進むEC購入・配送での「置き配」利用 その認知度は85.6%に

ECのミカタ編集部

MMDLabo株式会社(東京都港区、代表取締役:吉本浩司)が運営するMMD研究所は、2021年1月6日~1月15日の期間で「ECサイトの配送に関する調査」を実施した。予備調査では全国の18~69歳男女4,373人、同調査では置き配利用経験者336人を対象に聴取している。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。

調査概要

[調査名称]
ECサイトの配送に関する調査

[調査・配信元]
MMD研究所

[調査期間]
2021年1月6日~1月15日

[有効回答]
予備調査4,373人、本調査336人

[調査方法]
インターネット調査

[調査対象]
予備調査:18歳~69歳の男女
本調査:置き配利用経験者

置き配の認知度は85.6%

置き配の認知度は85.6%

18~69歳の男女4,373人を対象に、ECサイト(フリマアプリを含む。以下ECサイト)で注文した荷物の受け取り方法としての「置き配」の認知について聞いたこところ、「知っている」、「名前だけ聞いたことがある」を合わせた認知は85.6%、「知らない」は14.4%となった。

年代別で見ると、認知は50代( n=876) が最多で90.4% 、次いで60代( n=890)が89.8% 、40代(n=1,000)が85.4%となった。「知らない」は10~20代(n=821) が最多で21.2%、次いで30代(n=786)が17.3%、40代(n=1,000)が14.6%となった。

「自宅での対面受け取り」が最多で85.4%

「自宅での対面受け取り」が最多で85.4%

次に、ECサイト利用経験者3,812人に、利用したことがある荷物の受け取り方法を聞いたこところ(複数回答可)、「自宅での対面受け取り」が最多で85.4%、次いで「置き配(玄関や自転車かごの中)」が30.8%、「コンビニなど店舗での受け取り」が28.7%となった。

続いて、ECサイトの配送について最も重視することを聞いたところ、「送料無料」が最多で45.7%、次いで「日時指定できること」が14.3%、「安心でき、安全性が高いこと」が13.1%となった。

「自宅で対面受取」のうち再配達になるのは86.7%

「自宅で対面受取」のうち再配達になるのは86.7%

ECサイトでの荷物の受け取り方法で、自宅での対面受け取り経験者3,256人を対象に、再配達になる頻度を聞いたところ、「ほぼ毎回再配達になる」は5.7%、「半分ほど再配達になる」は14.5%、「再配達にたまになる」は66.5%となり、再配達になると回答した人は合わせて86.7%となった。「再配達になることはない」は12.0%であることがわかった。

次に、再配達にならないために対策していることはあるか聞いたところ(複数回答可) 、「日時指定する」が最多で68.6%、次いで「家族に受け取ってもらう」が41.5%、「事業者が提供するコミュニケーションツールを利用して受け取り方法や日時を変更する」が33.7%となった。

置き配利用者が利用するECサイト上位は「Amazon・楽天・Yahoo!」

置き配利用者が利用するECサイト上位は「Amazon・楽天・Yahoo!」

置き配利用経験者336人に、置き配を利用したことがあるECサイトを聞いたところ(複数回答可)、「Amazon」が最多で86.9%、次いで「楽天市場」が35.4%、「Yahoo!ショッピング」が19.6%となった。

また置き配利用経験者336人のうち、一戸建て居住者192人に指定したことのある置き配の場所を聞いたところ(複数回答可) 、「玄関前」が最多で87.5%、次いで「自転車かご」が10.9%、「物置」が10.4%となった。

さらにマンション・アパート居住者141人に、指定したことのある置き配の場所を聞いたところ(複数回答可) 、「玄関前」が最多で77.3%、次いで「ガスメーターボックス」が19.9%、「建物内受付・管理人預け」が14.9%となった。

置き配に感じるメリットは?

置き配に感じるメリットは?

置き配利用経験者336人を対象に、置き配について感じるメリットを聞いたところ(複数回答可)、「再配達を防げる」が最多で75.6%、次いで「時間に縛られずに済む」が62.8%、「印鑑・サインが不要になる」が52.7%となった。

次に、置き配について感じるデメリットを聞いたところ(複数回答可)、「盗難・破損の心配がある」が最多で68.2%、次いで「荷物の水濡れ・汚れ」が35.1%、「不在にしていることを知られること」が31.0%となった。

また置き配利用経験者336人を対象に、置き配の満足度を聞いたところ、「満足」、「やや満足」を合わせて71.8%が満足していると回答した。「不満」、「やや不満」は合わせて6.6%となり、不満は1割に満たなかった。

さらに、今後さらに置き配が普及してほしいか聞いたところ、「とてもそう思う」、「ややそう思う」を合わせて普及に肯定的なのは85.4%となり、「全くそう思わない」、「あまりそう思わない」を合わせて普及に否定的なのは14.6%となった。

まとめ

調査結果にあるように、置き配の認知は85.6%、内容理解は約6割、利用経験者は30.8%で、「知らない」は10~20代が最多で21.2%だった。また 自宅での対面受け取りをする人のうち、再配達になるのは86.7%で再配達防止の対策は「日時指定する」が68.6%で最多、「とくに対策していない」は約1割だった。

置き配利用者が利用するECサイト、上位は「Amazon」「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」で、置き配の指定場所、一戸建て居住者、マンション・アパート居住者ともにトップは「玄関前」で7割以上となった。次点で、一戸建て居住者は「自転車かご」、マンション・アパート居住者は「ガスメーターボックス」だった。

さらに置き配に感じるメリット、「再配達を防げる」「時間に縛られずに済む」「印鑑・サインが不要になる」となり、デメリットは「盗難・破損の心配がある」「荷物の水濡れ・汚れ」「不在にしていることを知られること」だった。置き配は71.8%が満足、さらなる普及への意向は85.4%となった。

ECのラストワンマイルを支える生命線とも言える宅配の再配達問題がクローズアップされて久しいが、調査に見るように、その解決へ向けた切り札ともいえる「置配」については、一般の消費者への浸透が進んでいる様子が分かった。今後利用者におけるさらなる利便性の向上や、デメリットに感じられている点の払しょくを通して、配送の在り方としての定着が進むことになりそうだ。

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