物販系中小メーカーの6割が卸販売でECを利用、うち半数が「売上増加」を実感

ECのミカタ編集部

株式会社ラクーンコマース(本社:東京都中央区、代表取締役社長:和久井岳)が運営する卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」は、食品や衣服、日用品などの物販系中小メーカー勤務者514名を対象に、コロナ下におけるEC活用・DX推進に関する実態調査を実施。その結果を公表した。

物販系卸販売でのEC利用率は57%

「自社製品の卸販売でECを利用したことがあるか」尋ねたところ、現在「利用している」と回答したのは57%であった。

利用割合が多い商材は、「家具(利用している:89%)」「什器・資材(利用している:63%)」「衣服・繊維製品(利用している:62%)」の順となっている。

また、EC利用企業のうち32%が利用拡大に意欲的な回答をしている。特に「日用品・生活雑貨」を扱う事業者の44%が「今後はもっと利用を拡大したい」と答えており、他の商材よりも高い傾向となった。

44%がコロナ禍でEC活用を強化、「強化予定」も含めると7割超え

EC利用企業を対象に「コロナ禍で卸販売のEC利用を強化したか」聞いた結果、「EC活用を強化している/強化した」と回答した事業者の割合は44%となった。「強化する予定」も含めると7割にのぼっており、新型コロナウイルスによる社会的影響がEC活用の強化につながっていることがうかがえる。

EC利用の成果は「売上が増えた」がトップで50%

続いて、卸販売におけるEC利用の成果を尋ねたところ、「売上が増えた」が50%を占めてトップとなり、次いで「新規取引先が増えた(29%)」「業務が効率化した(21%)」などが挙がった。ただし、「特に成果を感じていない」と回答した事業者も10%存在する。

EC利用の課題は「EC・ITに精通した社内人材の不足」

一方、卸販売におけるEC利用で感じる課題を聞くと、38%が「EC・IT(デジタル)に精通した社内人材の不足」を挙げた。続いて、「新規顧客の集客がうまくできない(29%)」「手数料や開発費など運用コストが高い(22%)」「他の販売方法も併用しており顧客管理が煩雑(20%)」なども高い回答割合を占めている。

自社サイトを運用している事業者より、モール型のサイトに出品・出店している方のほうがEC人材の不足を課題と感じている割合がやや高く、人材を確保する前に気軽に始められる手段として、モール型サイトを選択している可能性が考えられる。

海外への卸販売に取り組んでいるのは49%

さらに、「現在、海外への卸販売に取り組んでいるか」尋ねた結果、「商社・代理店経由で輸出している」との回答が23%、次いで「国内の展示会に出展している(19%)」「海外現地での展示会に出展している(14%)」となった。

この設問で最も多かった回答は「特に取り組んでいない(51%)」で、やはり中小メーカーにとって海外卸販売はハードルが高いことがうかがえる。また、「越境ECを利用している」と回答した事業者はわずか5%で、オンラインでの取り組みが浸透していない実態が明らかとなった。

コロナ禍で取り組み始めたデジタル施策は「ウェブ商談」

「コロナ禍で新たに取り組み始めたデジタル施策」について聞くと、多い順に「ウェブ商談(43%)」「SNS運用(23%)」「展示会のオンライン化(21%)」という結果となった。

「特にない(取り組みをしていない)」と回答した事業者は31%で、残り7割は何かしらデジタル施策に取り組んでいることがわかった。

国内向けと海外向けでは取り組みに差も

本調査結果から、物販系の中小メーカーにおいても、コロナ禍でEC活用をはじめとしたデジタル施策が推進され、非接触型の商習慣が進んでいることが明らかになった。また、卸販売でECを活用する物販系中小メーカーのうち半数が売上増加につながっていると感じていることから、卸販売におけるEC利用は今後も拡大すると予想される。

一方、海外への卸販売の手段として越境ECを活用している企業は1割未満で、国内における卸販売の実態とは大きく異なる結果となった。卸販売における越境ECの普及にあたっては、ノウハウの獲得や仕組みの整備、人材の確保などさまざまなハードルがありそうだ。

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