジアの物流システムの様相を一変させ、従来の市場の役割は曖昧になっていると指摘する。さらに、物流スペースと人員に対する継続的需要が、最新の倉庫建設の手法を特徴付けているとしている。
◆レポートのポイント
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倉庫に関する重要な形態の変化の特徴として、ハイパーコネクトされた設備、十分な高度の確保、IoTに接続された新型フォークリフト、多層階構造、人口密集地域への近接度等が挙げられる。
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物流用不動産の取引においては、機関投資家が最も活発なグループである。機関投資家は規模や地理的多様性を希望し、その多くが新たな市場に高い関心を示す。
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既存市場では取引可能な資産が僅かであることから、同社は投資家に対し、中国の非1級都市やソウル近郊都市の新興物流市場の資産を検討することを提言する。
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Eコマース業者の物流セクターの今後の動向として、オンデマンド倉庫、サービスとしての自動化、倉庫に付属したコワーキングスペース等の普及が挙げられる。
東京は物流において世界で5位・アジアでトップランク
今回の調査に際してコリアーズ・ アジアリサーチ・ディレクターのStephanie Sun氏は次のように述べている。
「世界銀行の最新、2018年物流パフォーマンス指標によると東京は通関、インフラ、物流処理においてグレードが高く、世界で5位、アジアでトップにランクされている」
レポートの概要にもある通り、ECにおける物流面では、今後の動向としてオンデマンド倉庫、サービスとしての自動化、倉庫に付属したコワーキングスペース等の普及が挙げられるとしている。
また日本は、勢いを増すEC・越境EC市場を前に、中国などEC先進国からEC化の面で後れをとってきたと指摘されることが多いが、同社は東京の物流処理能力が高いことを指摘しており、今後、日本がその物流プラットフォームとしてのアドバンテージを活かすことで、世界のEC市場においてさらなる存在感を発揮することも可能となってきそうだ。