RPAとは?意味や代替できる業務、導入のメリットを紹介

ECのミカタ編集部

ロボットが作業を自動化するツールである「RPA」。EC運営ではノンコア業務に多くのリソースが割かれたり1人で複数の業務に対応することも多いことから、「RPAを導入できる業務を把握したい」「RPAによって得られるメリットを知りたい」と考える担当者もいるのではないだろうか。

今回は、RPAの意味や他ツールとの違い、EC運営において代替可能な業務、導入するメリットなどを紹介する。RPAツールを選ぶ際のポイントも紹介しているので、自社の導入検討の材料としてほしい。

目次

●RPAとは
●RPAで代替できる業務
●RPAを導入するメリット
●RPAツールを選ぶ際のポイント
●まとめ


RPAとは

RPAとは、「ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)」の頭文字をとった略語で、ロボットが作業を自動化するシステムツールのこと。RPAの導入により、これまで社員が手作業で行っていた定型的・反復的な業務を、パソコン上で自動で行うことが可能となる。まずは、他ツールとの違いや、RPAを導入する企業が増えている背景をおさえよう。

「マクロ」「iPaaS」「AI」との違い


業務を自動化するツールには、データの集計などを自動化する表計算ソフトExcelの「マクロ(VBA)」や、APIで複数のシステムを連携させてデータの統合を行う「iPaaS」などがある。両者のRPAとの違いは、マクロはアプリケーション内の操作のみ、iPaaSはAPIが公開されているシステムのみに対応しているのに対し、RPAはパソコン上の操作全てを自動化できることだ。

また、「AI」は大量に蓄積されたデータを分析して高度な判断を行うシステムのこと。人間に代わって予測や提案を行うことが可能だが、学習までに膨大な量のデータが必要で、迅速な実行は難しい。シンプルな業務を自動化するRPAとは、利用する目的が異なると言えるだろう。

RPAを導入する企業が増えている背景


RPAの普及が進む背景には、「人手不足」が挙げられる。労働力人口の減少により就職・転職市場では人材確保の競争率が高い「売り手市場」の状態が続いており、必要な人材を確保できずに頭を抱えている企業も多い。一方で、EC市場は年々拡大の傾向にあり、従業員の作業量や負担の増加、競争率の激化などが課題となっている。これらの課題を解消する手段として、RPAツール導入を検討している企業が増加していると考えられる。


RPAで代替できる業務

RPAは「手順が決まっている定型作業」や「データ収集」などの自動化に長けており、さまざまな業務で導入することが可能だ。ここでは、RPAで代替できるEC業務を、職務ごとに紹介する。

営業、マーケティング


●顧客リスト作成
●メルマガ配信
●SNS投稿
●資料の素材収集
●アタックリスト抽出
●営業報告書作成
●競合リサーチ
●広告運用レポート作成
●アクセス解析
●顧客反応分析
●問い合わせメール分析

経理、財務


●売上レポート作成
●受発注管理
●出荷管理
●見積書・請求書発行
●入金管理
●交通費精算
●与信審査

総務、法務


●備品管理表作成
●口コミ収集・リスト化
●無断転載チェック

その他


●アカウント発行
●CSVファイルの一括登録
●受け取り拒否対応


RPAを導入するメリット

RPAを導入することによって得られるメリットを紹介する。

業務の効率化


RPA導入のメリットは、ロボットが作業を自動化することによって、ヒューマンエラーを防ぎつつ業務を大幅に効率化できることだ。例として、「複数モールにおける商品情報を一括登録・更新する」「管理システムと倉庫管理システム間の情報連携」などを、最低限のステップで行うことが可能になる。現時点で最も効率のよい方法で作業が行われるため、人による作業量や質のばらつきもなくなり、生産性の向上が期待できるだろう。

コストの抑制


RPAには、作業を簡易化することでコストを抑制できるというメリットもある。新たに人材を採用しなくとも膨大な業務量に対応できるので、人件費の他、広告費や採用費、研修費などを削減することが可能だ。自社の業務状況や予算に応じて、比較的低コストで導入できる手軽さも魅力だと言える。

コア業務への注力


ノンコア業務をRPAに任せることで、従業員がコア業務に注力する時間と環境をつくることもできる。マーケティングや商品開発、販促企画など、「人にしか行えない業務」にリソースを割くことで、自社のブランディング化や競争力の向上につながるだろう。


RPAツールを選ぶ際のポイント

RPAツールを選ぶ際に注意すべきポイントを紹介する。

RPAの種類


RPAには、自社内に専用のサーバーやパソコンを導入して運用する「オンプレミス型」と、インターネット経由でサービスを利用する「クラウド型」の2種類がある。

「オンプレミス型」は初期導入費が高額なケースが一般的だが、セキュリティ面に強く自由なカスタマイズや連携が可能だ。一方、「クラウド型」は月々の利用料がかかるものの、時間や場所を選ばずに利用できるという特徴がある。それぞれ運用形態が異なるため、予算や使用目的によってどちらを選ぶか検討しよう。

対応している業務、費用対効果


RPAの対応業務の幅や料金は提供しているサービス会社によって異なるため、「自社が自動化したい業務が対応しているか」「十分な費用対効果が見込めるか」は重要なポイントだ。スムーズな運用が行えるよう、柔軟性や拡張性、他サービスとの連携機能なども確認しておきたい。

ツールの性能や利用するプランによってはユーザー数や業務規模に制限があることもあるので、あらかじめ導入を希望する業務や使用する人数、予算などを洗い出しておくとよいだろう。

使いやすさ、サポート体制


実際にRPAを利用するのは非エンジニアであることが大半であることから、専門知識がなくとも運用できる使いやすさもポイントとなる。導入を検討しているツールに無料トライアルがついている場合は、実際にRPAを使用する社員に試してもらうのもよいだろう。

また、導入時やトラブル発生時にもスムーズに対応できるよう、導入・運用マニュアルや研修の有無、トラブル時のサポート体制も確認しておこう。


まとめ

幅広い業務に対応し、作業をスピーディかつミスなく行えるRPAは、EC業務における生産性の向上に大いに役立つツールだと言えるだろう。自社社員がコア業務により注力するためにも、自社の業務体制や業務効率を見直し、RPAの導入を検討してみてはいかがだろうか。


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