BtoB-ECにおける決済方法とは。効率化できる代行サービスと導入メリット

ECのミカタ編集部

BtoB-ECにおける決済方法とは。効率化できる代行サービスと導入メリット

BtoB(企業間取引)において、ECサイトを活用する場合の決済方法を知りたいという企業担当者もいるのではないだろうか。企業間取引は一回の取引金額が大きいことから、決済方法を十分考慮することが重要だ。今回は、BtoB-ECにおける決済方法や便利な決済に関わる代行サービスの種類を紹介する。最後に、代行サービスを利用するメリットも紹介するので、BtoB決済の効率化を図る際の参考にしてほしい。

目次

●BtoB-ECとは?決済方法の選び方が重要な理由
●BtoB-ECにおける決済方法
●BtoB-EC決済に活用できる代行サービスの種類
●代行サービスを利用するメリット
●まとめ

BtoB-ECとは?決済方法の選び方が重要な理由

BtoB-ECとは企業が企業に向けて展開するECを意味する。インターネットを通じ企業同士で製品やサービスを売買するビジネスの仕組みだ。従来の電話やFAXなどで受発注を行うケースと異なり、商品の内容や在庫情報などが全てデータで管理されるため、迅速に受発注の処理が行える。インターネットで自社の商品を広く公開を行うことも可能だ。販路が拡大し、既存顧客以外にも新規顧客獲得といったグローバルな取引も実現できるといった特徴がある。

BtoB取引は、BtoC取引に比べて1回あたりの金額が高額なことや1社あたりの取引数が多いことから、代金の未回収トラブルを防ぐことが重要だ。決済方法によっては業務の手間が大きく変わる。業務の効率化や顧客満足度向上のためにも、BtoB-ECの決済方法を考えることは不可欠と言えるだろう。


BtoB-ECにおける決済方法

BtoB-ECの決済方法には以下の種類がある。それぞれの決済方法のメリットとデメリットを紹介する。

掛売り(請求書払い)


掛売りとは、一定期間の取引代金を後日まとめて回収する決済方法で、「請求書払い」とも呼ばれている。日本の商習慣では、一番取り扱いの多い決済方法だ。掛売りは、買い手は資金繰りに余裕ができるため、大きな取引がしやすく、支払いの手続きが最低限に抑えられるという特徴がある。取引先によっては、掛売りの決済方法を好む場合もあるため、決済方法による機会損失を防げるだろう。

しかし、掛売りには未回収リスクがある。必要に応じて、与信審査や請求書発行・代金回収・入金管理・督促など対応が不可欠となるだろう。ECサイト上での取引は、全国各地のさまざまな企業が取引先となるため、買い手側の与信審査は対応が難しいという特徴もある。不正利用などのリスクも高まるため、トラブルが起きた際の対処方法を検討しておく必要があるだろう。

代金引換


代金引換は、商品の到着時に、取引金額と代引き手数料を合わせた総額を宅配業者に回収してもらう方法だ。回収後は、代引き手数料および振込手数料を差し引いた金額が、宅配業者から入金される。代金引換のメリットは未回収リスクがないことだと言えるだろう。

一方で、代金引換は代引き手数料がかかる点や、不在などで引き渡しができず取引に遅れが出るといったデメリットがある。代引き手数料は取引の度に発生するため、売り手側で手数料を負担する場合、長期的に見るとコストが増大する懸念があることを知っておきたい。

クレジットカード


クレジットカード決済とは、現金を介さずに回収が完了するキャッシュレスの決済方法だ。クレジットカード会社経由で、毎月決められた日に入金されるため、取引先が入金するたびに発生する確認作業を簡素化できる。また、カード会社を経由しているため、与信管理や請求書の発行が不要となるといった特徴もある。

しかし、企業によっては、自社のコーポレートカードをもっていない場合や、個人のクレジットカード使用をためらうというケースもある。クレジットカード対応のみに限定すると、顧客を逃してしまう場合もあるため、他の決済方法を設けるなど選択肢を持たせる工夫が必要だろう。

口座振替(自動引き落とし)


口座振替は、金融機関に事前に登録し指定した口座から自動で定期的に回収代金を引き落とす方法だ。金額やタイミングは前もって設定しておく仕組みのため、毎月回収が発生するような継続的な取引に向いている。他の決済方法に比べ手数料が抑えられることや、回収忘れのリスクがないというメリットがある。

注意しておきたいことは、登録から利用開始まで時間がかかることと、口座の残高不足による未回収リスクがあることだ。

銀行振込(前払い)


銀行振込とは、自社が指定する金融機関の口座に事前に支払いを済ませてもらう決済方法となる。入金を確認してから商品を発送するため、未回収リスクがないことが大きなメリットだ。

一方で、入金が確認できるまでは商品を発送できないことで、納期が短い場合に対応が難しく、取引に遅れが出るなどが考えられる。また、銀行振込のデメリットとして、入金の度に確認作業が発生することや、取引企業が前払いを嫌がることが挙げられる。機会損失につながるケースも考えられるため、注意が必要だろう。


BtoB-EC決済に活用できる代行サービスの種類

先述したように、さまざま決済方法を取り揃えることは、販路を拡大するために有効だ。一方で、決済方法が多いと、管理する情報や手続きが増え、業務負担の増加が懸念されるのではないだろうか。このようなケースで活用したいのが「代行サービス」だ。ここでは、BtoB決済に関する代行サービスの種類を確認していこう。

決済代行サービス

決済代行サービスとは、BtoB-ECのクレジットカード決済に関する業務を一括して代行するサービスのこと。クレジットカード会社ごとの個別審査や手続き、カード決済の売上金管理業務を一括で代行してもらえるケースが多い。また、決済代行会社のセキュリティーシステムを利用するため、自社でシステム構築を行う必要がなく効率的にクレジットカード決済を導入できる点も特徴だ。

関連記事:決済代行サービス10社比較!簡単導入でECサイトの購入手段を充実

請求代行サービス


請求代行サービスは、請求書の作成から発送、消込、入金の催促まで、請求に関する業務を代行するサービスのことだ。取引先が多い場合、請求件数が増え請求業務の負担が増大するケースも考えられる。また、未回収が頻繁に発生する取引先があると、請求業務の負担が大きくなるため、請求代行サービスを活用して業務の効率化を図る企業も多い。


代行サービスを利用するメリット

最後に、上記で紹介した代行サービスを利用するメリットについて詳しく解説する。メリットを十分理解した上で、導入を検討してはいかがだろうか。

コア業務に集中できる


代行サービスを導入すれば決済に関わる業務が効率化できるため、その分コア業務に集中しやすくなるだろう。企業の成長発展に直結するような業務に注力できることは企業にとって大きなメリットだ。また、請求業務の負担軽減によって、従業員のパフォーマンスをより良い状態に保つといった効果も期待できる。

代金未回収リスクの予防措置が行える


請求代行サービスの利用で「与信管理」の徹底が可能となり、代金の未回収リスクの予防措置が行える点もメリットだ。代金未回収のリスクは、売上に直結し企業に大きな影響を及ぼしかねない。与信審査が通った売掛先に対する入金保証サービスがついていれば、万が一のリスクにも備えられるだろう。

ビジネスのスピードアップにつながる


代行サービスが定めた与信基準に則って、スピーディーに与信審査が行われれば、これまで取引が難しかった企業との新たなビジネスにつながることも期待できる。社内の与信審査は、手続きに時間や手間を要する場合が一般的だ。企業によっては与信基準が厳しく、小規模企業や個人事業主と取引ができず販売機会を逃している場合もある。決済代行や請求代行サービスの利用により、これまで以上のビジネス機会が創出され、新規顧客獲得もつなげることができるだろう。


まとめ 

BtoB-EC運営において、決済方法の選択肢を広げておくことは重要なポイントと言える。しかし、決済方法によってメリット・デメリットがあるため、機会損失とともに、未回収リスクに対応できるような対策の検討は不可欠だろう。決済代行や請求代行といった業務効率化につながるサービスも検討しながら、自社サイトの利便性を高められるような決済方法を検討していこう。


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