楽天グループが格安スマホ市場に本格参入、「楽天モバイル」提供開始

月額1250円からの安価な料金

楽天グループの通信会社であるフュージョン・コミュニケーションズ株式会社は10月29日、格安通話サービス「楽天モバイル」の提供開始を発表した。
月額利用料金は定額インターネット接続と通話で月額2200円と、大手携帯電話会社のプランより大幅に安い。
申し込みはネット通販「楽天市場」から行えるようにする。

「楽天モバイル」のサービスに対応するSIMフリー端末の第一弾として、ASUS JAPAN株式会社が提供する最新スマートフォン端末「ZenFone 5」を採用。10月28日に発表されたばかりの端末で、高速プロセッサーと大容量メモリが搭載され、LTE通信に対応している。端末は、2万6400円で販売する。
「楽天モバイル」サービスと同時に申し込んだユーザーには、端末発売日の11月8日(土)より順次届ける、という。

SIMカードの月額利用料金は、1カ月あたりの通信容量とネット接続の通信速度で異なる。最安プランは通信速度が最大毎秒200キロビットで月額1250円。
下り最大毎秒150メガビットの場合、容量2.1ギガバイトで1600円、4ギガバイトで2150円となる。

端末は楽天が提供する無料通話アプリ「バイバー」や、電話番号をそのまま使えて通話料金を安くできる通話アプリ「楽天でんわ」が使えるようになっている。
特典として、各プランの月額料金が初月無料となっており、楽天モバイルに契約し、期間中、楽天でんわに利用登録すると楽天スーパーポイント1,000ポイントがつく。

異なる料金体系で、さまざまな通信容量のニーズに対応

楽天は国内に9000万以上の会員を抱える。提供するスマホ関連サービスなどと組み合わせて売り込み、3年程度で1000万台の販売を目指すとしている。

格安スマホには、イオンなど小売り大手や通信事業者が相次いで参入している。
ただし、今年4月、イオンが端末代と通信料合わせて2980円で発売した格安スマホの場合、通信速度は遅く、容量も少なめだった。メールやインターネット閲覧くらいなら問題はないが、動画やゲームをよく使う若い世代にはそれほど受け入れられてはいない。結果、シニア層を中心の販売となっている。

「楽天モバイル」の場合、料金により通信容量が異なるプランが用意されている。当然、容量が大きいほど高い。
シニア層は「ベーシック」プランに、かなりハードに使う若者は「7GBパック」に、その中間層は「2.1GBパック」や「4GBパック」に…と振り分けられていくと思われるが、実際度の程度受け入れられるかについては、今しばらく様子を見ていく必要があるだろう。