ワークマンのPB製品が店舗受け取り可能に。拠点を増やし、固定客化を狙う

ECのミカタ編集部

株式会社ワークマン(本社:群馬県伊勢崎市/代表:小濱英之)は2020年3月16日に「店舗在庫」による「店舗受け取り」通販の次世代Click & Collect型(オムニチャンネル)の新サイトをオープンする。構造的にネット通販専業に勝てる体制を築く。

ネットで勝負できる価値のあるPB製品を、店舗受け取りで販売

ワークマンが店舗受け取り通販を本格化する理由は、全売上の5割を占めるPB製品ラインが強化されたためだ。

アウトドアウェアと作業服共に、ネット大手に「定価」で負けないPBを揃えており、中でも作業服PBには10年間の供給保証も付けて、参入障壁を高めている。

そこで、ネット最大手の規模の経済による宅配コストの優位にも、宅配コストのかからない「店舗在庫の店舗受け取り」で対抗することとなった。
受け取り拠点の強化のため、都心や唯一の空白県である宮崎県にも出店する予定だ。

海外視点で見て、店舗受け取りに重点をおく

特にClick & Collect(店舗受け取り通販)に重点をシフトする背景としては4つ挙げられる。

1)全リアル店舗が好調で出店条件が緩和され、今後10年で更に400店の新規出店が可能
2)現状でもネット通販の顧客の67%が店舗受け取りを選択している
3)既にある全国の店舗網のメリットを活用すれば、ネット専業に配送コストでも対抗可能
4)世界的に一定の条件下でClick & Collectが優位になっている例が増えている
 
店舗在庫の店舗受け取りならば、配送コストと時間でネット通販大手に負けないという自負がある。
特に自社宅配化を進めるAmazonに対して、宅急便利用の直送では勝ち目がないと踏んだ。

また、国土が狭く店舗の多い英国でBootsやMarks & Spencerは店舗受け取り比率が7割以上となっている。
店舗密度が高くリアル店舗が強い香港では、ネット販売自体が未発展であることもきっかけのひとつだ。

ネットで購入した顧客の固定客化を狙った店舗受け取り

今回、多額な投資を行って開発したネット通販の新システムの特徴と狙いは、顧客に需要があることと、固定客化させることだ。

店舗受け取りで来店した顧客は高い確率で固定客化する。
店舗受け取り以外で、自発的に来店プロ客の9割が月1回、一般客の7割が年2~4回購入する固定客になっているという現状から推察されている。

また、ネット販売の注文の約7割は店舗に在庫があるため、最短3時間で店舗受け取りが可能。
店舗在庫がない製品は、本部から店舗へ毎日行くチャーター便に追加コストなしで載せることができる。

受け取り店舗のない地域へは直送になるものの、最短では「当日配送」が可能となり、受け取り店舗での試着とサイズ変更も可能。

さらに人気製品は、新サイトで先行予約が可能になる。
店舗在庫を顧客に公開するため、急ぎの場合は直接店舗に行って購入できるなど、選択肢が増えるのも魅力だ。
同時に加盟店への人気製品在庫の電話問合せが減少して、加盟店の負担を軽減できるメリットもある。

新サイトには作業服用としてブラザーの刺繍機と連動した「ネーム入れ」機能があり、顧客が入力した文字を使って名入れができる。
企業・団体・サークルなどで使うユニフォーム・チームウェア用のTシャツ・ポロシャツ・ジャンパーへのロゴ刺繍もサイト上から申し込みが可能だ。

2月末で楽天を撤退。自社販売を強化

店舗受け取り強化にあたり、2月末でワークマンのネット通販の2割を占めてきた楽天経由での販売を停止する。

楽天は集客力とネットサイト運営のノウハウがあり、ワークマンのネット販売を支えてきた。
今後はClick & Collectにシフトするため、楽天からの撤退を決断。
楽天経由の販売の9割以上が自社PB製品であったことを、踏まえると、大半の顧客はワークマンの新ネット販売サイトに移ることが見込まれている。

Click & Collect新サイトでの初年度の売上目標は30億円。
内、8割以上が店舗受け取りとなり、フランチャイズ加盟店の売上となっていく。
ネット販売は従来通りのペースで今後も毎年売上を倍増していく予定だ。


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