「物流クライシス」の構造的要因をデジタルの力で解決 ascend社が5,500万円の資金調達を実施

ECのミカタ編集部

物流業界のDXを目指すascend(アセンド)株式会社(東京都新宿区、代表取締役 日下瑞貴)は、さらなる事業拡大に向け、株式会社サムライインキュベート(東京都港区、代表取締役 榊原健太郎)が運営する「Samurai Incubate Fund 6号投資事業有限責任組合」を引受先とした第三者割当増資及び金融機関からの融資による資金調達を実施したことを公表した。

DXの遅れによる生産性の伸び悩みを打ち破る

同社によれば、今回の資金調達は開発する運送管理SaaS「アセンド・ロジ」の製品版ローンチ及びセールス拡大に向け実施されたという。「アセンド・ロジ」は、昨今叫ばれている「物流クライシス」の構造的要因となっている、デジタル化の遅れに伴う生産性の低さ、サービスのコモディティ化に伴う荷主交渉力の低下といった問題を、DXにより解決するものとなっている。

データを軸とした物流DXの推進にフォーカス

データを軸とした物流DXの推進にフォーカス

アセンド・ロジでは業務のデジタル化を通じて物流データを形成し、これを以て経営の高度化を支援する。従来のソリューションが業務改善領域にフォーカスを当てるのに対して、アセンド・ロジはデータを軸とした物流DXの推進に最大の特徴がある。

また、データが欠如している物流現場の実態に即して、専門性の高いコンサルタントが現場に入り込むことで、各社の実態に合わせたDXを推進。最終的には、ヒアリングによる定性情報も含め、実際の収益改善まで踏み込んだ分析を提供する。

物流業界の危機を変革のチャンスに変える

物流業界の危機を変革のチャンスに変える左から八大 岩田亨也氏、同社CPO森居康晃氏、CEO日下瑞貴氏、エンジニア増谷侑一氏、 サムライインキュベート齋藤武仁氏

各キーパーソンからは次のようなコメントが出されている。

株式会社サムライインキュベート Capitalist Investment Group 齋藤武仁氏

「全体の99%を占めると言われる中小の配送会社は、未だアナログな業務コストが大きく、最適化されたツールはまだ目立って存在していないのが現状です。ascend社はシンクタンク出身かつ物流業界に知見が深い日下さん始め、クレバーでありながら、泥臭く現場に入り込むことができる非常に優秀なチームであり、皆さんなら日本経済における血管とも言える物流業界を変えることができると強く確信し、この度ご出資させていただく意思決定をいたしました。ascend社が文字通り、圧倒的なスピードで前進していけるよう、弊社チーム一丸となって価値提供し、全力で伴走支援をしてまいります」

八大株式会社 代表取締役社長 岩田亨也氏

「弊社は物流DXを推進するためascend社と提携しています。アセンド・ロジは、運送業の実務に寄り添いながら、高度なデータ分析を可能にする他に類を見ないソリューションです。アセンド・ロジが物流業界を革新していく可能性に、大いに期待しています」

ascend代表取締役社長 日下瑞貴氏

「日本の物流業界は危機的な状況にあります。5年後には運賃の大幅な値上げあるいはサービスレベルの低下が目前に迫っている状況にあります。しかし、これは裏を返せば、大きな変革のチャンスに溢れていると捉えることもできます。我々は物流業界の産業変革を目指し、事業を営んでいます。素晴らしい仲間とここまで来られたこと、熱意溢れるキャピタリストとの関係とさらにチャレンジするための資金を手に入れたられたことに、感謝いたします。本資金調達を契機に、一層ascend(成長)して参ります」

業務改善とデータ分析の二つの領域でDXを推進し、業務の効率・品質を改善及びデータ分析によって物流業界の経営改善に貢献する「アセンド・ロジ」。今回の資金調達を通して、ECの生命線である物流の変革へ向けて、その挑戦が加速することになりそうだ。

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