リユースECはサステナビリティを深化させるか?メルカリが「サステナビリティ関連の意識・行動変容とフリマアプリ利用の相関に関する調査」を実施

ECのミカタ編集部

メルカリ総合研究所(運営:株式会社メルカリ)は、全国の男女3,000名を対象に「サステナビリティ関連の意識・行動変容とフリマアプリ利用の相関に関する調査」を実施し、その結果を公表した。

調査概要

▶調査対象 :全国15~69歳の男女 3,000名

▶調査方法 :インターネットリサーチ

▶調査時期 :2022年6月10日(金)~6月11日(土)

※グラフ内の数値は小数点第二位以下四捨五入

サステナビリティ関連の意識

サステナビリティ関連の意識

▶「環境問題に関心がある」と回答した人は54.6%と昨年対比+4.7pt。また、「メルカリ」で出品および購入を行っている人の55.9%が「環境問題に関心がある」と回答し、全体より1.3pt関心が高い。

▶「メルカリ」に対するイメージを聞いたところ、「利用者/使える場所が多い」「流行っている」が上位。58.9%が「メルカリを使うことはサステナブルだと思う」と回答。

▶「メルカリ」利用によるサステナビリティや購買行動に対する意識の変化は、1位「ものを大切に扱うようになった」60.2%、2位「新品にこだわらなくなった」53.9%という結果に。昨年対比で最も変化があったのは「環境や社会課題を意識するようになった」42.1%(昨年対比+9.5pt)という回答。

サステナビリティ関連の行動

サステナビリティ関連の行動

▶環境問題解決の行動に関して、89.8%が「行動をとっている」と回答。

▶昨年対比で変化が大きい“不要品の扱い”や“購買行動”TOP3は、1位「不要になったものはリサイクルに出す」28.2%(昨年対比+4.7pt)2位「不要になったものはフリマアプリやオークションサイトで売る」22.0%(昨年対比+2.4pt)3位「不要になったものは捨てないで人に譲る」17.1%(昨年対比+1.6pt)という結果に。捨てる以外の選択肢や商品購入時における行動の変化が伺える。

▶「まだ使える不要品をごみとして処分する」と回答した人は73.0%となり、昨年対比2.8pt減少。その中でも「メルカリ」で出品および購入を行っている人の場合は61.6%と全体より11.4pt低い。

▶53.1%が「直近1年間で中古品を購入した経験がある」と回答(昨年対比+7.1%)。商品カテゴリー別に見ると、昨年対比で最も変化が大きい商品は「洋服」(19.7%、昨年対比+6.7pt)。

▶メルカリが8月16日に発表した「2022年度フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動」に関する意識調査においても、中古品への抵抗感がない人が増加している結果が出ており(前回調査対比+5.9pt)、中古品に対する意識や購買行動の変化が顕著に伺える結果となった。

サマリー

調査に結果あるように、中古品の購入経験者は5割以上となり、昨年対比7.1pt上昇していた。また約4割が「メルカリ利用により、環境や社会課題を意識するようになった」と回答し、昨年対比約10pt上昇していた。

調査を受けて、株式会社日本総合研究所創発戦略センター、シニアマネジャーの橋爪麻紀子氏は、次のように述べている。

「相次ぐ異常気象、長引くコロナ禍、資源・エネルギー問題に起因する物価高騰といった様々な社会環境の変化によって、『モノを大切に使おう』『長く使えるモノを買おう』『使わないモノは誰かに譲ろう』といった生活者の意識が社会全体で高まりつつあります。そうした生活者の購買・消費意識が変化するなか、今回の調査ではメルカリが提供するフリマアプリの利用によって、『モノを大切に扱うようになった』『新品にこだわらなくなった』など、生活者の購買・消費行動がよりサステナブルなものへ少しずつ変容していることがわかりました。さらに、フリマアプリの利用を通じて、利用者が『メルカリを使うことはサステナブルだと思う』と、自分の行動がサステナブルな社会の実現に貢献しているというポジティブな『気づき』を得ていることは興味深い結果です。

循環型社会の実現のためには、企業側の原料調達や生産・流通工程における環境負荷を減らす努力に加え、生活者側によるモノの購入、消費、廃棄までのプロセスをいかにサステナブルなものにできるかが重要なポイントです。企業のESG配慮が主流化しつつあるなか、自社の取り組みだけを追求するのではなく、いかにして生活者や社会全体のステークホルダーを巻き込んだ事業活動を実行できるかといった点は、企業のサステナビリティの取り組みにおいて、今後ますます重視されるようになるでしょう。『メルカリ』というフリマアプリが、より多くの利用者に環境、サステナビリティに関する『気づき』を与え、購入、消費、廃棄のプロセスにおける行動変容を促すことで、循環型社会の実現に貢献するマーケットプレイスとしてその利用がさらに拡大していくことに期待しております」

持続可能な社会の実現に対して、EC事業者にも等しく課題が投げかけられている。リユースEC市場におけるトップランナーのひとつであるメルカリは、CtoC取引がメインであるという特性から、個人のユーザーと向き合えるプラットフォームだとも言えるだろう。であるからこそ、一人ひとりのユーザーにサステナビリティについて考える機会を提供し、かつ共有できる場にもなり得る。それらを通してリユースEC市場全体が持続可能社会実現のためのひとつの架け橋としての価値を高めることに各方面から一層、期待がかかることになりそうだ。

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