Recustomerが【ECサイトの返品・交換データレポート】を公開
Recustomer株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:柴田 康弘)は、購入体験プラットフォーム「Recustomer(リカスタマー)」内の返品・交換データについて過去1年を対象に調査を行い、「ECサイトの返品・交換データ調査レポート」を公開した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。
調査概要
▶調査方法:Recustomer内データにおける自主調査
▶調査対象期間:2021年11月1日~2022年11月1日
▶対象ブランド:Recustomer導入企業
靴の返品・交換率
同社は、まず各業界の出荷数に対する返金と交換を希望するリクエスト件数の割合を調査している。また、返金または交換の際に発生する返品リクエストで、交換対応を行った割合・返金対応を行った割合を算出することで、各業界の返品の傾向を分析した。
靴業界の平均的な返品・交換率は8.87%という結果になった。また、靴業界では返品リクエストを受け付けた後に返金を選択する買い物客は44.36%、交換を選択する買い物客は55.64%ということが分かった。
業界別、顧客都合の返品傾向
返品には“不良品などの事業者都合の返品”と“イメージと違ったなどの顧客都合の返品”の2種類がある。海外では顧客都合の返品は当たり前に行われているのに対し、日本には「事業者は消費者の返品に応じる義務がある」などの法律が存在していないため、事業者は買い物客の返品希望を了承する必要はなく、返品は事業者側によるサービスとなる。
同調査では、業界別に、全返品(返金もしくは交換)リクエストの中で、サイズ違いやイメージ違いなど、顧客都合の返品リクエストの割合を算出している。また、Recustomerを導入している全ブランドの中で「顧客都合の返品を受け入れる」という返品ポリシーを提示しているブランドの割合を業界ごとに調査し、返品ポリシーの傾向を分析いたしている。
返品を活用した「返品マーケティング」
これまでマイナスと考えられてきた返品を、マーケティング施策として活用する会社が増えている。返品マーケティングとは、自由度の高い返品ポリシーを訴求することで購入のハードルを下げ、ECサイトの購入率を向上させるマーケティング手法だ。代表的な施策には「返品無料キャンペーン」や「試着キャンペーン」などがある。
同社は、返品マーケティングを実施している商材の傾向についても調査した。調査結果は、アパレルが半数を占め、その他もファッションアイテムが多い傾向になった。「サイズや生地感が分かりにくいからオンラインでは購入できない」というユーザーの課題が多い商材ほど、返品マーケティングを実施しているブランドが多い傾向にあった。
返品マーケティングと売上規模の相関関係
ブランド売上別で「返品マーケティング」を実施しているブランドの割合を調査している。調査の結果、業界に関わらず、流通取引総額が10億円以上のブランドのうち52%が返品マーケティングを実施していることが分かった。
サマリー
調査にあるように、靴業界の平均的な返品・交換率は8.87%という結果になり、靴業界では返品リクエストを受け付けた後に返金を選択する買い物客は44.36%、交換を選択する買い物客は55.64%ということが分かった。
また、返品マーケティングを実施している商材果は、アパレルが半数を占め、その他もファッションアイテムが多い傾向になり、「サイズや生地感が分かりにくいからオンラインでは購入できない」というユーザーの課題が多い商材ほど、返品マーケティングを実施しているブランドが多い傾向にった。
さらにブランド売上別で「返品マーケティング」を実施しているブランドの割合については、業界に関わらず、流通取引総額が10億円以上のブランドのうち52%が返品マーケティングを実施していることが分かった。
リアル店舗でもECにおいても返品問題は、アイテムの販売を主軸としたビジネスを展開する上で、避けては通れない部分である。またこの返品への対応によっては、売上に直結し、その反面、顧客からの評価にもつながり、結果として企業やブランド価値にも影響しかねない。今回の調査からは、こうしたビジネス遂行上の難題とも言える返品について、各業界がどう向き合っているか、数字からうかがえる貴重な資料と言えそうだ。