一元管理とは?ネットショップや通販事業で一元管理をするメリット・デメリット
一元管理(いちげんかんり)の意味とは
一元管理とはデータや情報を一箇所にまとめ、管理方法を統一することをいいます。
一般的には、ヒト・モノ・金・情報という4つの経営資源が一元管理の対象です。これらの経営資源を一箇所でまとめ同じ方法で管理することで、情報収集や意思決定などのコスト削減が可能です。今ある資源を把握しやすくなるため、資源の重複削減にもつながります。
ネットショップなどにおける一元管理は、複数運営しているショップの受注・在庫・商品管理などの情報をまとめて管理することをいいます。運営するショップをすべて同じ管理画面で管理・処理できれば、バックヤードの作業を減らせるため、簡略化やミス防止に効果的です。
一元管理の反対語・類語は?
一元管理と似た言葉として「一括管理」「集中管理」が挙げられますが、持つ意味は異なります。これらはデータや情報だけでなく管理者についても影響が及ぶものです。詳しい意味は後述します。
また、関連用語として「同期」も挙げられます。こちらは異なる端末同士でフォルダなどを共有し、データや情報を管理しやすくすることです。
一元管理と一括管理の違いは?
一括管理は、管理する側のポジションも一箇所にまとめられるものです。すなわち、個々の部署・担当者が管理していたものを、一箇所に集約して管理することをいいます。権力を一箇所にまとめることで、運営組織内において管理しやすい状態にするものです。
それに対して一元管理は、データや情報をまとめる場所から管理の方法までは統一的であるものの、管理者側のポジションまで一箇所にまとめられるとは限りません。あくまでも情報やデータを効率的に使用できる状態を指します。
企業が一元管理を行う理由
企業が一元管理を行う理由は、経営資源を一箇所で管理することで迅速かつ効率的な業務が可能になるからです。データや情報を適切に使用することができれば無駄が減り、生産性を上げることができます。
ECサイトも同様であり、一元管理をすることでバックオフィスなどデータや情報の利用・管理業務に割く時間を減らせます。これにより売上に直接関係する業務や商品開発に使える時間が増えるのです。
ECサイトにおける一元管理システム導入のメリット
工数を削減できる
複数のネットショップをひとつの画面で管理できれば、工数の削減が可能です。
ショップごとに画面を切り替えるというのは手間でなり、トータルで見るとかなりの時間を無駄にすることになります。一元管理をおこなえばネットショップの管理画面切り替えという手間がなくなり、工数削減につながります。
在庫管理が容易になる
複数のネットショップを一括で管理できれば、全体の在庫管理が容易です。
品切れを防ぎやすくなるため売上チャンスを逃すことが減ります。在庫管理のために複数ショップの管理画面からそれぞれの注文状況をチェック・在庫を把握するという必要がありません。
ECサイト関係者全体で情報共有ができる
ECサイトによって管理者や担当者が違う場合でも、複数ショップを一元管理をしていれば、関係者がすべてのショップ情報を把握できます。
別ショップの関係者同士であっても同じ情報を共有できるため、コミュニケーションがスムーズになります。配置異動や重要情報の連絡なども容易です。
ECサイトにおける一元管理システム導入のデメリット
導入コストがかかる
一元管理を適用するためにはシステムやサービスを導入する必要がありますが、そのときにコストが発生します。
費用的なものだけでなく、導入や慣れるまでに要する時間などもコストのひとつです。タイミングを見て導入しないと、大きな負担となる恐れがあります。
セキュリティ意識を高める必要がある
一元管理によって、担当サイト以外のデータや情報も見れるようになります。そのため、セキュリティに対する意識を高めることが必要です。
情報漏えいは人的ミスによるものがほとんどです。データや情報を容易に管理できるようになるからこそ、ひとりひとりが意識を高めなければなりません。
システムが複雑になる可能性も
データや情報を管理しやすくするために導入するシステムですが、場合によってはより複雑になることもあります。
慣れない機能やこれまでとまったく違った操作性により、複雑になってしまう可能性がゼロではありません。本当に効率化できるかを今一度検討するべきでしょう。
【比較用】ECサイトの一元管理システム7選
NEXT ENGINE(ネクストエンジン)
ネクストエンジンはネットショップ運営業者がオーナーのため、ネットショップに関するさまざまなサポートや提案をしてくれます。ネットショップ運営にあたって疑問や不安が多い人におすすめです。
一元管理システムの中でもネクストエンジンを導入する店舗は多く、総合的なコストパフォーマンスがよい点や、規模が大きくなってきた際にはカスタマイズも可能な点などがあります。
また、運営会社自身が現役で「Hamee」というECサイトを運営しているからこそのノウハウが詰め込まれている点も、ネクストエンジンの特徴といえるでしょう。
カスタマイズ性が豊富でありながら初期費用無料・月額費用10,000円~と安く利用できるため、はじめてECサイトを構築するショップや、将来的に独自のカスタマイズを検討したい人や企業など幅広くおすすめできるシステムです。
CROSS MALL(クロスモール)
CROSS MALLは複数のネットショップを連動させる一元管理によってネットショップ運営を最適化できます。
複数のモールでの多店舗展開をする際に、必ず必要となる、仕入れ・在庫・受注・商品登録作業などを一括で管理できるため、多店舗運営を効率化できます。
売上規模の小さな店舗から、楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazonなど多店舗展開している大規模な店舗までさまざまな店舗での導入実績があり、ネクストエンジンと並んで人気の一元管理システムです。
とくに各モールごとに商品登録の方法が違うため、CROSS MALLを使って複数店舗の商品情報を登録したり、商品情報の編集ができる点はぜひ活用したい点です。
それぞれのネットショップにおける分析がしやすいため、顧客ニーズの把握や商品開発を容易におこなえます。初期費用は無料・月額費用は5,000円~です。
助ネコ
助ネコは初期設定が最短10分で完了と、利用するまでの手続きがスムーズです。注文ごとに情報をまとめたサポート機能があるため、迅速な対応ができます。
ポップなネコのキャラクターが与える印象通り、誰でも直感的に操作ができるため、とくにECサイトをはじめて運営するユーザーに人気のシステムです。
また、顧客との関係性構築や細かな接客機能などもあり、ひとりひとりの顧客に丁寧な対応をしたい人にはおすすめといえるでしょう。
初期費用無料・月額費用2,000円~とかなり低価格です。初期段階では連携機能がついていませんが、追加費用なしで利用できます。
GoQSystem
GoQSystemはSSL(情報の暗号化)を採用しており、セキュリティ性が高いため安心して利用できます。操作性もシンプルなため不慣れな人であっても手軽に操作可能です。
楽天RMSと似た管理画面になっており、既に楽天市場に出店している際には非常に親しみやすい操作性だといえるでしょう。
業務の効率を上げる自動化システムも搭載されています。初期費用30,000円~・月額費用15,000円~とやや高額なため、本格的なネットショップに向いたシステムです。
TEMPOSTAR
TEMPOSTARは独自のカスタマイズにも対応可能なため、特殊な機能を搭載することができます。
幅広いモールやカートに対応しているため、ネットショップ運営において非常に便利です。初期費用は無料・月額費用は10,000円~です。
通販番長
通販番長はネットショップだけでなくコールセンターの一元管理も可能なため、問い合わせ対応がしやすくなります。
定期購入通販専用の機能もついており、幅広い形態のネットショップ運営が可能になります。初期費用が100,000円・月額費用が50,000円~と高額なため、ある程度規模の大きいネットショップにおすすめです。
楽楽バックオフィス
楽楽バックオフィスはバックオフィス業務の自動化・効率化に便利なシステムです。操作性も簡単なため、誰でも利用できます。
主要モールに対応しているため一般的なネットショップ運営には困らないでしょう。初期費用100,000円・月額費用10,000円~と、すでに実績のあるネットショップに向いています。
まとめ
複数のネットショップを運営しているのであれば、在庫管理や工数削減のためにも一元管理システムが便利です。それぞれの管理画面を移動することなく一括して作業ができるため、バックオフィスに要する時間を減らせます。
ただし導入コストやセキュリティ面の問題など、考えるべき点もあります。便利なシステムではありますが、安易に利用せずに関係者の間でしっかりと検討することが大切です。
効率的なネットショップ運営のためには、便利なシステムを上手く活用する必要があります。一元管理システムはその一例です。自社に合ったシステムを利用して、ネットショップ運営をより良いものにしましょう。