UGCとは?注目される背景や取り入れるメリット、活用する際に気をつけること

ECのミカタ編集部

消費者によって作成されたコンテンツ全般を指す「UGC」。UGCで話題を集める商品が売上に影響を及ぼす事例も少なくないため、「活用する上でのメリットが知りたい」「注意すべき点を把握しておきたい」と考える担当者もいるのではないだろうか。

今回は、UGCの概念やマーケティングにおいて注目される背景、UGCを取り入れるメリットなどを解説する。活用する場合に注意すべきポイントも紹介するので、UGCを取り入れる際の参考にしてほしい。

目次

●UGCとは?
●UGCがマーケティングにおいて注目される背景
●マーケティングにUGCを取り入れるメリット
●UGCを活用する際に気をつけること
●まとめ

UGCとは?

まずは、UGCの意味や、UGCと混同しやすいCGMについて見ていこう。

UGCの意味


UGC(User Generated Contents)とは、一般の消費者の手によって制作・生成されたコンテンツの総称である。SNSに投稿された写真や動画、個人ブログなどのほか、口コミサイトやECサイトのレビューなどが、GCUに該当する。近年では、誰もが簡単にコンテンツを作成・配信できるようになり、UGCの存在感は日増しに大きくなっている。

CGMとの違い


UGCと同じような意味合いを持つ言葉として「CGM」がある。UGCが消費者のコメントやレビューなどの情報そのものであるのに対し、CGMは「情報が飛び交うメディア自体」のことで、具体的には、クックパッドやYahoo!知恵袋などのサイトが該当する。


UGCがマーケティングにおいて注目される背景

商品やサービスの評価に繋がるUGCは、マーケティングにおいても注目を集めている。その理由を詳しく見ていこう。

SNSの普及


UGCが注目される背景として、TwitterやInstagramといったSNSの普及が挙げられる。SNSには、消費者が日常で使っている商品やサービスの感想が多く投稿されており、リアルな意見も寄せられている。

上記のような特徴を持つSNSは、企業側からすれば、消費者ニーズを調査したり評判を把握したりする場として大いに役立つだろう。商品開発や改善点の模索にもつなげられるはずだ。

広告への嫌悪感


Webサイトやアプリ、CMなどの広告情報に「煩わしい」「怪しい」と嫌悪感を感じる消費者も少なくない。このような状況のなかで、信頼できるデジタル上の情報としてUGCに価値を見出している人も多い。UGCは商品を提供する企業と利害関係のない一般の消費者の「リアルな評価」を反映したコンテンツとなるため、より信頼を得やすいとも言えるのだ。

購買プロセスの変化


UGCそのものの価値が向上していることで、購買プロセスにも変化が起きている。具体的には、消費者がモノを購入する場合に、「SNSで評判を調べてから商品を購入する」といったプロセスが主流となりつつある。新型コロナウイルス感染症の流行によって、その流れは加速しており、極力外出を控えるために、情報をSNSで把握してから商品を購入するケースが増加している。


マーケティングにUGCを取り入れるメリット

SNSや口コミサイトなど、世の中には消費者発信のUGCが溢れている。このような情報をマーケティングに取り入れるメリットについて詳しく確認しておこう。

購入意欲の後押し


UGCは、客観的な評価として説得力があるため、消費者の購入意欲を更に高めることが可能だ。UGCには、商品やサービスの内容をイメージしやすく、親近感を得られるといった特徴もあるため、上手く活用できるとよいだろう。

クリエイティブ量の確保


UGCを広告物として活用することで、クリエイティブ製作にかかる時間やコストのスリム化を実現できる。近年では、マーケティング施策の多様化によって、コンテンツの量や種類の担保が重要な課題となっている。消費者目線のUGCを大量に獲得し活用することで、公式アカウントの投稿頻度も増やせるのではないだろうか。

商品開発や施策改善のヒント


UGCによって得られた情報は、商品開発やマーケティング施策の改善につながるヒントとして大切な資産となるだろう。UGCは消費者のリアルな声であるからこそ、「何に価値を感じているのか」「実際にどのように商品を利用しているのか」といった消費者心理や行動を把握しやすい。近年では、商品開発の段階から、流入・購入後の体験に至るまで、UGCを活用しビジネスとして構築している企業も増加している。


UGCを活用する際に気をつけること

UGCの活用はマーケティングにおいて大きなメリットがある一方で、注意が必要なケースも多い。UGCの利用を検討するに当たり、どのような点に気をつけるべきか確認しておこう。

著作権侵害への対応


UGCを企業のマーケティングに活用する場合は、原則として、投稿した消費者からの利用許諾を取得する必要がある。無断で商用に使用すると著作権違反につながるため注意が必要だ。ただし、事前に二次活用の許諾を得ているモニターやインフルエンサー施策などの場合は、必ずしも許諾を得る必要はない。

ステルスマーケティングの対策


企業がインフルエンサーやモニターにUGCの投稿を依頼するケースもあるだろう。このとき、当該の投稿に企業との関係性を明示しない行為は「ステルスマーケティング」にあたる。

ステルスマーケティングは、消費者を騙す行為として捉えられる。企業だけでなくインフルエンサーやモニターへの信頼損失にもつながりかねないため、しっかり明示してもらうことが重要だ。

このほか、企業からインフルエンサーやモニターへの「押し付けたような言葉」や「作りもの言葉」など、消費者にとってリアルを感じられない場合にはUGCとしての価値がないことも理解しておこう。インフルエンサーやモニターを起用する際は、その人自身の言葉で語ってもらうことが大切だ。

薬機法への注意


UGCが消費者からの自然な投稿であったとしても、企業が広告として活用した場合は企業の表現物とみなされ、薬機法の対象となる。

UGCを利用する場合には、薬機法に触れないか十分確認しておくことが重要だろう。Instagramの投稿をUGCとして活用している企業のなかには、対策としてコメント部分を非表示にし、写真や動画のビジュアルコンテンツのみを利用しているケースもあり、参考にするとよいだろう。


まとめ

消費者の手によって制作や生成されたコンテンツの総称である「UGC」。インターネットの普及や新型コロナウイルス感染症の流行によって、UGCは信頼できる情報源としてますます存在価値が大きくなると言えるだろう。UGCを大切な資産と捉え、うまくマーケティングに取り入れていってもらいたい。


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