ギフトECに欠かせない梱包。合わせて行いたい施策や構築時の注意点

ECのミカタ編集部

ギフトECに欠かせない梱包。合わせて行いたい施策や構築時の注意点

EC需要の高まりとともに、ギフトECのニーズも高まっている。ギフトECでは「梱包」で他社との差別化を図ることが、重要な施策といえる。今回は、ギフトECの特徴や売上につなげるべく導入すべき施策、ギフト梱包を成功させるためのポイントを紹介する。自社にギフトECの注意点も解説するので、構築時の参考にしてほしい。

目次

●ギフトECの特徴
●ギフトECに欠かせない梱包などの6つの施策
●ギフトECを成功させる梱包のポイント
●ギフトEC構築時の注意点
●まとめ

ギフトECの特徴

ECショップのうち、ギフトに特化した商品を多く扱うショップを、ギフトECという。まずは、ギフトECのニーズが高いシーンや扱う商品の種類などについて紹介する。

ギフトECとは


ギフトECとは、ギフト商品に特化したECサイトのことだ。お中元やお歳暮、出産祝いなどの贈り物以外にも、身近な人への誕生日プレゼント、父の日や母の日の贈り物など、さまざまなシーンに対応した贈り物を扱っている。一般的なECサイトと比較すると、ギフト商品が豊富なのはもちろん、ラッピングや熨斗(のし)、メッセージカードなど贈り物に欠かせないサービスにも対応しているといった特徴がある。

近年、コロナ禍の影響で顔を合わせにくい状況があることから、ECを活用した贈り物の需要は増加傾向にある。また、せっかく贈り物をするなら丁寧な梱包や、相手に喜ばれる工夫をしたいという消費者意識も高まっている。こうした状況の中で、ギフトECに注力していくことは今後事業を拡大するきっかけを秘めているといえる。

ギフトECの種類


個人間の贈り物は、「フォーマルギフト」と「カジュアルギフト」の2つに分けられる。「フォーマルギフト」とは、結婚や出産祝い、お中元やお歳暮、仏事の返礼など、儀礼的な贈り物のことを指す。熨斗を付けるなど、贈る際の形式に決まりがある。

一方の「カジュアルギフト」とは、誕生日や父の日、母の日、クリスマス、バレンタインデーなど、形式を気にせず身近な人に贈るギフトのことを指す。このカジュアルギフトは、相手の住所を知らなくてもメールやLINEなどのSNSを通じてギフトが贈れる「ソーシャルギフト(eギフト)」という方法も昨今は人気を集めている。


ギフトECに欠かせない梱包などの6つの施策

ギフトECに欠かせない要素の一つに「梱包」があるが、他にもギフト商品を扱う際に取り入れたい機能がいくつかある。ここでは、ギフトECを立ち上げる際に導入すべき6つの施策を紹介する。

1.多様なラッピング選択


ギフトECでは、贈る相手やシーンに応じたラッピングの配色や包装方法を選択できる機能は重要だ。ラッピングは、贈り主と受け手の最初の接点となり、感謝の気持ちの表現や感動の演出を行う役割がある。そのため、幅広いバリエーションのラッピング方法があると、ギフトにこだわりたいと考える顧客から支持されるだろう。

なお、ラッピング選択時には、出来上がりのイメージをサイトの画面で購入前に確認できるようにしておくことで、実店舗での購入体験に近づけることもできる。

2.メッセージカードの同梱


感謝の気持ちやお祝いの言葉など、一言添えて贈り物をしたい方にとっては、メッセージカードの同梱も欠かせない機能の一つだ。メッセージカードの種類や文字のフォント、例文が選べるなど、顧客の選択肢を増やすことで他社との差別化にもつながる。

3.用途に合った熨斗対応


お中元やお歳暮、出産祝いのお返しなどを送りたい人にとっては、熨斗に対応しているかは重要なポイントだ。熨斗には、ラッピング(包装紙)の上からかける外熨斗と、熨斗の付いた商品をラッピングする内熨斗の2種類が存在する。外熨斗が使われるのが一般的だが、内祝いは控えめな表現にするためにあえて内熨斗が用いられることが多い。

このように、熨斗は贈り物の用途によって、熨斗のかけ方、名入れ、水引の種類が異なる。用途に応じて熨斗が選択できるようにしておくことで幅広いシーンでの活用が見込めるだろう。

なお、フォーマルギフトの熨斗のマナーを詳しく知らない顧客もいる。サイト上に「お役立ちコラム」などとして、熨斗の解説を加えるとよい。顧客の滞在率を伸ばし、売上に直結する可能性も高くなるだろう。

4.名入れ機能


贈り物に贈る相手の名前を入れるといった名入れ機能も、特別なギフトを演出する方法の一つだ。例えば、ハンカチや財布、食器など幅広い製品に名前を入れるサービスに対応できれば幅広いシーンでの購入を見込める。名入れに対応する場合は、文字の大きさやフォント、色などを選択できれば、より特別感が増すだろう。

なお、名入れ機能を導入する際は、名入れをした場合にどのような商品になるのか最終的な完成イメージを購入画面などで提示しよう。贈り手に完成イメージを具体的に伝えることで、安心感や購入意欲を高めることにつながる。

5.複数の配送先設定


結婚祝いのお返しやお歳暮などは、ギフトを送る際、一度に複数の住所に届けることがよくある。そのため、商品ごと別々の配送先を設定できる機能も重要だ。配送先ごとにラッピングや熨斗の対応が変更できると、顧客にとってさらに利用しやすくなるだろう。

なお、一度の注文で複数の配送先を設定できる機能に対応した場合、届け先が増えた分だけ送料が加算されるようにしよう。

6.アドレス帳機能


サイト内に送付先を登録できるアドレス帳機能があると、送付先の登録が一回で済むため、リピート利用につなげやすい。特に、お中元やお歳暮などの季節ごと繰り返し贈る機会のあるギフトで役立つだろう。アドレス帳には、配送時に必要な住所、氏名、電話番号などを登録できるようにしておこう。

関連記事:ギフトECとは? 市場規模から構築するさいのポイントを解説

ギフトECを成功させる梱包のポイント

ここからは、ギフトECを成功させるための梱包のポイントを解説する。

梱包方法にこだわり差別化を図る


ギフトを受け取る側が一番最初に目にする梱包にこだわり、特別感を増す演出にこだわりたい。自社ならではのオリジナルの梱包方法やサービスを打ち出せれば、他社との差別化につながり売上アップも期待できる。

例えば、ラッピングコーディネーターの資格を持つスタッフがいるなら、積極的に発信しよう。そうすることで、顧客は高品質な梱包を把握でき、「ここなら安心して依頼できる」「次も活用したい」といったロイヤリティ構築にもつながるだろう。

環境配慮に注力した方法を展開する


近年は、SDGs・脱プラといったサステナビリティへ対する企業の取り組みも、顧客が商品を購入する上で大事な要素となっている。そのため、環境配慮に注力した梱包方法を展開していくことは今後のトレンドとなるだろう。

例えば、ギフト商品のサイズにあわせて梱包資材を作る、緩衝材に紙を使用することも環境に配慮した取り組みだ。他にも、ECサイトでラッピングを依頼すると過剰包装で、利用に躊躇するというケースもあるかもしれない。そのような場合は、配送箱をそのままラッピング梱包として活用できる方法を実現できれば、梱包資材を削減でき、余計なコストを抑えられるといった効果も得られるだろう。


ギフトEC構築時の注意点

ギフトECは、顧客のニーズに応じた多様なサービスを提供するだけでは構築に失敗するケースが考えられる。最後に、ギフトECの注意点を紹介するので、構築時の参考にしてほしい。

ギフト対応範囲の調整


ギフト対応に特化したさまざまな施策があるが、それらを実現するためのコストは課題の一つといえる。梱包材や作業にコストがかかり対応が難しいと感じる場合には、ギフト対応範囲を調整することが重要だ。自社商品の何がギフトとして利用されるケースが多いのかを把握し、ギフト対応の範囲を定めたり、梱包作業の簡素化などを検討しよう。

または、有料ラッピングの導入も一つの方法だ。無料で行う梱包と有料の範囲を区別することで、顧客にとってもシーンに応じて利用の幅が広がるだろう。有料ラッピング機能を導入する場合は、購入金額に加算されるシステムが必要だ。

支払方法への留意


ギフトは、必ず送り主が支払いを行うため、受け取り側が代金を支払う「代引き払い」を設定できないようにすることも重要だ。ギフトECを構築する際は、支払方法の選択肢から代引きをあらかじめ除外しよう。どうしても、除外できない場合は、目立つ場所に注意書きを添えておこう。

発送ミスを防止する対策


一度に複数の配送先に商品を送付する場合は、送付ミスも注意するべきポイントだ。ギフトECが利用されるシーンの特性上、送付先や商品に誤りがあるとサイトの信頼度やリピート率などにも負の影響を与えやすい。

注文から発送までの作業で自動化できる部分は出来る限り機械で行うなど、ミスを起こさない体制やシステム作りを徹底しよう。


まとめ

インターネットの普及により贈り物の内容も多様化しており、ギフトECに求められる要素も梱包だけでなく幅広い要素が必要となっている。ギフトECを構築する際は、顧客のニーズに対応できるようなカスタマイズ性とともに、オリジナルのサービスを提供することが不可欠といえるだろう。今回の記事を参考に、自社ならではのギフトECを構築してみてはいかがだろうか。


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