即日配達 米『Google Express』名称新たにテスト終了し有料化へ

競合は「Amazonプライム」

ロイターによると、米Googleは、即日配達サービス『Google Express』の対象地域を拡大し、サービスを有料化することを発表した。
現在、カリフォルニア州の一部とニューヨーク市の一部で実施中の同サービスは今後対象地域をボストン、シカゴ、ワシントンDCにも拡大する予定だ。
利用料は月額10ドル、もしくは年間95ドルとなる。

同サービスは2013年3月よりサンフランシスコのベイエリアよりテストとして開始していた。地元コーヒーショップ、食料品店、複数のショップパートナーと提携し3段階の時間指定を用意、テスト期間中は配送料無料として実験的に進められてきた即日配達サービスだ。
「Google Shopping Express」から『Google Express』に改名し、有料化。全国チェーン店やローカル店を含めた新たな16の小売店が参加したことも発表した。

米Googleによれば今回の拡大で700万人が即日配達サービスを、1,200万人が翌日配達サービスを利用可能になったという。
即日配達サービスといえば、競合の「Amazonプライム」があり年会費は99ドル。『Google Express』は月額(10ドル)も用意しつつ若干リーズナブルな年会費(95ドル)に抑え競合に対抗する構えを見せる。会員以外でも『グーグル・エクスプレス』は利用可能なオプションを用意しており、利用のたびに4.99ドルの費用がかかる。

商品検索エンジン化しているAmazon

「Amazonプライム」といえば国内Amazonでも展開しているが、アメリカと日本では同サービスの事情や内容は異なっている。
同じ郊外でも国土の広さが根本的に異なるアメリカでは、配送業者の違いもあり日本と比べ配達に時間がかかる。通常でも4日以上かかることはざらな地域もあり、米Amazonでは配達時間別に複数の配達方法と料金が用意されている。
プライムサービスの内容が日本と大きく異なる点は、100万以上の楽曲をストリーミングで聞き放題、数千の動画をフリーで鑑賞可、キンドルの無料対象本を読み放題で、年会費が99ドルとなっている。国内のプライム会員費3,900円と比べると価格の違いが気になりがちだが、動画や音楽ライブラリの利用は規模を縮小してでも国内版にて検討してもらいたい内容だ。

Googleのエリック・シュミット会長は、同社の最大の競合相手はYahooでもBingでもなく、Amazonだとした。同士によると、多くの人々はAmazonを検索エンジンだとは思わないが、何かを買おうと思ったらAmazonで検索するだろうと語っており、もはやAmazonが商品検索エンジン化していると懸念しているのだ。『Google Express』でどの程度商品検索人口を呼び戻せるかは不明だが、日本も似たような傾向にあることを考えると今後の展開がとても気になるサービスだ。



-編集部-