ビックカメラが「30分配送」を全34店に拡大

購入額5,000円以上で配送無料

ビックカメラが店舗で購入した商品を最短30分で購入者宅などに届けるサービスを全34店に広げる。開始は10月下旬からだ。

同店は今年の6月から都内にある店舗での購入者を対象に、「30分配送」を始めていた。最初は東京港区の赤坂見附駅店と豊島区の池袋西口店から始めて、渋谷区の2店舗に拡大。いわば試行していたわけだが、今後は岡山県や鹿児島県など地方の店舗でも始める。

配送地域は店舗からおおむね半径2km以内。受け付けから最短30分で届ける。
配送料は荷物の重さ10キログラム以下で税別600円。税抜き5,000円以上のものは無料。小型の薄型テレビ、パソコン、炊飯器、印刷用紙などの消耗品、食品や酒類などが対象となり、洗濯機や冷蔵庫など大型の白物家電は対象外。宅配業者に委託して専用便として届ける。
配送先には、自宅だけでなく、訪日客などが宿泊先のホテルを指定することもできる。

都市中心の店舗展開で好調なビックカメラ

ビックカメラの業績は好調だ。高額消費を追い風に業績を拡大している。
2014年8月期の連結純利益は、前の期の4倍の98億円で過去最高となった。都心中心の店舗網で、夏のボーナスを受け取ったサラリーマンや訪日客を対象に、高価格の家電の販売につなげた。iPhone6や4Kテレビ、ハイレゾ対応のオーディオ機器などが売れ筋商品だ。

訪日外国人客の増加もプラスに働いた。高級カメラや腕時計が特に人気で、売上高に占める免税品の割合は、前の期に比べて2倍を超えたという。

消費増税後の個人消費は地方ではふるわないが、都市部の小売店では堅調に動いている。そのため都市型の大型店舗を主力とするビックカメラには有利な状況となっている。この点、郊外型店舗が多いヤマダ電機やエディオンとは明暗が分かれた。

今回の「30分配送」は買い物客が商品をすぐに使えるように利便性を高めることでネット通販に対抗するのが狙いだが、さらなるビックカメラの業績アップにつながっていくだろう。