DGFTがAI活用不正検知ソリューション【Sift】の提供開始
株式会社DGフィナンシャルテクノロジー(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長共同COO 兼 執行役員SEVP:篠 寛)は、株式会社スクデット(本社:東京都中央区、代表取締役:細江 啓太)と提携し、不正検知ソリューション「Sift Digital Trust & Safety Suite」の提供を開始することを公表した。
AI活用不正検知ソリューション“Sift”
株式会社デジタルガレージ(以下「DG」)の子会社で、決済事業を手がける株式会社DGフィナンシャルテクノロジー(以下「DGFT」)は、オンライン不正対策事業を展開するスクデットと提携し、DGFTが提供する総合決済サービス「VeriTrans4G」の不正検知サービスラインナップの新サービスとして、Sift Science, Inc.のAIを活用した不正検知ソリューション「Sift Digital Trust & Safety Suite(以下:Sift)」の提供を開始することを公表した。
◆Siftプロダクトラインナップ
▷Payment Protection
クレジットカード決済時の不正利用や不正な大量購入を防止する。
▷Account Defense
偽アカウントやアカウントの大量作成、アカウントの乗っ取りを防止する。
▷Content Integrity
フェイクコンテンツやスパムコンテンツの投稿を防止する。
「Sift Digital Trust & Safety Suite」概要
Siftは、クレジットカードの不正利用やアカウント乗っ取りなど、ECサイトやオンライン上での不正や悪用をAIにより即時に識別する不正検知・防止ソリューションで、チャージバック等の不正被害削減や不正対策に係るオペレーションの効率化、収益増加を実現するものとなっている。
Siftは、サイト内でのユーザーの行動全体をモニタリングし、AI・機械学習モデルによりリアルタイムでリスク判定をしているため、巧妙化する不正を逃すことなく検知するという。また、2011年のサービス開始以来、BoxやTwilio、DoorDashなどのグローバル企業をはじめとした全世界3.4万以上の多業種のサイト・アプリで利用されており、毎月700億件以上のユーザー行動が収集されているとのことだ。
これらのユーザー行動をリアルタイムに学習し、AI・機械学習モデルに反映しているため、より精度の高い検知が可能となるほか、大規模グローバルネットワークを基盤にした世界共通のモデルや、地域、業種、顧客ごとにカスタマイズされるモデルなど、さまざまな機械学習モデルが複合的に適用されるため、導入事業者が手間のかかる不正ルールのチューニングを行うことなく、自社サービスに応じた最適な不正対策が実現できるとしている。
Siftは、さまざまタイプの不正・悪用に対し包括的な対策を行えるよう3種のプロダクトが用意されており、事業者は自社の課題に応じて最適なプロダクトを選択して導入することが可能だ。
巧妙化する不正とカード犯罪に対応
同社も述べているが、コロナ禍やウクライナ紛争に便乗した、サイバー攻撃や不正アクセスが全世界で急増している。国内においても、コロナ禍を契機に社会全体のデジタル化が急速に進展し、システムの不備を突いた攻撃や情報漏えい事案が増加しているほか、消費者を狙うフィッシングメールなどのオンライン詐欺も年々巧妙化し被害件数が急増している。
これらのサイバー攻撃で窃取されたクレジットカード情報の不正利用被害は2021年には過去最高額となる330億円に到達した。この状況を危惧した経済産業省は、2022年6月に「クレジット・セキュリティ対策ビジョン2025」を公表し、EC事業者、カード会社、決済代行会社、ECシステム提供会社などに対し、不正検知の活用も含む不正利用防止対策や情報漏えい対策の更なる強化を求めるとともに、関係省庁やカード業界をはじめとした各業界団体と連携し環境整備の推進や法制化を検討している。
特にECにおいてはクレジットカードが主要な決済手段ともなっており、同社の提供する新たな不正検知ソリューションは、より安全なECビジネスを担保する上でも心強い存在となりそうだ。